日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

北朝鮮に中国の傀儡政権誕生の可能性はあるか

2017年10月04日 09時29分18秒 | 日々雑感
 今年2月、クアラルンプール国際空港で金正恩委員長の異母兄の金正男氏が殺害された際、その息子である金漢率氏が話題になった。現在、中国は金漢率氏をどこかに匿っている筈である。氏は北朝鮮では金正男氏と並ぶ正統な体制承継者と見なされ得るため、もし金正恩が排除された場合、有力な次期後継者となろう。中国は北朝鮮の崩壊を防ぐことに最大努力しているように思われるが、一方では聞き分けの良い傀儡政権の樹立を企んでいても不思議ではない。

 北朝鮮の核保有はどうやら避けられない状況となってきたが、中国にとって最善の策は傀儡政権の樹立であろう。金正恩に代わり聞く耳を持つ主導者となれば、北朝鮮への全面的な経済支援により、その崩壊を避けることも出来るだろし、中国への核の脅威は無くなるだろう。

 金正恩の北朝鮮が核保有した場合、世界の懸念材料の一つは核技術の拡散との話だ。お金の欲しい北朝鮮と核技術が欲しい国の結びつきはいくらでもありそうだ。一度核保有すれば、国の存続は絶対安全と信じられている。イランを筆頭に独裁体制を守りたいアフリカ諸国も沢山ある。

 これらの可能性を、中華思想の習近平氏が指を咥えて見ている筈が無い。金正恩の核保有は恐ろしいが、北朝鮮の崩壊はもっと恐ろしい。残される道は傀儡政権の樹立しかない。

 トランプ大統領と金正恩の罵倒合戦が続いており、今にでも戦争が始まりそうな気配であるが、両者共に本当に戦争を欲しているとは思えない。トランプ大統領のツイッター内容は、単にストレスのはけ口であろうし、金正恩は弱みを見せたくない子供の仕業であろう。

 国際政治学者の酒井啓子氏も、制裁も攻撃も効果なし(9月13日朝日新聞夕刊)と主張しているが、話し合いで核放棄をする様子は見られない。然らば、核保有を認知することしか選択肢がないだろうか。中国にとって核保有を安心して認知するためには、言いなりになる北朝鮮だ。

 ネットを見ると、様々な憶測が飛び交っており、話としては面白い。無責任な話であるが、何があってもおかしくない程、情勢は混とんとしている。

 まずロシアへの亡命説だ。今や金正恩政権は中国ではなく、ロシアの傀儡政権となっているとの話だ。先日の6回目の核実験では、ロシアは事前に連絡を受け、国境近くのロシア側住民は事前に避難していたそうだ。また、万が一に備え金正恩には亡命ルートまで用意されているという。北朝鮮とロシア間には、金正恩一族が亡命するためのトンネルまで建設されているというから驚きだ。

 また、昨年7月には在英国北朝鮮大使館の、テ・ヨンホ公使が妻や子どもと共に亡命し、先ごろ韓国入りしたそうだ。公使によれば、金正恩は米国などの暗殺行動から逃れるため、すでに中国逃亡計画を策定したと述べたそうだ。中国も傀儡政権が出来るのであれば、金正恩一族の亡命など簡単に受け入れるだろう。 

 更に、昨年10月には、金正恩委員長の健康管理に関わっていた北朝鮮の高官が亡命を求めたとの話だ。金正恩氏のストレスによる健康不安はかなりあるとのことだ。氏は疑心暗鬼の為No2の人材をことごとく粛清しているとのことだが、自分が病気で倒れた場合、北朝鮮の指導を誰に託すか、子供は小さ過ぎるため、異母兄である金正男氏の息子の金漢率氏に託すことが罪滅ぼしと考えるかも知れない。

 これらの噂はどこまで真実か分からないが、トランプ大統領と金正恩委員長のにらみ合いはチキンレース状態であり、今後の見通しは何が起きても不思議でない状況であろう。戦争だけは起きて欲しくないが、一番無難な解決方法は、金正恩が何処かに亡命し、北朝鮮に中国の傀儡政権が出来ることであろう。2017.10.04(犬賀 大好-378)