日々雑感

最近よく寝るが、寝ると言っても熟睡しているわけではない。最近の趣味はその間頭に浮かぶことを文章にまとめることである。

地球温暖化と異常気象頻発に関係あるか?

2017年02月01日 09時14分48秒 | 日々雑感
 トランプ米大統領は、就任直後に、オバマ政権が地球温暖化対策として導入した温室効果ガス排出削減対策である ”気候行動計画” を撤廃すると表明した。これは雇用増のため化石燃料の使用を増やす政策を推し進める政策の一環である。

 就任後は、地球温暖化対策の新たな枠組みであるパリ協定には、何も触れていないようだ。しかし、気候行動計画を有害で不要な政策と切り捨て、石油や天然ガスの開発に注力する姿勢を示しているため、すべての国に温暖化対策を義務付けたパリ協定が実質的に形骸化することになろう。

 パリ協定を支持する各国の代表らは、トランプ新大統領が、いかなる法的手段に出ようとも、協定から離脱することはできないとの考えを示していたが、安直な考えであった。そもそも、削減目標が未達成でも罰則がないため、トランプ氏はパリ協定を離脱せず無視するだけで良いのだ。

 これに対し、米国と並び世界2大排出国である中国はどう出るであろうか。中国はパリ協定に積極的であった。しかし、中国は地球の将来を本当に心配して積極的であったというより、世界の大国であることを誇示するため、米国に倣おうとしていただけと勘繰られる。従って、トランプ氏に倣い中国も実質的に無視する戦略に出ると思われる。そうであるならば、地球の温暖化は一層急激に進むと懸念される。

 さて、米海洋大気局(NOAA)は今年の始め、2016年の世界の平均気温は約14.8度で過去最高であった前年を0.04度上回ったと発表した。米航空宇宙局(NASA)も独自に集計・分析し過去最高であったことを確認した。

 平均気温が高々0.04度上昇したところで大した影響は無いと感覚的には思われる。トランプ大統領ならずとも、地球温暖化と大騒ぎする必要は無いと思われてもしょうがないところはある。それより近年頻発する異常気象の方が気になる。地球温暖化と異常気象の頻発は関係しているのであろうか。

 地球温暖化による長期的な気温の上昇にともなって、大気中の水蒸気が増加する。すると、雨をもたらす低気圧の強さが変わらないとしても、水蒸気が多い分だけ多量の雨が降る傾向となる、との説明がある。豪雨に関してはその通りかも知れない。しかし、旱魃に関してはどうかと考えると、別の理屈を考え出さなくてはならない。また、異常高温、異常低温も同様である。

 これまでに、2010年夏に起きたロシアの記録的な猛暑、2010年夏の南アマゾンの干ばつ、2012年7月の九州北部豪雨など、社会的に大きな被害をもたらした気象現象について、地球温暖化がどの程度寄与したか、気候モデルを用いた調査が進められてきたそうだ。その結果、記録的な極端現象の発生には自然本来の”ゆらぎ”が最も重要な要因であるが、一部の気象現象については、地球温暖化の進行によってその発生確率が大きく引き上げられていたことがわかったそうだ。

 すなわち、気象変動は自然が元々有するゆらぎであり避けようが無い。このゆらぎの幅が極端化する傾向は地球温暖化によって高まる傾向にあるが、まだその原因は十分に分かっていない、がこれまでの研究結果であるそうだ。

 そもそもこのような自然現象のゆらぎの原因は何か、研究者にとって重要かつ研究意欲をかきたてる壮大なテーマであり、研究者は必死に探っていると思われる。ゆらぎの原因が分かれば、温暖化がどのように影響するか自ずから分かるであろう。

 さて、鹿威し(ししおどし)と言う水の流れを利用して自動的に音を発生する装置がある。竹筒の中央付近に支点を設けて支え、上向きに一端を開放した所に水を引き入れ、竹筒に水がいっぱいになるとその重みで竹筒が頭を下げ水がこぼれて空になり、反動で元に戻る時竹筒の尻で石をたたいて音を出す仕掛けである。

 水の流れが一定であれば、一定の周期で繰り返し、一定の音を発生する。気象現象の変動は鹿威しに似た現象のような気がする。鹿威しの繰り返しの周期は、水量、竹筒の容量等、数少ない要因によって決まるが、エルニーニョやラニーニャ等の気象変動を支配する要因は遥かに多くあるに違いない。その要因の一つが平均温度となるだろう。竹筒にわずかな亀裂が入れば、様子は大きく変化する。平均温度がこの亀裂に相当する可能性もある。
 
 気象学者の努力により、遠からず因果関係は明らかになるであろうが、その時には地球温暖化の影響は引き返すことが出来ない状態になっているのではないかと懸念する。2017.02.01(犬賀 大好-308)