体長約1ミリの透明な動物「線虫」が、がん患者とそうでない人の尿のにおいを精度よく識別できたと、九州大などのチームが3月11日付の米科学誌「Plos One」に発表した。ガンの検診法として現在、MRIを始めとして各種の方法がある。しかし、いずれの方法も時間がかかる上、費用が高いとの欠点があるが、本方法は識別には尿1滴で十分であるとのことで、費用、時間が大幅に減らせる可能性があるらしい。すばらしい発見である。
線虫には、回虫等の寄生虫をはじめ、人間に関わりの深いものも多いが、自然界で自由に生活している方がはるかに種数が多く、その研究が進むにつれ、種類数はどんどん増加しているので、どれくらいの種数があるかははっきりとは言えない状況であるらしい。その最大限の見積もりは、なんと1億種という説もある。これが本当であれば、これまで種類の数では最大と思われてきた昆虫の種数を大きく抜き去り、地球上の生物種の大半は線虫が占めていることになる。
犬の嗅覚によるガンの検知の話題がしばしばメディアに登場し、どうもガンには特有の臭いがあるらしいと知られているが、線虫にこの能力があるとは驚きである。犬は訓練しないとその嗅覚を利用できないが、線虫は訓練無しにその行動パターンからすぐに分かるのだそうだ。今回用いられた線虫はある種の線虫と思われるが、数多ある線虫の中にはもっと嗅覚の優れた線虫が存在するかも知れない。危険ドラッグや麻薬を嗅ぎ分ける線虫も居るかも知れない。今後の展開が楽しみである。
また、鮭や鰻が成長して生まれた故郷の川に戻る帰巣本能は、故郷の僅かな臭いを嗅ぎ分ける嗅覚によるものだそうだし、蜂や蟻はその社会生活にフェロモンの臭いが関係していると言われ、嗅覚に関する自然界の驚きは数多くころがっている。これらの嗅覚を人間のためにどうやって役立てようかと想像が膨らむ。
ガンの臭いに線虫が反応する理由は、今後の研究により明らかにされるであろうが、突き詰めれば化学反応の一種であろう。ガンの特有な臭いも、分子構造によって表されるであろうが、そうなれば線虫に頼らない、もっと簡便な検査法も分かるかも知れない。
自然界の生き物には必ず存在理由があり、人間との何らかの関わりがある。蜥蜴のしっぽの再生やプラナリアの自己再生等、自然界にはまだまだ不思議な現象が隠されている。(犬賀 大好-118)
線虫には、回虫等の寄生虫をはじめ、人間に関わりの深いものも多いが、自然界で自由に生活している方がはるかに種数が多く、その研究が進むにつれ、種類数はどんどん増加しているので、どれくらいの種数があるかははっきりとは言えない状況であるらしい。その最大限の見積もりは、なんと1億種という説もある。これが本当であれば、これまで種類の数では最大と思われてきた昆虫の種数を大きく抜き去り、地球上の生物種の大半は線虫が占めていることになる。
犬の嗅覚によるガンの検知の話題がしばしばメディアに登場し、どうもガンには特有の臭いがあるらしいと知られているが、線虫にこの能力があるとは驚きである。犬は訓練しないとその嗅覚を利用できないが、線虫は訓練無しにその行動パターンからすぐに分かるのだそうだ。今回用いられた線虫はある種の線虫と思われるが、数多ある線虫の中にはもっと嗅覚の優れた線虫が存在するかも知れない。危険ドラッグや麻薬を嗅ぎ分ける線虫も居るかも知れない。今後の展開が楽しみである。
また、鮭や鰻が成長して生まれた故郷の川に戻る帰巣本能は、故郷の僅かな臭いを嗅ぎ分ける嗅覚によるものだそうだし、蜂や蟻はその社会生活にフェロモンの臭いが関係していると言われ、嗅覚に関する自然界の驚きは数多くころがっている。これらの嗅覚を人間のためにどうやって役立てようかと想像が膨らむ。
ガンの臭いに線虫が反応する理由は、今後の研究により明らかにされるであろうが、突き詰めれば化学反応の一種であろう。ガンの特有な臭いも、分子構造によって表されるであろうが、そうなれば線虫に頼らない、もっと簡便な検査法も分かるかも知れない。
自然界の生き物には必ず存在理由があり、人間との何らかの関わりがある。蜥蜴のしっぽの再生やプラナリアの自己再生等、自然界にはまだまだ不思議な現象が隠されている。(犬賀 大好-118)