安倍内閣は、2月10日、今のODA(政府の途上国援助)大綱を見直し、今後の海外援助の基本方針を示す「開発協力大綱」を閣議決定した。骨子の一つに、我が国の平和の維持・繁栄の実現といった国益の確保に貢献との文言がある。これまでの基本方針には国益との言葉は無かったが、今回初めて登場した。
ODAと言えば、これまで途上国の貧困からの救済が目的で,教育や医療などが主であった。そのお蔭であろうか、この20年で極度の貧困者の人口は半分になったそうだ。その結果、途上国の貧困救済から経済活動を活性化の傾向が強まり,インフラ整備等が重視され、国益が前面に出てきた。途上国の経済発展は援助する側の経済発展に即繋がるからである。
リーマン・ショック後、途上国を新たな市場と見る民間の投資や貿易が増え、その額は政府の援助資金の2.5倍になっているそうだ。先進国の経済成長の行き詰まりを途上国で打開しようと言う流れである。この流れは、日本だけではなく、中国を筆頭に欧米各国も続いている。政府の援助資金が民間企業に流れる問題や世界全体が開発に走ったら地球の資源は持たないとの批判の声もあるが、資本主義の下では自然な流れであろう。
貧困対策は経済発展と密接な関係がある。経済的な自立無くして、貧困からの脱出は出来ない。経済的な自立のためには、経済発展が必要である。この点で、日本の経済協力大綱でも、途上国の経済成長を応援して貧困を減らす方針は、あながち間違いではない。
OECD開発援助委員会議長エリック・ソールハイム氏は、この10年途上国のインフラ開発にもっとも貢献しているのは中国であると指摘している。一見結構な話と思うが、中国はインフラ工事に関わる労働者を中国から連れて行くそうで、その国の経済の底上げにはそれほど貢献していないらしい。インフラ整備の結果として、その国の貧困が一時的に解消されても、インフラの管理や維持まで中国が牛耳ることになれば、経済的な自立への道は遠くなり、いずれ国民の不満が高まり、社会の不安定化に繋がっていくであろう。
純粋に人道的な援助をやり続ければ、それが本当の国益になる、との国際協力NGOセンター理事長;大橋正明氏の意見はもっともである。しかし、日本のインフラ整備等の経済支援も、その国の将来の自立に繋がるように行うことが出来れば、大いに結構と思う。しかし、教育に対する支援は従来にも増して行うべきである。いずれ国を支えるのは若者であり、経済的自立のためには人材が必要であるからである。(犬賀 大好-109)
ODAと言えば、これまで途上国の貧困からの救済が目的で,教育や医療などが主であった。そのお蔭であろうか、この20年で極度の貧困者の人口は半分になったそうだ。その結果、途上国の貧困救済から経済活動を活性化の傾向が強まり,インフラ整備等が重視され、国益が前面に出てきた。途上国の経済発展は援助する側の経済発展に即繋がるからである。
リーマン・ショック後、途上国を新たな市場と見る民間の投資や貿易が増え、その額は政府の援助資金の2.5倍になっているそうだ。先進国の経済成長の行き詰まりを途上国で打開しようと言う流れである。この流れは、日本だけではなく、中国を筆頭に欧米各国も続いている。政府の援助資金が民間企業に流れる問題や世界全体が開発に走ったら地球の資源は持たないとの批判の声もあるが、資本主義の下では自然な流れであろう。
貧困対策は経済発展と密接な関係がある。経済的な自立無くして、貧困からの脱出は出来ない。経済的な自立のためには、経済発展が必要である。この点で、日本の経済協力大綱でも、途上国の経済成長を応援して貧困を減らす方針は、あながち間違いではない。
OECD開発援助委員会議長エリック・ソールハイム氏は、この10年途上国のインフラ開発にもっとも貢献しているのは中国であると指摘している。一見結構な話と思うが、中国はインフラ工事に関わる労働者を中国から連れて行くそうで、その国の経済の底上げにはそれほど貢献していないらしい。インフラ整備の結果として、その国の貧困が一時的に解消されても、インフラの管理や維持まで中国が牛耳ることになれば、経済的な自立への道は遠くなり、いずれ国民の不満が高まり、社会の不安定化に繋がっていくであろう。
純粋に人道的な援助をやり続ければ、それが本当の国益になる、との国際協力NGOセンター理事長;大橋正明氏の意見はもっともである。しかし、日本のインフラ整備等の経済支援も、その国の将来の自立に繋がるように行うことが出来れば、大いに結構と思う。しかし、教育に対する支援は従来にも増して行うべきである。いずれ国を支えるのは若者であり、経済的自立のためには人材が必要であるからである。(犬賀 大好-109)