菱沼康介の、丸い卵も切りよで四角。

日々の悶々を、はらはらほろほろ。

三十九階段を上らずにはいられない。 『三十九夜』

2006年10月10日 00時30分36秒 | オレは好きなんだよ!

【俺は好きなんだよ】第39回

 

『三十九夜』(1935)

原題は『THE39STEPS』で、39階段になります。
ヒッチコックが敬愛する作家J・バカンの小説を原作に、作られた間違われた男のサスペンス。
イギリス時代のヒッチコック・スタイルの完成形の一つですね。


スタッフ。
監督:アルフレッド・ヒッチコック
原作:ジョン・バカン
脚本:チャールズ・ベネット
   アルマ・レヴィル
   イアン・ヘイ
撮影:バーナード・ノールズ
音楽:ルイス・レヴィ
 

出演:ロバート・ドーナット/マデリーン・キャロル/R・マンハイム/ペギー・アシュクロフト/マイルズ・メイルソンほか。


物語。
カナダから帰国したばかりのイギリスの外交官ハネイは、寄席で記憶術師・Mr.メモリーのショーを見る。
すると、謎の女に救いを求められ、自室へ連れ帰る。
だが、彼女は何者かによって殺されてしまう。
ハネイは自分が犯人にされ、逃亡する羽目になってしまう。
真犯人のてがかりは、左手の小指が無いことと、謎の言葉“39階段”だけであった。
逃亡の途中で知り合った謎の女と謎を解こうとする二人を、警察とスパイ組織が追ってくる!!


実は、『THE39STEPS』はこれを含めて、『三十九階段』(1959)と『39階段』(1978)と、3度映画化されているのですが、小説の映画というより、この『三十九夜』のリメイクという感じだそうです。
傑作『北北西に進路を取れ』の原型とも言われています。


おいらは、あまり日本では有名ではない『三十九夜』が好きで、学生時代には、【ザ・39ステップス】と自分の映像制作チームに名づけたほどなのです。
この“三十九階段”の謎というかMr・メモリーが気に入ってるんですよ。
  

車内から車外へと抜けていくカメラなどの映像の技巧、音楽の使い方など、技術面でも非常に素晴らしい。
あと、マクガフィンも味わえます。

日常のさりげない出来事から、一気にドラマチックに転換し、さりとて、それを重くではなく軽るみを持って語るヒッチコック・タッチが堪能できますよ。







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