菱沼康介の、丸い卵も切りよで四角。

日々の悶々を、はらはらほろほろ。

さぁ、召し上がれ!  『ジュリー&ジュリア』

2010年01月23日 00時00分50秒 | 映画(公開映画)
 
で、ロードショーでは、どうでしょう? 第98回。



「なんか最近面白い映画観た?」
「ああ、観た観た。ここんトコで、面白かったのは・・・」







『ジュリー&ジュリア』





ハリウッド初のブログからの映画化と言う触れ込みの映画。
ブログの話をまんまじゃなくて、、そのブログの作者であるジュリーの物語と、アメリカでもっとも有名な料理研究家のジュリア・チャイルドの伝記を並べて描くことで、時間を越えた二つの物語をつむいでいる。
ちなみに、ジュリーのブログとは、ジュリアのレシピ本の約500のメニューを一年で全部再現する『ジュリー/ジュリア・プロジェクト』というもの。
「二つの実話を基にしている」というテロップが出ます。


この二つの物語の並べ方のバランスが素晴らしい。
ノーラ・エフロンの幸せで埋めることで、少しの悲劇の比重を上げる技が極めて冴えて表れている。
この技の優れたところは、現実の苦味さえも取り込むエピソードを盛り込むことが出来ること。
この隠し味が映画全体の味を作っている。


食事シーンがよい映画は名作が多いが、加えて、料理シーンまでよいのだから、たまらない。
映画を見ている内にお腹は空になり、心は満たされる。



メリル・ストリープとエミリー・アダムスという二人の女優の同じ画面に現れることのない競演を堪能あれ。
そして、この濃い味を和らげる夫たち二人、スタンリー・トゥッチとクリス・メッシーナの演技こそがつけ合わせの妙というもの。
あと、リンダ・エモンドの懸命なおばさんのキャラクターに現実味が入ってるのもお見逃しなく。


素晴らしいブレックファーストを、ランチを、ディナーの三食がすべて美味しかった日のような素敵な映画。



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