【俺は好きなんだよ】第691回は、『プッシャー3』(2005)
原題も『PUSHER Ⅲ』。
英題には、『 PUSHER III I'M THE ANGEL OF DEATH:』とこれまた副題がある。
『麻薬密売人 第三章 俺は死の天使』ですね。
上映時間:102分
製作国:デンマーク
スタッフ。
監督:ニコラス・ウィンディング・レフン
製作:ヘンリク・ダンストループ
製作総指揮:ミケル・ベリ/キム・マグヌッソン/ケネス・D・プラマー/ルパート・プレストン
脚本:ニコラス・ウィンディング・レフン
撮影:モーテン・ソーボー
出演。
ズラッコ・ブリッチ
アイヤス・アガク
マリネラ・デキク
物語。
かつて栄華を極めた麻薬王のミロは、借金返済のためヘロインを受け取るはずが、一万錠のエクスタシーを手にした。
しかたなく、部下のムハンマドにエクスタシーの売却を命じるが・・・。
コペンハーゲンの裏社会を描くクライムサスペンス『プレッシャー』トリロジーの最終作。
『1』のフランク、『2』のトニーのボスだったミロが主人公。
落日の日々を迎えた下町のゴッドファーザーのある二日間を描く。
若さあふれる二人から彼ら二人を追い込んだ老いたボスは年れもあって、落ち着いた狂気をそのまま日常として描く。
それが彼の過ごしてきた日々なのだと言わんばかりに。
バイオレンスはゆっくりと省エネで爆発し、冷静に対処される。
その冷たさの恐ろしさ。
これぞ凄み。
トリロジーは、その少しずつスライドしていく。
若き売人の野望を描く『1』から、その相棒の裏社会に生きる父との葛藤を描く『2』へ。
そして、その父にも等しいある街のボスへ。
それはそのままフランクが目指した夢の到着した現実であり、トニーが見て、壊した世界のもう一つの姿であり、それでも生きてきた力の辿り着いた場所だ。
この悲しくも激しい男の世界から目を逸らさずにいられるか?
おまけ。
DVDにはいつもどおり、楽しい特典映像が入っている。
キャスティングに関するメイキングと『ミロと料理』という劇中でミロが作っていたバルカン料理のサルマをズラッコ・ブリッチ自身が、なぜかドイツ版の吹き替えスタッフと酒をのみながら、だべりつつ作っていく映像が入っている。
劇中では多大なトラブルを引き起こすあのサルマを食べるのは勇気がいりそうだが。
その中で、「ニコラスとの映画作りは、バンドのような共有感があった」「チームはお互いが好きだった」、「みなでものを作ることは世界とコミュニケーションなんだ」という言葉が胸を打つ。
そして、これによって、サルマはロールキャベツであることがわかる。
ネタバレ。
最後の死体解体は、映画史でもマレな恐ろしいシーンになっている。
肉料理を食えなくなるかも。
肉料理というモチーフが映画的な仕掛けであったことがわかる。
このシーンを冷静に見れる人は、自分がちょっとおかしいかも、と泣くか、酒かヤクの依存、もしくはある種の映画への依存を笑った方がいいほどだ。
演じたズラッコ・ブリッチも立ち直るのに時間がかかったという。
吊るされているのは実際に演じた彼で大道芸人。
あのシーンを演じられる者であることを前提に探したそう。
内臓は消毒した豚の内臓を使用。
だが、それを特典映像の肉料理をしながら、その解体シーンをするさまはかなり映画的奇妙さがある。
原題も『PUSHER Ⅲ』。
英題には、『 PUSHER III I'M THE ANGEL OF DEATH:』とこれまた副題がある。
『麻薬密売人 第三章 俺は死の天使』ですね。
上映時間:102分
製作国:デンマーク
スタッフ。
監督:ニコラス・ウィンディング・レフン
製作:ヘンリク・ダンストループ
製作総指揮:ミケル・ベリ/キム・マグヌッソン/ケネス・D・プラマー/ルパート・プレストン
脚本:ニコラス・ウィンディング・レフン
撮影:モーテン・ソーボー
出演。
ズラッコ・ブリッチ
アイヤス・アガク
マリネラ・デキク
物語。
かつて栄華を極めた麻薬王のミロは、借金返済のためヘロインを受け取るはずが、一万錠のエクスタシーを手にした。
しかたなく、部下のムハンマドにエクスタシーの売却を命じるが・・・。
コペンハーゲンの裏社会を描くクライムサスペンス『プレッシャー』トリロジーの最終作。
『1』のフランク、『2』のトニーのボスだったミロが主人公。
落日の日々を迎えた下町のゴッドファーザーのある二日間を描く。
若さあふれる二人から彼ら二人を追い込んだ老いたボスは年れもあって、落ち着いた狂気をそのまま日常として描く。
それが彼の過ごしてきた日々なのだと言わんばかりに。
バイオレンスはゆっくりと省エネで爆発し、冷静に対処される。
その冷たさの恐ろしさ。
これぞ凄み。
トリロジーは、その少しずつスライドしていく。
若き売人の野望を描く『1』から、その相棒の裏社会に生きる父との葛藤を描く『2』へ。
そして、その父にも等しいある街のボスへ。
それはそのままフランクが目指した夢の到着した現実であり、トニーが見て、壊した世界のもう一つの姿であり、それでも生きてきた力の辿り着いた場所だ。
この悲しくも激しい男の世界から目を逸らさずにいられるか?
おまけ。
DVDにはいつもどおり、楽しい特典映像が入っている。
キャスティングに関するメイキングと『ミロと料理』という劇中でミロが作っていたバルカン料理のサルマをズラッコ・ブリッチ自身が、なぜかドイツ版の吹き替えスタッフと酒をのみながら、だべりつつ作っていく映像が入っている。
劇中では多大なトラブルを引き起こすあのサルマを食べるのは勇気がいりそうだが。
その中で、「ニコラスとの映画作りは、バンドのような共有感があった」「チームはお互いが好きだった」、「みなでものを作ることは世界とコミュニケーションなんだ」という言葉が胸を打つ。
そして、これによって、サルマはロールキャベツであることがわかる。
ネタバレ。
最後の死体解体は、映画史でもマレな恐ろしいシーンになっている。
肉料理を食えなくなるかも。
肉料理というモチーフが映画的な仕掛けであったことがわかる。
このシーンを冷静に見れる人は、自分がちょっとおかしいかも、と泣くか、酒かヤクの依存、もしくはある種の映画への依存を笑った方がいいほどだ。
演じたズラッコ・ブリッチも立ち直るのに時間がかかったという。
吊るされているのは実際に演じた彼で大道芸人。
あのシーンを演じられる者であることを前提に探したそう。
内臓は消毒した豚の内臓を使用。
だが、それを特典映像の肉料理をしながら、その解体シーンをするさまはかなり映画的奇妙さがある。