Monkey-ATAX

北米に生息する伝説の獣人 ビッグフット を追い求め、いろいろ活動しています。

ミトコンドリア・イブ

2006-02-07 06:00:18 | 猿系のいろいろ
カルフォルニア大学バークレー校のアラン・ウィルソンとレベッカ・キャンにより1987年に発表されたミトコンドリア・イブ仮説。母親だけから受け継がれるミトコンドリアのDNAを解析し、ヒトの系図は15万年前のアフリカにいた一人の共通の祖先(ホモ・サピエンス)から始まったとした。この仮説は調査したDNAが全体の一部であることから精度に疑問があったとされたが、その後スタンフォード大学のルイジ・ルカ・カヴァッリ=スフォルツァが男系の系図をY染色体(父親から息子へと受け継がれる。)から解析し、同様の結論(2000年発表)を得たことから信頼性は高いといわれる。
アフリカで誕生した共通祖先はその後アフリカを旅立ち、約7万年前にインドやインドネシアを通りオーストラリアへ、約4~5万年前のヨーロッパへ、約1.5万年前にユーラシア中央を通りアメリカ大陸へ移住したとミトコンドリアの解析から推定されている。
日本人と最もよく似たミトコンドリアDNAを持つのはシベリア・イヌイットとグワラニ人(南アメリカ先住民)であるらしい。隣人である中国人や韓国人とは系図の島が違う。
ただし違うとはいってもヒトのゲノムは際立って均一である。ゲノムの違いは1000塩基対のうち約1個に過ぎず、ヒトは遺伝的に99.9%同じ。均一性を他の動物と比較するとチンパンジーの約3倍、ゴリラの2倍、オランウータンの3.5倍、ショウジョウバエにしたら10倍であるらしい。
同じ山に住む2頭のゴリラより、別の大陸に住む2人のヒトのほうが似ている。