最初の長い登りを進むうちに、800人の集団はかなりばらけてくる。ある程度に自分のペースで走れる。この時はまだ元気があるので周りの集団についていけるが、まだまだ先は長いので無理はできない。自分は普段自転車のツーリングや車の運転では、多少疲れていてもあまり休まず、できるだけ長く走るのが好きだ。しかし今回はシングルギヤなので1時間走るとかならず止まり、休息と栄養補給をするようにした。栄養補給はパワージェル1袋/回+ウィーダーinエネルギー1袋/2回のローテーションとした。パワージェルは同様の補給食カーボショットと比べて、値段が高く@200円だけど、効きが即効で持続力も良いと感じる。ウィーダーinエネルギーは即効性はあまり感じられないが腹持ちが良く、ハンガーノックの防止のために利用した。固形物の食料でも良いが、疲れてくると食べるのが面倒に感じる。
スタートからの舗装路5kの途中でNETでの知り合いmanさんから声をかけられる。赤いTOMAKのダブサスのクロカン車であった。とてもかっこいい。お互いに完走できることを心から願った。そしていよいよ90kの長いダート区間に突入した。しかし04年の王滝の天候は甘くなかった。スタート時にはなんとか持ちこたえていた天候はくずれ、冷たい雨がふりだした。雨を予想し、保温性のあるアンダーを着込んではいたが、やはり高山の雨はきつい。防寒着を着込んで、もくもくと最初にして最長の上り坂を進んでいく。この区間の路面状況は王滝のコースの中では比較的良い状態であるが、連続して続く長い登りはつらい。第1チェックポイントCP1までの制限時間は4時間。距離は約35kであり、舗装路であれば楽なタイムであるが、王滝ではけっこうタイトである。
サーリー1×1(ワンバイワン)にも試乗した。
1×1はその名の通りにシングルギヤである。ピンク色のシングルギヤの26インチMTB。これが最初に出たころは、まだシングルギヤのMTBなどほとんど存在しておらず、多くの自転車乗りからはイロモノ的に見られていた。しかし、現在では多くのファンを得ており、シングルギヤの発展に大きく寄与した歴史的な1台である。
26インチのシングルギヤは初めてであったが、ダウンヒル用のタイヤを履いた、癖のある1台でありながら、乗り心地は素直で心地よかった。
1×1はその名の通りにシングルギヤである。ピンク色のシングルギヤの26インチMTB。これが最初に出たころは、まだシングルギヤのMTBなどほとんど存在しておらず、多くの自転車乗りからはイロモノ的に見られていた。しかし、現在では多くのファンを得ており、シングルギヤの発展に大きく寄与した歴史的な1台である。
26インチのシングルギヤは初めてであったが、ダウンヒル用のタイヤを履いた、癖のある1台でありながら、乗り心地は素直で心地よかった。
2004年王滝100kがスタートした。他の参加者からシングルギヤだと気づかれることはほとんどなかった。(他人の自転車を観察する余裕のあるヒトなどレース本番中はほとんどいない。レース中自分のSSに気が付いたヒトは参加800人中の5人ほど。SSでの参加を周りに知らしめたい人は、リヤエンド近くにLEDを点滅させるなどのアピールが必要。)
王滝100kのコースは最初の5kが、だいたい登りの村中の舗装路。この間、先頭には先導車が付き、ペースは抑えられる。レースでは最初から、ある程度走行ペースを乗せないと、最後までずるずると低迷したまま終わってしまう。(後半の追い上げなど、よほど強靭な精神力・闘争心がないと実行は難しい。)スタート位置がほとんど最後尾に近いところだったので、完走を狙うために少しでも先に行こうと前が開いたら、その都度つめていった。完走率が60~70%なので、その範囲内にできるだけ近づけたい。
王滝100kのコースは最初の5kが、だいたい登りの村中の舗装路。この間、先頭には先導車が付き、ペースは抑えられる。レースでは最初から、ある程度走行ペースを乗せないと、最後までずるずると低迷したまま終わってしまう。(後半の追い上げなど、よほど強靭な精神力・闘争心がないと実行は難しい。)スタート位置がほとんど最後尾に近いところだったので、完走を狙うために少しでも先に行こうと前が開いたら、その都度つめていった。完走率が60~70%なので、その範囲内にできるだけ近づけたい。
29インチのアドバンテージを信じ、結局シングルギヤのままで王滝にでることとした。体力の温存を図るべく、前日は民宿に泊まった。バイクのほうもハンドルをストレートから楽なポジションとなるライザーバーへ、サドルも長距離用に当時、大人気で手に入りにくかったフィジーク・アリオネとし、バージョンアップを図った。メカロスを防ぐためチェーン、タイヤ、チューブ、ブレーキシューを新品に変えた。携帯食や工具などは王滝出場者のバイブルと言われるLiLiSukeさんのHPを熟読し、参考とした。このように万全を期したつもりだが、それでも大いなる不安をのこしつつスタートラインに並んだ。
カラテモンキーは長距離にはしんどいシングルギヤであったが、王滝100kに対し一つの救いは29インチの巨大な車輪である。29インチはアメリカのゲーリーフィッシャーという自転車メーカーが始めた規格である。特徴や長所は同GFのHPに①タイヤの接地面積が一般MTBの26インチタイヤに比較して大きいので荒地の走破性に優れる。②タイヤの外周長が大きいので高速巡航性に優れる。③パンクしにくい。などとある。
自分の感じでは①山道、特に登りでの後輪のトラクションのかかりが大きく、ずんずん進む。②下りでの前輪の接地感が強く、安心してコーナーを曲がれる。③エアボリュームが大きいのでクッション性が高い。④向かい風でも車輪の慣性力が強いので巡航が楽。⑤タイヤの取替えが楽で、レバー無しでもOK。⑥1年半乗っているがパンクは一度も無い。などの長所がある。
短所としては①トラクションが良くかかるので走りが重い。筋力を要する。②タイヤが重い。リムもクロスバイク用の太めの700C用なので重い。26インチに比較して車輪1個あたり最低でも200gは重い。(しかも外周部で)
良く言われる29インチ用タイヤの種類の少なさについては、現在ほとんど問題なく、自分が知っているだけでも約10種類ある。だいたい定番品が多いので、もうタイヤが無くて苦労することはないと思う。
自分の感じでは①山道、特に登りでの後輪のトラクションのかかりが大きく、ずんずん進む。②下りでの前輪の接地感が強く、安心してコーナーを曲がれる。③エアボリュームが大きいのでクッション性が高い。④向かい風でも車輪の慣性力が強いので巡航が楽。⑤タイヤの取替えが楽で、レバー無しでもOK。⑥1年半乗っているがパンクは一度も無い。などの長所がある。
短所としては①トラクションが良くかかるので走りが重い。筋力を要する。②タイヤが重い。リムもクロスバイク用の太めの700C用なので重い。26インチに比較して車輪1個あたり最低でも200gは重い。(しかも外周部で)
良く言われる29インチ用タイヤの種類の少なさについては、現在ほとんど問題なく、自分が知っているだけでも約10種類ある。だいたい定番品が多いので、もうタイヤが無くて苦労することはないと思う。
王滝100kが間近にせまったが、カラテモンキーはシングルギヤのままであった。
王滝の長いコースをシングルで走るにはかなり不安があったが、新型サスペンションの出る気配は無い。とりあえず手に入るサスを組むことも考えたが、いつか新型が販売されたときに又買うのはつらい。
現状のリジット(サス無し)で変速機をつけて多段化するのは、なんか中途半端な感じがした。これではただつらく、遅いだけで面白くない。
いろいろ悩んだが他に良い方法が無いので結局シングルギヤ+フルリジットで参加することにした。
しかしフルリジット(シクロクロス車:700Cで多段)での参加は聞いたことがあるが、シングルギヤで王滝100kを走ったという話はまだ聞いたことがなかった。
王滝の長いコースをシングルで走るにはかなり不安があったが、新型サスペンションの出る気配は無い。とりあえず手に入るサスを組むことも考えたが、いつか新型が販売されたときに又買うのはつらい。
現状のリジット(サス無し)で変速機をつけて多段化するのは、なんか中途半端な感じがした。これではただつらく、遅いだけで面白くない。
いろいろ悩んだが他に良い方法が無いので結局シングルギヤ+フルリジットで参加することにした。
しかしフルリジット(シクロクロス車:700Cで多段)での参加は聞いたことがあるが、シングルギヤで王滝100kを走ったという話はまだ聞いたことがなかった。
シングルギヤライフを数ヶ月続けているうちに春から秋になった。
9月にはマウンテンバイク乗りの間で注目される一大イベント”王滝セルフディスカバリー100k”が開催される。このレースはとても人気が高く、当時(04年)の受付は申し込み開始から1週間で満員御礼となった。マウンテンバイク乗りの一人としては外せないイベントであるので自分も申し込みをしていた。長野と岐阜の県境の御嶽山の近辺のダート(未舗装路)を100k走るこのコースは上り下りが激しく、平坦なところがほとんど無い。完走率が60~70%と過酷なレースである。
しかし新型サスペンションは一向に出る気配なく、カラテモンキーはVer2のままであった。
9月にはマウンテンバイク乗りの間で注目される一大イベント”王滝セルフディスカバリー100k”が開催される。このレースはとても人気が高く、当時(04年)の受付は申し込み開始から1週間で満員御礼となった。マウンテンバイク乗りの一人としては外せないイベントであるので自分も申し込みをしていた。長野と岐阜の県境の御嶽山の近辺のダート(未舗装路)を100k走るこのコースは上り下りが激しく、平坦なところがほとんど無い。完走率が60~70%と過酷なレースである。
しかし新型サスペンションは一向に出る気配なく、カラテモンキーはVer2のままであった。
カラテモンキーVer2はSS(シングルギヤ;変速機なし)とした。これはSSに興味があったことによるが、別の理由もあった。それは29インチ用のフロントサスペンションが無かったということであった。
当時29インチ用で手に入るものとしては3種類しかなかったが、どれも重量がとても重かったり(2.5k)、作りが古かったりと満足できるものは無かった。いずれ良い新型が出るだろうと思い待つことにした。
カラテモンキーには鉄製のフロントフォークが付いていたので、これを使うことにしたが、このフォークとSSはルックスがとてもマッチした。
ギヤは前32・後22と前36・後18と2セットを使用した。前者を山用、後者を平地用とした。この2セットだとチェーンの長さがほとんど同じなので、ブレーキシューなども微調整ですむので、楽であった。
当時29インチ用で手に入るものとしては3種類しかなかったが、どれも重量がとても重かったり(2.5k)、作りが古かったりと満足できるものは無かった。いずれ良い新型が出るだろうと思い待つことにした。
カラテモンキーには鉄製のフロントフォークが付いていたので、これを使うことにしたが、このフォークとSSはルックスがとてもマッチした。
ギヤは前32・後22と前36・後18と2セットを使用した。前者を山用、後者を平地用とした。この2セットだとチェーンの長さがほとんど同じなので、ブレーキシューなども微調整ですむので、楽であった。
シングルギヤの自転車は変速機付になれた人からは使いにくい、待ち乗り専用のものと見られている場合が多いだろう。シングルで走っていると他の自転車乗りから、”たいへんそうですね”とか”山道は無理ですね”とか言われる。自分も乗る前はそのように思っていた。最初にシングルを組んだのは”アメリカではファンが多いらしい。どんなものか試してみよう”が動機だった。
実際に乗ってみると乗車のポジションがスポーツ車と同じであれば、山道や長距離でもそんなにつらくない。軽いサイクリングなら変速機付の自転車にも十分ついていける。少し驚いた。
実際に乗ってみると乗車のポジションがスポーツ車と同じであれば、山道や長距離でもそんなにつらくない。軽いサイクリングなら変速機付の自転車にも十分ついていける。少し驚いた。