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Monkey-ATAX

北米に生息する伝説の獣人 ビッグフット を追い求め、いろいろ活動しています。

キングコングについて その3

2005-12-13 01:25:42 | 猿系のいろいろ
ゴリラが初めて科学的に記載されたのは1847年。アメリカ人の宣教師トマス・S・サヴィジが頭骨と一緒にイギリス人の解剖学者リチャード・オーウェンに送ったものである。当時はゴリラについての誤った噂や伝説が専門家の間でも信じられていて、ポール・デュシャーユの「赤道アフリカの旅行と冒険」にあるような”悪夢の動物、昔の地獄絵図から抜け出したような半人半獣”だと考えられていた。ゴリラは直立で歩き、丸太で象を打ち殺し、原住民の女性をさらい、木の上に小屋をつくり、大きな群れで農園を組織的に襲撃するといった具合である。
初めてまともなゴリラの生態について報告されたのは1863年のウィリアム・ウィンウッド・リードによるロンドン動物学会での講演であった。彼は赤道アフリカの森林帯を14ヶ月かけて調査を行い、かなり実像に近いゴリラを示した。しかしこの講演はほとんど支持されず、その後もゴリラは相変わらずの恐ろしい噂話や猛獣狩りの対象とされるのであった。
キングコングについてもそのような傾向の一端が見える。

キングコング2

2005-12-10 04:23:39 | 猿系のいろいろ
近くに公開されるキングコングのスチールをみると、これはマウンテンゴリラ(Gorilla beringei)をモデルにしたように見える。
ゴリラはマウンテンゴリラ、ローランドゴリラ、ニシローランドゴリラの3亜種に分けられるが、最近はマウンテンゴリラを独立種として扱うこともあるようである。
マウンテンゴリラは他のゴリラに比べて、体毛が長く、胸囲が大きい。高地に適した体格となっている。ルワンダ北端~コンゴ、ウガンダの標高800~1600mの山地の熱帯林に生息する。生息数は基亜種で310頭と少ない。
上野の動物園のゴリラ舎は日本を代表するところだが、ここにいるのはニシローランドゴリラ。一般に動物園などで会えるゴリラはローランドゴリラ(Gorilla gorilla)であり、生息数は約35000~45000頭とやや多いが、数は年々減っている。
ゴリラの語源はカルタゴの「ひっかく人」という意味のゴレルの女性形からきているとの説がある。紀元前525年カルタゴ共和都市国家の副総裁ハンノは3万人を率いてアフリカ大陸への遠征に向かった。川をさかのぼり神々の馬車と呼ばれる巨大な山脈(カメルーン山?)で毛むくじゃらの野生人に出会い、3人に女性を捕らえたが、ハンノにかみつき、ひっかき激しく抵抗したので、やむなく殺したとの記録がある。

猿の腰掛け

2005-12-04 19:32:55 | 猿系のいろいろ
サルノコシカケはそのような名前の1種類のきのこと思っていたが、実際は木質、多年生の多孔菌型のきのこの総称であり、種類が非常に多いことを最近知った。
多孔菌科、マンネンタケ科、タバコウロコタケ科のいずれにも猿の腰掛けはある。
立ち木または枯れ木に生え、屋根瓦状や馬蹄型に成長する。表面には同心円状に環状の溝ができる。50~60年を経過したものは径1m、厚さ数10cmに達する。
木材腐朽菌で、立ち木に侵入すれば心材または辺材を腐らせる。

サルの方言

2005-11-30 06:07:41 | 猿系のいろいろ
29日の新聞に屋久島のヤクニホンザルは鳴き声がすむ場所に応じて変化し、人間の方言のような違いがあるとあった。愛知県犬山市に連れてきた約70匹は屋久島のサルに比べて声(クー・コール;集団のまとまりを維持するためのコミニュケーションと考えられている。各家系の母家長同士の間で煩雑に行われる。)が平均約110ヘルツ低い。犬山市の生息環境が屋久島と異なり、樹木が少なく、声が届きやすいことが原因でないかとある。人間以外の高等生物で環境により音声を変化させたのがはじめて見つかり、人間言語の起源を示すのではないかという。
京都大学霊長類研究所の正高信男教授らの発表。京都大学霊長類研のサル研究は国際的にも有名であり、現生サル以外でも日本屈指の古人類の研究家・化石ハンターの諏訪元さんなどを輩出している。機会があったら行ってみたい。

類人猿3

2005-11-12 06:36:01 | 猿系のいろいろ
リンネの分類において類人猿はヒトのヒト科と分けて、別の科、オランウータン科とした。現在ゴリラ、チンパンジー、ボノボおよびオランウータンが同科に含まれる。
ヒトとオランウータン科の4種の類人猿は共通の祖先を持つと考えられている。進化の系統における各種への分岐の年代については宝来聰(総合研究大学院大学)らによる細胞のミトコンドリア遺伝子DNA塩基配列の比較より次のように解析されている。(1997年)
オランウータンの分岐:1300万年前
ゴリラの分岐:656±26万年前
チンパンジーの分岐:487±23万年前
チンパンジーとボノボの分岐:233±17万年前
一番近くにヒトと別れたチンパンジーのゲノム(ひとつの生物の持っている全遺伝子情報;その生物を作る設計図)は98%程度がヒトと同じとされる。


新種の類人猿化石発見の報道

2005-10-31 05:39:05 | 猿系のいろいろ
30日の新聞にケニアで約1千年前の新種の大型類人猿の化石が発見されたとあった。
発見したのは京都大、島根の研究チーム。
中務真人京都大助教授(自然人類学)が11月4日に横浜で開かれる日本人類学会で発表する。
人と他の類人猿との進化の枝別れは約600年前という説があるが、人の起源の地であるとされるアフリカでは約1200万~600万年前の人類化石の発見例は極めて少なく、霊長類の共通の祖先についてはまだまだ謎が多い。
今回見つかったのは雄の右下顎骨(がくこつ)の破片と歯3個。ケニア中部のナカリ地域で火山性堆積層から発見された。
今回とほぼ同時期の類人猿化石では、ケニアで960万年前のサンブルピテクスの上顎骨が破片で見つかっている。
ビッグフットと同じような類人猿の化石としてはオランウータンの祖先の系統に属し、身長が3~4mあったとされるギガントピテクスのものがアジアで見つかっている。ビッグフットやイエティはギガントピテクスの生き残りであるとの説もある。
だからビッグフットについて知るうえでも今回ケニアで発見された化石などの人類学の話はとても興味深い。