物部の森

日常感じたこと、趣味のこと、仕事のこと・・・等々
日記風に書いてます。

【書籍】ウケる技術

2008年11月16日 | Weblog
『ウケる技術』(小林昌平他著、新潮社)を読む。

   戦略1.ガイジン化すること
   戦略2.逆境でねばり強いこと
   戦略3.神の視点で見ること
   戦略4.逆をねらうこと
   戦略5.チューニング力があること
   戦略6.番組化すること

 「ウケる」ためのトーク技術が体系化されており、それぞれに会話例(スクリプト)が示してある。「笑いを取る」というきわめて難しい技能に関しHow To化しようとしたのはナイス・トライだが、正直薄ら寒い。本書自体笑えない。
 スピーチ、プレゼンテーション、説得術、交渉術、コーチング等々、世の中にはノウハウ本がたくさんある。しかし「ウケる」、「笑いを取る」、「ユーモアセンスを磨く」といった類の本は極めて少ない。何故か?要は笑いを取るテクニックは鍛えられないからである。100%才能の問題。
 同窓会に行ったり、学生時代の結婚式なんかで友人何人かと久しぶりに会うことがある。「こいつシッカリしてきよったなあ。」、「上手いこと話すやん。」という奴は少なからずいる。しかし、「昔は全然笑い取るタイプじゃなかったのに、めちゃめちゃ笑いのセンス良ぉなってるなあ。」なんて奴は皆無。集団でいる時の会話の立ち位置も変わらない。笑わす奴は昔も今もウケてるし、そうでない奴はそうでない。要するにセンス、所詮鍛えようがないのである。
 芸人もそう。芸で第一線を張ることと、「ウケる」センスを持っていることとは違う。きよし師匠は超人的に“漫才が上手い”が、機転で笑いをとるセンスは弱い。米朝師匠もそう。国宝的に“落語が上手く”、芸・芸術についての造詣は極めて深いのだが、「ウケる」、「笑いが取れる」と評される人とは少し違う(そのあたりは仁鶴師匠の方がうわて)。
 従ってこんな本を読んで、書いてあるテクニックを頭に叩き込んで活用しようとしても決して自分のものにはならない、無駄である。
コメント
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