今年は、グリーンインフラレンディングやガイアファンディングで案件の遅延が発生してしまいました。
万が一、完全にデフォルトとなり出資金も返還されなかった場合、どのような処理になるのか、調べてみました。
法人であれば、雑損失など何かしら処理の仕方があるように思います。ただ、投資家は匿名組合契約にもとづきソーシャルレンディング会社に出資しているわけで、投資家が直接、借り手に対して金銭を貸しているわけではないため貸倒引当金や貸倒損失での処理とも違うのかなと想像します。
個人(個人事業主含む)の場合は、匿名組合契約の収益は雑所得として扱われます。もし、この雑所得を得るための何らかの必要経費があれば、それを差し引いた額に対して、総合課税方式により税金がかかるわけです。
もし、出資金の一部もしくは全部が棄損した場合、それらを必要経費として処理することができるのかどうかが、論点です。
法人であれば「貸倒損失」という勘定科目があるのは事実です。しかし、出資金はあくまでも出資であり、お金を貸しているわけではなく、まして法人ではない個人であれば、棄損した額を必要経費としてもよい、という理由が見当たりません。もちろん、損失を被った場合、何かしらの方法で税金を少しでも安くしたい、という気持ちはとてもよく理解できるのですが。
ソーシャルレンディング会社の1つであるSBIソーシャルレンディング(以下、SBISL)の【よくあるご質問の手数料・税金について】を見ると、
--- 以下、SBISLのWebサイトより抜粋 --
質問「複数のファンド(A, B)に出資しています。Aでは利益が、Bでは損失が発生しました。確定申告時に損益通算できますか?」
回答「はい、できます。弊社が運営する複数ファンドの利益・損失を通算することが可能です。
ただし、確定申告の際にご不明な点がある場合には、国税庁又は所轄の税務署等までご確認ください。」
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との記載があります。つまり、損失が必要経費として処理できるらしいのです。このような見解は、税務署で確認したものかどうかSBISLに質問したところ、以下の回答をいただきました。
--- SBISLからの返答 ------
弊社の各ファンドに投資いただいた場合は、弊社との匿名組合契約にもとづく『匿名組合出資』でございます。
弊社から投資家の皆様へお支払いたします、分配金は、原則雑所得として総合課税され、他の所得と合算して通常の所得税率により課税されます。
営業者である弊社は、「雑所得」である匿名組合契約にもとづく利益分配金を、その支払の際、支払額について20.42%の税率で(所得税20%と復興特別所得税0.42%)計算された源泉税を控除した額をお客様の分配用口座に送金しております。その後、弊社がその源泉税を税務署に支払っております。
誠に恐れ入りますが、損失確定時の源泉徴収につきましては、匿名組合の分配金どうしでの(雑所得)損益通算が可能でございますが、
お客様ご自身でご申告いただく必要がございます。
弊社では、確定申告用資料としてご利用頂ける「年間取引報告書」を、毎年1月下旬~2月の間に、マイページ上のメッセージボックスへ、
PDFにて交付致しております。(弊社での交付準備が整い次第の交付となります。)
なお、弊社のホームページに記載の【よくあるご質問の手数料・税金について】につきましては、国税庁、税務署の見解で相違ございません。
この度は、税制等の詳細について申し上げることができず、誠に申し訳ございませんが、何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。
-- ここまで --
損益通算が可能というのは、国税庁・税務署の見解とのこと。
そこで、地元の税務署へ相談に行ってきました。
持参した資料は
- ガイアファンディングのWebサイトの投資スキームのページ(私がガイアファンディングに投資しているため)
- 2018年分配予定額明細
- 「運用中のファンドにつきまして全ての案件が期限の利益を喪失しております。」という説明ページ
- 貸出元本金額が記載された口座情報
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