サイエンス好きな男の日記

気が向いたときに、個人的なメモの感覚で書いているブログです。

問題解決力 - インプットとアウトプット-

2007-09-30 23:31:59 | GMS
問題解決力において、もうひとつ重要な概念があります。
インプットとアウトプットと呼ばれる概念です。

今ではクリシンのおかげですっかり身についた概念ですが、今回初めて
知りました。

インプットとは当事者によって制御できるもの(店舗数、社員数、商品単価など)であり、
アウトプットとは制御できないもの(売上げ、利益、顧客満足度、天候など)です。

もう少し具体的に考えると、人・企業は様々な判断・決定によってアクションを
起こします(インプット)。当然アクションは複数であることもあるでしょう。
そして、それらによって生まれる結果がさらに別の結果を生み、最終的には
様々な結果(アウトプット)が表面化してきます。

我々はその結果(アウトプット)を見て、一喜一憂するわけです。
インプットを見ても、一喜一憂はしません。自分自身で決定するものですから。
これが、クリシンにおいて、アウトプットが興味の対象である、といわれる
ゆえんである、と私は理解しました。


■問題解決の出発点はアウトプット

問題解決においてその原因を探る最初の出発点はアウトプットである、と言われます。
クリシンでは、その根拠として、アウトプットは複数のインプットやアウトプット
から生じるものであり、もしインプットから考えてしまったら、他のインプット
での検討が漏れてしまうことがある、というものです。

好循環や悪循環では原因と結果の区別がつかないこともありますが、通常は
インプットが原因でアウトプットは結果ですから、その結果に対してなぜ?
と原因を探っていくことを考えると、アウトプットから検討することが自然
でしょう。

また、逆にアウトプットに対して Why? を繰り返すことで、行き着いた
根本原因がインプットとなっているかを確認することで、思考方法の
チェックとしても使えます。したがって、インプットやアウトプットは
非常に便利な概念だと感じました。


■考えるべきはアウトプット

前項では、まずはアウトプットを検討対象にする、としましたが、さらに
アウトプットをより細かな要素に分割した結果、インプットとアウトプットに
分かれた場合、どのような検討方針とするか。
つまり、アウトプットに対してWhere?での検討プロセスで問題を特定したい場合に、
そこであらわれたインプットは無視していいのか、ということです。

私の今の結論は、インプットに対する問題の有無について意識をしつつも、
まずはアウトプットを検討する、というものです。

わかりやすい例を挙げると、最初の問題解決のステップである Where? に
おいて、イシューとして「昨年よりも売上げが落ちているのはなぜか?」
を考えることにします。

売上げ=客数 * 客あたりの商品購入数 * 商品単価

と分解できるとします。
また、昨年と比べ売上げが落ちていることがわかっています。

そこで、客数・客あたりの商品購入数・商品単価を調べると、アウトプットである
客数・客あたりの商品購入数は昨年とほとんど変わっていないが、インプットである
商品単価が落ちていたことがわかったとします。

単に商品単価が落ちていたことだけを考えれば、売上げが落ちた原因は、確かに
今年は昨年よりも多く激安キャンペーンをやったからだ、といった結論に
なります。
しかし、インプットである商品単価を無視すると、それ以外の、例えば
客あたりの購入商品数から考えることになります。

実際、激安キャンペーンを頻繁に行っても客数や商品購入数は増えなかったので、
それをやめて商品単価を元に戻す、ということで売上げがあがることは
あるでしょう。しかし、だからといってここで激安キャンペーンを
根本的な原因としてしまうと、その施策としては”激安キャンペーンをやめる”という
ことしか出てこなくなり、あまりに短絡的な施策になってしまいます。

この場合には、やはりアウトプットから考えて、なぜ客数が増えなかったのか、
なぜ商品購入数が増えなかったのか、の両方がWhere?で抽出され、それぞれの原
因に対してWhy?で考えて最終的なインプット(宣伝方法が悪い、値札のつけ方が
悪い、商品が粗悪になった…)を見つけ出すほうが、様々な施策を考えることに
つながります。

したがって、考えるべき要素として基本はアウトプットだと思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

問題解決力 - Where? と Why? の違い -

2007-09-30 10:50:33 | GMS
クリシンでは、問題解決力のステップとして
最初は Where? で問題を特定し、次に Why? で真の原因を探ることが必要と
言われます。

言い方を変えると「どこが悪いのか?」(Where?)、
次に「どうして悪いのか?」(Why?) を探る、というのですが、
この違いはわかりますか?

私は半日くらい悩みました。^^;


私の疑問は以下のようなものです。

Where? の例として「売上げが落ちているのはどこが悪いのか。」とすると、

・来店者数が減っているから
・来店者あたりの購入商品数が減っているから
・購入された商品の平均単価が少ないから

と分解できます。でも、これをWhy?の言い方にならって
「売上げが落ちているのはどうして悪いのか。」という表現としても
同じく

・来店者数が減っているから
・来店者あたりの購入商品数が減っているから
・購入された商品の平均単価が少ないから

と言えるわけです。

したがって、イシューの言い方は違っても、どちらも原因を突き詰めていくと
いう目的やそのためにMECEであることを意識して漏れがないように検討して
いく、という部分は同じなんです。
では、逆に何が両者で違うのか、何かもっと別に本質的な違いがあるはずだ。
それが何か最初わかりませんでした。


いろいろと考えた結果、どちらもやはり原因分析という意味では同じだが、
果たすべき役割が違う、という結果に至りました。

つまり、Where? では、何が問題であるかを区別できるステップであると。
問題を区別できる、とは、現状とあるべき姿とを客観的に比較することで、
どれが問題であり、どれが問題ではないのかを区別できる、ということです。
そして、本当の問題だけに絞り込むことによって、以降のステップでの
検討対象範囲を狭め、検討プロセスの効率を上げることができるのです。

一方、Why? では、絞り込まれた問題に対して、さらになぜ、なぜ、…を
繰り返すことで根本原因を探る、ということなんです。
クリシンのテキストでもWhy? の説明の例に相当するページを見ると、
各項目にすべて ? がついています。Where? の説明の例には ? がついて
いません。これは、Why? では問題が明確に絞り込むことができず、かなりの
推測も伴うことを暗に意味しているのではないかと思います。

また、Where? と Why? ではLTの構造も変わってきます。
Where?では比較的きれいな階層構造であるのに対して、Why? では問題に
対する原因が複雑に絡み合う(悪循環など)ことも多々あり、特に階層の
末端は相当複雑になってしまいます。
Why? の理想は、問題がすべてひとつの根本原因に行き着くことです。多少
その理想形をイメージすることで、余計な枝葉を落としやすくでき、
その結果、Why? の原因分析がやりやすくなったり、うまくいけば理想形として
きれいにまとまるかもしれません。

Where?とWhy?の違いは、このように、問題を絞り込める Where? と
複雑な因果関係を正しく抑えつつ根本原因を探る Why? である、といえます。

これがわかってテキストを読むと確かに同じようなことが書いてあるのですが、
ちょっとわかりづらい…。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする