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万能人レオナルド・ダ・ヴィンチとルネッサンス 宮代町の日本工業大学で講演会

2011年11月16日 19時58分06秒 | 宮代ニュース

「万能人がルネッサンス期に多く輩出しているのは?」「ダ・ヴィンチが万能人として評価がさらに高まっているのはここ数十年のこと、その背景は天才的な発想力はもとより、数万枚といわれる手稿を書き記す等の努力があったため」など、ダ・ヴィンチの不思議についての講演が16日、埼玉県宮代町の日本工業大学学友会館で行なわれ、308名収容の多目的ホールが満席となった。

講師は印刷博物館館長の樺山紘一氏。

樺山氏は「しがない庶子が才能を開花させる」「たぶんホモセクシャルだった」「左利きはなにをもたらしたか」「正規の学問を積まないままに」「パトロンとのせめぎあい」「完成した絵画の真作はほんの10点あまり」「秘密の手稿はどこに行ったのか」などレオナルド・ダ・ヴィンチの生涯を7つの不思議として紹介。

樺山氏は、絵画や歌、詩や文学などの芸術部門や科学・技術部門、あるいはスポーツ等広い分野に画期的な活躍を見せる万能人がダ・ヴィンチルなどネッサンス期には多く輩出している。その原因は分からないが、一つの分野に秀でた知見や発想・技量を他の分野に生かしていくことが万能人を生み出していくことにつながるのではとし、「これからそうした発想と環境も大切なのではないか」と語った。

また、ダ・ヴィンチのすごさが改めて認識され評価されているのは、数万枚といわれる残された手稿が発見され(まだ、発見されていないものも多くあるとされている)、解読されてのこと。「生存中は評価されなくても、後世評価される業績は多い。ダ・ヴィンチの場合、天才的な発想と解析、そして数万枚の手稿を書き残すという努力のため」。「学生諸君、あきらめずに努力を積み重ねていこう」と呼びかけた。

日本工業大学は現在、付属の工業技術博物館でレオナルド・ダ・ヴィンチの技術者・開発者という側面にスポットを当てた特別展「ダ・ヴインチとメカニズム」展を開催中。レオナルド・ダ・ヴィンチの手稿に基づいて製作された栃木市の所蔵する模型などが展示されている。入場無料。11月26日まで。

この展示と関連して講演会を開催したもので、樺山は「ダ・ヴィンチの不思議に触れるためにも是非、展示を見て欲しい」とした。