次世代のエンジンとして開発と実用化研究が進められているスターリングエンジン。その自作のスターリングサイクル機器の性能とアイデアを競う競技会「第15回スターリングテクノラリー」が12日、日本工業大学で行なわれ、小学生から研究者まで多くの人が参加して、熱い戦いを繰り広げた。
現在、エンジンとしてはガソリンやディーゼルなど化石燃料を使用した内燃機関が多くを占めるが、CO2排気など問題点もある。こうした中で化石燃料以外の地熱、温泉熱、バイオマス等、あらゆる熱源を用いることができる外燃機関であるスターリングエンジンを実用化できないかとの研究も行なわれている。
若い人にスターリングサイクルへ興味と関心をもってもらうと共にスターリング機器関連技術の発展・向上を目的として「スターリングテクノラリー」は開催されており、今年で15回目を迎えた。
スターリングサイクルについて、興味のある方は日本機械学会エンジンシステム部門「工学教育に用いるスターリングサイクル機器に関する研究会(平成17年4月~平成20年3月)」で作成された技術資料を公開している「スターリングサイクル・オンライン」(こちら)をご覧ください。
基本的には、高温の空間と低温の空間の2つ間を作動ガスを移動させることによってピストンを動かすというもので、高温の空間を熱して作動させる。
12日は人間乗車クラス(一定の走行時間(1時間を予定)以内に定められた周回路を何周できるかを競う)
RCクラス(一般舗装路面において遠隔操縦により2つのポールを周回して走行。 約 50 mを走行する時間を競う)
MD:宙返り耐久クラス(宙返り垂直ループを含む走路を周回、宙返りの回数を競う)
MS:ミニ速度クラス(市販走路(フラット、8.8m周回路)を走行する最初の1周の速度を競う。 (加熱源の搭載は自由、車両の幅105mm以内))
SC3:3ボルト クーラクラス(大気圧空気を作動ガスとする自作スターリングクーラ競技 DC3V(単三乾電池×2本)を電源とする。室温からスタートさせ、5分間での温度降下を競う)
SC100:100ボルト クーラクラス(大気圧空気を作動ガスとする自作スターリングクーラ競技 AC100Vを電源とする。室温からスタートさせ、5分間以内に規定の対象物の温度を10℃降下させ、消費したエネルギー量[J]の少なさを競う)
宙返り耐久クラスやミニ速度クラスはスターリングサイクルの特徴を存分に発揮できる競技だけに多くの人が参加した。
高速で走り抜けないと宙返りは難しく、落花してしまう。
また、走りぬけ宙返りしたときの爽快感は、競技者だけでなく見ているものも引き込まれてしまう。
12日のラリーには小中学生・高校生・大学生及び一般など様々な人が参加していたが、小学生の参加は注目された。
高温部をバーナーで加熱し
動き出したところで、走路に入れる
ウサギの姿がなんともかわいらしく遊び心十分。