昨日の続き
水害体験者の方のお話が終わって・・・6年生の作文発表
まずは、自分が聞いた3つの水害の体験談について
1つ目は、私のおばあちゃんから聞いた話です。私のおばあちゃんは、両端が切れた橋の真ん中にいました。流された人たちは、がれきに埋もれて、そこから顔を出さない人も多くいたそうです。私は、心が痛くなりました。橋の下のがれきに埋もれて、上がろうとしても上がれず、苦しんで亡くなった人たちの気持ちを考えたら、自分も苦しくなりそうでした。私のおばあちゃんが、もしこの水害で亡くなっていたら、私は生まれていません。この水害で亡くなった人たちが生きていたら、ここにいる児童の人数も今より多かったかもしれません。
2つ目は、高齢者宅訪問で聞いた話です。私がお話を聞いたのは、梅本さんという方でした。梅本さんは、当時家にいました。梅本さんは、屋根の上に何十人も乗って流されていたのを見たという話をしてくれました。その人たちは箕島まで流されたそうですが、無事に助かったそうです。私は想像しました。その人たちが、おばあちゃんの話のように、橋にぶつかって川に放り出されてしまったら、何十人もの人たちが亡くなっていたかもしれません。私は、鳥肌が立ちました。
3つ目は、学校で聞いた地域の方の話です。心に残っているのは、足ががれきに挟まって、危うく切断しかけたという話です。その人は、流されてきたがれきで足が1時間程度挟まれて、切断しそうになったけれど、他の流れてきたがれきが、足を挟んでいたがれきをどかしてくれて助かったそうです。もし切断していたら、今頃足がなくて不便だったろうなあと思います。あのとき、がれきが流れてきて、とても良かったと思いました。
私は、水害の恐ろしさを知りました。近年には、南海トラフも来ると言われているので、この経験を生かし、災害などに備えていきたいと思います。
昭和28年、今から65年前、7月18日、和歌山県中部を中心として、山崩れ、崖崩れ、洪水がおきました。死者・行方不明者合わせて1015人、家屋全壊3209棟、家屋流出3986棟、崖崩れ4005か所、被災者262000人という大きな水害でした。宮原の町でも、約130人が犠牲となり、その中で児童20人の命が奪われました。水害は、朝起こったため、登校中の子も多数いたそうです。
私は、先日、高齢者宅訪問で、当時水害を経験された方からお話を聞く機会がありました。その方は、85歳のおじいさんで、当時のことを思い出しながら伝えてくれました。その話の中で、特に印象に残っていることは、食べ物も衣服もなく、とても辛かったということです。自分たちでつくっていた水田や畑も流されてしまいました。この時期、とても暑いので、水などなくなると、いろいろな病気にかかりやすかったと思います。今のように薬もなく、テレビからの情報もないので、大変だったことでしょう。
私の住んでいる地域では、30人もの人たちが亡くなっています。今回話を聞いたおじいさんの家も、床上50㎝ぐらいまで水がきたそうです。身近でたくさんの人が亡くなったと聞いたことで、水害は自分の予想外の被害があったり、「いつ、どこで」起きるのか分からなかったりするので、油断できません。
宮原小学校は、水害慰霊祭を毎年行い、大きな水害があったということを真剣に考える機会を与えてくれています。だからこそ、この記憶を忘れないためにも、水害慰霊祭を続けていくべきだと思います。
ここで、自主学習で書いてきた作文もプラスして発表
4年生です
7月6日の金曜日にけいほうが出て学校が休みでした。
実は、本当に楽でした。友達と遊べるし、カラオケにも行こうと思っていました。
けれども、テレビをつけると、ちがう県ですごいひがいが出ています。小学校の1年生と3年生の子とお母さんが死んでいました。土砂くずれがあったようです。
私は、学校が休みということで、自分のことだけを考えていました。もしわたしたちが、こんなふうになっていたらおそろしいと思いました。
もうすぐ水害いれいさいがあるから、しっかりおいのりしたいと思いました。
最後に、本校防災アドバイザーの二階氏からのお話
NHK和歌山のカメラにあったマーク かわいいですね
二階氏は、日高・御坊地方で防災士としてご活躍
小学校低学年にも分かる言葉で、専門的な見地からお話しくださいました
・・・昔は、小さな洪水を何度も経験しながら、日々の生活で知恵を生かし身を守ってきた。
しかし、今は、いろいろな面で生活が便利になり、安全性も高まっている。
堤防を高くしたり、その他いろいろ手立てをしたりしているので、小さな洪水を経験することがなく、日常生活に安心しているところがある。
日々守られているので小さな洪水は来ないが、想定外の大洪水が一気にやって来る。
普段の心得がないところに大きな洪水が来たら、大変な被害が出る。
昔と比べて、情報が早いから、正しく判断して、自分の命は自分で守りましょう。
災害について、お家の人とも相談しておきましょう・・・
閉式
参列された方々を6年生がお見送りします
すぐに後片付け
よく働く6年生です
その間に、取材
児童会副会長が受けます
これは、新聞社の方
こちらの取材は、NHK和歌山
児童会長がインタビューを受けています
こちらは、元児童会副会長
男子代表は、元の児童会役員が代表として
本校の水害慰霊祭の模様は、水害体験者の宮本康さんへの取材とともに、昨晩、NHK和歌山「あすのWA!」で放映されました
みなさまのおかげで、本年度も水害慰霊祭を執り行うことができました
ご協力、本当にありがとうございました
「天災は忘れた頃にやってくる」と昔から言われています。
人は、毎日の生活が安全だと、つい大変だったことを忘れてしまいがち
洪水や土砂災害の危険があるときは警報が出ていて、たぶん子供たちは学校にいないでしょう。学校から一斉に逃げるということはないと思います。
どこにいても情報をよく聞いて、早いうちからの避難を心がけるなどして、「自分の命は自分で守る」ことを実践するよう、お家でご確認いただければと思います。よろしくお願いいたします。