「長谷川さんをお迎えして」と題して、6月13日のブログで職員へお話しくださったことをお伝えしました。
今回(昨日)は、全校児童にお話しくださった模様をお伝えします。
その前に、13日のブログでご紹介したことを少し復習・・・
「長谷川さんは、全盲の視覚障害者です。1年生の保護者でもあります。そこで、職員や子どもたちが視覚障害者についての理解を深めるためにお話を聞かせてほしいとお願いしました。長谷川さんは、快く引き受けてくださいました。
まずは、職員から勉強させていただこうということで、本日放課後にお招きしました企画運営は、職員の人権教育部です。
長谷川さんは、生まれつきではなく、24歳の時(現在38歳)に病気で全盲になってしまったということです。それだけにストレスは相当なもので、初めの頃は家族によく当たっていた(イライラをぶつけていた)といいます。・・・」
そして、「よろしかったら、子どもたちと一緒にお話を聞いてみませんか?視覚障害者への理解の第一歩になるかと思います。ぜひ、お越しください 体育館でお待ちしています」というブログ上の呼びかけに、2人の保護者の方が来てくださいました。(ありがとうございます。大変うれしいです。)
それでは、全校集会の模様をお伝えします
長谷川さんが入場される前に、人権教育部の先生からのお話
「耳だけでなく、心でも聴きましょう」
長谷川さんが、息子さん(1年生)に案内してもらって席につきます
何しろ、たくさんの人の前で話すのは初めてとのこと
随分緊張されたとは思いますが、メモなどなくお話しくださる様子から、大変落ち着いておられるように見えました
(後で聞いたところによると、話し終えたとたんにどっと汗が流れてきたそうです)。
お話の内容を一部まとめてご紹介します。
「24歳の時、ベーチェット病になって突然目が見えなくなりました。ものすごく怖かったです。4回手術してもダメでした。盲学校に行きました。そこで点字を習いました。」
「3つ決めたことがあります。“元気・やる気・根気”です。簡単に『障害者だからできない』と思わないでください。しなければいけないことは自分でするという点では、健常者も障害者も同じです。私は常に達成できることを探しています。自分のためになるからです。『苦しいなぁ、辛いなぁ』と思うより、『楽しいなぁ』と思える生き方をしたいと思います。何事もあきらめず、一生懸命生きるということです。しんどくても一生懸命すると、気持ちいい結果が出ます。」
「助けてほしい時はあります。障害者が困っているようなら、『大丈夫?』『どこへ行くん?』と声かけてくれたらうれしいです。挨拶についても、私は目が見えないから自分からすることはできません。先に挨拶してくれたらうれしいです。気持ちがいいです。無視をすることが一番よくないです。誰に対しても同じです。」
「実際に、障害者ということでバカにされることが多いです。でも、自分がすべき信念をもって目標をもっていれば、バカにされても関係ないと思えるようになりました。私は、目の色が白いです。人によっては、目の色や皮膚の色が違います。それは修正したくてもできないことです。障害のあるなしも含めて、私はすべて個性だと思っています。」
「点字ブロックは、私たち視覚障害者にとって通行する上でとても大切なものです。点字ブロックの上に、自転車や物を置かないでください。置いていたらそれをどけてくれるとうれしいです。」
「障害者に対して声をかける勇気をもってください。先程も言いましたが、『大丈夫ですか?』と声をかける勇気をもってくれたらと思います。挨拶もそうです。私には、道や学校で会ったら、『長谷川のおっちゃん』と気軽に声をかけてくれたらうれしいです。」
付き添って来られた奥様にも少しお話をしていただきました
「私は、生まれつき、こんなふうに顔の半分くらいが赤く腫れています。血液の関係です。『気持ち悪い』とか『変なの』とか、よく言われてきました。その度に、いつも傷ついてきました。他の障害者の方も同じだと思います。興味をもってくれるのは全然いいです。私を見て、どんどん質問してくれたらと思います。お家の方は、障害者の方と出会ったら、たぶん『見てはダメ』と言うでしょう。でも、見ることがいけないことではないのです。見て、自然に話しかけてくれたらいいんです。同じ宮原町内ですので、これからも出会うことがあるかもしれません。どんどん、声をかけてくださいね。」
最後に「質問タイム」
すぐに何人もが手を挙げました(全学年とも)
一部ご紹介します
「自分の子どもと遊びますか?」
「はい、よく遊びます。」
「子どもとサッカーをしますか?」
「サッカーはしていません。」
「どうして目が見えなくなったのですか?」
(この話は、初めの方でしてくださっていたのですが、低学年なので覚えていなくて聞いてしまいました。しかし、長谷川さんは、説明の仕方を変えて、再度親切にお話しくださいました。)
「ベーチェット病になったからです。みなさんは、ゴーグルをつけないでプールには行って目を開けた時、たまに目が痛くなるっていう経験をしたこと、ありますか?そのような痛みのものすごく強いものを感じて目が見えなくなりました。強い“炎症”というものです。」
「自分の子どもの顔を見たことがありますか?」
「子どもが生まれた時にはもう目が見えなくなっていたので、見たことはありません。」
「宮原町で、障害者の方に出会ったことはありますか?」
「はい、あります。」
まだまだ、手が挙がっていたのですが、時間になったので終了
拍手でお見送りしました
右手にいつも白杖を持っているので、左手を肩に添えるようにする手助けがよいそうです。
長谷川さん、どうもありがとうございました
2学期は、授業の中でお話しいただき、視覚障害者への理解をさらに深めていきたいと思います
これからも、どうぞよろしくお願いいたします