mitakeつれづれなる抄

普段いろいろ見聞き感じ考え、そして出かけた先で気になることを書き綴ったブログです。

ゆか/とこ・京都の川床の呼び方

2016年07月30日 | 京都
 日経関西発に面白い記事がありました。夏の京都市の風物詩、涼感を呼ぶ、水面の上に床を張って食事などを提供する「納涼床」。
 いわゆる「川床」ですが、この「床」の字をどう読むのか、場所によって違うという記事。
記事:京の風物詩 呼び名に違い(とことんサーチ) 鴨川は床(ゆか) 江戸期起源、現代は高床

 詳細はリンク先を読んでいただくとして、京都市の川床は、市街地の鴨川、洛北の貴船、洛西の山間部高雄でやっています。

 このうち、市街地鴨川のものは、川床と書いて「かわゆか」つまり「ゆか」と呼びます。
 貴船と高雄は、「かわどこ」、つまり「とこ」と呼びます。

 一説には、水面からの距離、すなわち高さからきているのではないかというのを、かつて伺いました。
鴨川の床。


鴨川本流ではなく、本流とは少し高い、みそそぎ川の上空。中州はいわゆる「等間隔」。


 市街地の鴨川の床は、私はこの先、まず行くことは無さそうです。
 料亭やお茶屋さんのお座敷の一部、という考えで、一見さんお断りの世界。しかも値段がめっぽう高い。

 この鴨川の床は、一つの暗黙のしきたりがあるそうです。
 張り出した床の分だけ、お客さんの収容部分が拡張できそうですが、そんなことはせずに、あくまでお客様のお座敷の一部。
 予約の際に、「床をお願い」というようなことはしてほしくないそうです。
 あくまで、お楽しみのためのお座敷のご予約のみで、時節柄、床の営業期間なら、当日のお客さんの趣向で、座敷にするか床にするか、を決めるのだそうです。
 なので、床の食事のお楽しみ中に急な雨降りがあっても、全員、それぞれのお座敷で食事を続けられます。
 そういうところが「粋」の世界なのですが、昨今はこの「粋」を理解しない方が増えているやに聞いております。

 そんな高級な鴨川の床ですが、一か所(一店)だけ、私でも行けそうな店があります。
 三条大橋西詰のスターバックス。
 いわゆる、スタバ。ここでは鴨川の上に床を張ります。ここなら(価格的にも)私が行けそうですが、常に込んでいます。その点でもやっぱり無理だな。


 ところで先日、先斗町の歌舞練場近くの床を張る居酒屋で火事が起きました。すでに営業中で、お客の中には、床から下の中州へ飛び降りた人もいる、ということですが、この高さはそう簡単には飛び降りられないと思います。約5mほどあります。

 貴船と高雄の川床は「とこ」です。
貴船の川床。

 水面すれすれ。席によっては、流れに手を付けられそうなところも。




 こんな状況なので、嵐などで、増水したときは、直ぐに引き上げられる構造だそうです。さもないと流されてしまいます。
 市街地の鴨川の川床は、仮設ながら造り付けで、嵐の場合は営業しないだけで、特に片づけることもありません。