mitakeつれづれなる抄

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JR東日本の東京近郊区間拡大・松本は首都圏か?

2014年02月07日 | 鉄道

 昨年秋、JR東日本からSuicaの利用範囲拡大のお知らせが出されました。利便性向上を謳って降りますが、SuicaすなわちICカード利用区間は運賃計算の特例も有り、いや~な予感はドンぴしゃ、現在でも山梨県の中央本線韮崎駅までが東京近郊区間なのが、松本までSuica利用エリアになると共に、東京近郊区間も、塩尻を過ぎて、篠ノ井線の松本まで、さらに小海線の野辺山駅までが東京近郊区間になります。

 現在の東京近郊区間(JR東日本資料より)
Tokyo338

2014年4月1日から
Tokyo1404

そしてSuicaエリアとしては「首都圏エリア」に上図の拡大部分が含まれます。

 しかし広すぎですわ・・・。現状でも山梨県も千葉県と神奈川県全域(※)、茨城県・栃木県・群馬県一部も近郊区間です。この範囲はむしろ旅行とも言える範囲で、日常の短距離利用を前提とする近郊区間の制度は馴染まないような乗車もありえます。

 この近郊区間の制度とは、大都市近郊区間制度とも称せられるもので、JRの旅客営業規則の第2節乗車券の効力第156条第2号に規定されるもの。

 旅客営業規則ではその適用区間を文章で書き表されておりますが、東京近郊区間、大阪近郊区間、福岡近郊区間、新潟近郊区間があり、乗車券の効力の特例区間であります。

 すなわちこの近郊区間無い相互発着かつ経由の場合、

  • 乗車距離にかかわりなく発売当日限りの有効
  • 乗車券面に表示された経路外も乗車できる

というもの。よくある大回り乗車の法的根拠になるものです。

 大都市近郊区間は、線路が多数ある大都市部において、複数ある乗車経路に乗車券を予め用意するのは、設備の上で面倒ですし、旅客も乗車券を求める段階で経路を定めずに、最も安い経路で求め、乗車の段階で利便性の高い経路をとった方が、お互い有利であろう、との想定で設定されものです。

 私が子供の頃に既に東京近郊区間と大阪近郊区間はあり、電車内のドア付近に大きな路線図が掲げられ、しっかり眺めてすっかり路線を覚えたものです。

 当時の東京近郊区間は、大体国電区間と+αぐらいなもので、別名、「東京338」とも言われ、そんなテレビだったかラジオだったかの番組がありました。「338」は東京近郊区間の駅の数です。今はいくつなのだろう。数えたことが無いので分かりません。

 +αは、東海道本線の平塚までとか、国電快速が直通していた成田や君津は後から追加されたのかな?東京圏の日常の範囲です。この範囲が子供心に首都圏のエリアかな・・・などと思ったものです。

 それが今は、東海道本線は熱海を過ぎ、伊東線の伊東まで。中央本線は山梨県の甲府を過ぎて韮崎まで、茨城県の水戸を過ぎて福島県のいわきまで、東北本線は栃木県の黒磯まで、上越線は水上まで。

 これ広げすぎです。東京基点の乗車であれば、途中下車せずにその日のうちに着ける距離ですが、東京近郊区間の端から端まで乗るような場合、たとえば常磐線のいわき駅から熱海の温泉へ行こうと熱海駅まで乗ると、約320kmを一切途中下車できず、上野など乗り換え駅ではただひたすらに乗り換えるだけで、駅の外へ出て休憩したり買い物したりする余裕もへったくそも無い。なんともきつい乗車です。

 これが今年の4月からは更に伸びるわけで、今度は東京を基点とする乗車でも余裕が無くなります。中央本線は、4月から松本まで近郊区間になります。松本は特急「あずさ」で往復する区間ですが、旅行であれば、往きか帰りに山梨県の何処かで途中下車して、富士山を見て温泉に入ろう・・・というような乗り方は出来なくなります。

 そもそも「途中下車」の制度をどのくらいの人が知っているのか?多くの人は「ワントリップ」次の目的地までの乗車券を求めるので、さほど影響は無いともいえそうですが、やっぱり目的地まで一切鉄道の改札から外へ出られないのは、窮屈で余裕が無いです。

 現状でも「あずさ」「かいじ」に乗る前に新宿駅で途中下車して買い物したい方はいると思います。

 松本も甲府も首都圏か?甲府は、テレビ・ラジオの放送エリアでは関東広域ですけど、そんな日常の暮らしでは信州であり、甲州だと思います。文化的に異なるエリア、Suicaが使える利便性と裏腹に、徐々に汎用性の高いサービスが削られる例です。

 それと東京から松本へはかつては夜行列車もありましたし、今でも不定期で夜行はあります。夜行で日付またがりの乗車でもSuica使えるのだろうか。

※ 御殿場線の神奈川県内はJR東海です。しかもTOICAエリア外。


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1 コメント

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Unknown (すらやた)
2024-05-12 18:05:29
自分は宇都宮に住んでいるので東京近郊区間がどんなに拡大しても100km超えれば途中下車可能に出来るので何も気にしていません。なぜなら宇都宮〜小山を新幹線経由にして途中下車可能に出来るからです。例えば並行新幹線がない両毛線や水戸線方面でも小山まで新幹線経由にすれば途中下車可能に出来るし東京までのときは全区間新幹線経由にすればいいし中央線の八王子まででも宇都宮〜大宮を新幹線経由にして後は在来線経由とやればいいし途中下車を新幹線の駅がない久喜などでも出来ます。

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