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辞めた医師はどこへ?

2008-10-23 | ニュース 社会

「七転八倒」尋常でない頭痛=産科医療の現状に理解を-妊婦死亡で掛かり付け医(時事通信) - goo ニュース

 都立墨東病院で妊娠中に脳内出血を起こし赤ちゃんが助かり、お母さんが死亡した件に関し、医者の立場からのブログをいくつか読みました。確かに「受け入れ拒否」ではなく「受け入れ不能」と言うほうが正しいような気がしますし、見出しがセンセーショナル(私のブログも)過ぎると言う批判も当たっているでしょう。いろんな記事を読んでいて疑問に思ったのは、なぜ五の橋産婦人科の担当医師が電話に掛かりきりにならないといけないのか、ということ。ネットワークを作っているなら搬送先の調整に当たるコーディネーターを置いて、24時間体制で運営すればよい。県や国はその部分に優先的に予算を回しても誰も文句は言うまい。医者が電話に掛かりきりになっている間に、他の患者の様態が悪くなったらどうするんだろうという疑問が湧いてきた。もう一つの疑問は、医者がそう簡単に今の職場を辞めてもいいものかということ。しんどいのは解るし、個人の自由と言われればそれまでだが、普通は次の人が見つかるまでや辞めないだろう、どんな仕事でも。特に医者は自分の患者さんを抱えているのだから。医者の人数の問題では、医学部の入学定員を増やすという今の政策も効き目が現れるのは、10年先の話だ。即効薬としては、国公立の医学部の卒業生は5年間を地元の病院に勤務しなければならないという法律でも作ったらどうか。1人の医師の誕生にはかなりの税金が使われているのだから。

今日の一枚も、薬師寺です。

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8 コメント

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手遅れです。 (崩壊を眺めるもの)
2008-10-24 01:12:16
>医者がそう簡単に今の職場を辞めてもいいものかということ。しんどいのは解るし、個人の自由と言われればそれまでだが、普通は次の人が見つかるまでや辞めないだろう、どんな仕事でも。

代わりの医師がどこにいるって言うのでしょう。日本全国で医師の奪い合いをしているっていうのに。
あなたの地域の病院に、新たに30代後半以上の年齢の医師が赴任したとしたらそれは、どこかの地域の病院で医師が一人減った ということなのですよ。

今病院の医師達は、月の半分は36時間ぶっ続けで勤務して、まともな休日は月に1回あれば御の字の勤務をしているんです。ブログ主さんの言う通りにしていたら、勤務医は全員「過労死するまで働け!!」といっているのと同じ事になるのですよ。

ブログ主さんは、医師は使い潰せ といっているわけですね。なるほど…

もう少し、医療問題についてお勉強をなさったらいかがですか?
そうすれば、もう既に手遅れであることが分かると思いますよ。
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手遅れではない (minokimi_1951)
2008-10-24 18:47:36
あまり働きすぎを強調されると、勤務医の本音はお金の都合さえつけば開業医の道に進みたいのかなと考えてしまいます。最初の志は何処にいったのでしょう。職場(病院)の都合でお客(患者)に迷惑が掛かっているのですから、自分達が国や自治体を巻き込んで解決する問題でしょう。なぜなら初めてその職場に行くお客には事情が解らないのですから。
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Unknown (恥を知れ)
2008-10-25 00:53:54
医療とは公共財ですよ。患者=お客じゃありません。地域住民全員で守るものです。アメリカのようにサービス業化するなら、病院側が価格を決め、盲腸の手術150万になります。日本の制度のいいところは、国が治療料金を決めて、みんながお金を出しあって、困った人を、病気の人を助けようというものです。限られた牧草地を一人が独占したら、他に困る人が必ずでてきます。
いまの日本の医療費は先進国中最低です、高齢化により医療需要は増えているのですから、質が落ちていくのは当然です。
あなたに予算を出すおつもりはありますか?
15年後も現在と同じレベルの医療を維持するなら、消費税4%アップが必要になります
構造的な問題を、職場=医療者が何とかしろというのは、完全に筋違いですね。
それを考えるのは、国、官僚と政治家の仕事です。

ほとんどの医療者が極限の状態で働いているのに、俺たち客のために考えてもっと働けというのは無茶苦茶ですね。
産科医の労働時間は平均で月に350時間、それ以外に病院にすぐに行けるように待機するのが月に150時間です。墨東病院の年収は600万です。完全なワーキングプアですよ。
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Unknown (産婦人科医師)
2008-10-25 03:19:24
前日の日記にも、コメントさせて頂いた者です。


搬送コーディネーター、とっても建設的な意見ですね^^

しかし、現場の立場から言わせて頂ければ、、、

もともとウェットな環境(つまり、知り合いの○○先生に頼まれたのだから、無理してでも受け入れよう、とかいった気持ち)により成り立っていたスタイルが、コーディネーターという第三者を介在させる事によりドライな環境が提供され、今の事態が益々悪化してしまわないか。。。という危惧を持っています。

コーディネーターにとって我々医療従事者は「客」であり、搬送先を見つけられないのはコーディネーターのせい、と責任転嫁しやすい局面も生まれてしまうと思います(残念ですが)。


このような「たらい回し」が、ドライな環境になりやすい、東京や大阪といった大都市圏で頻発している事にも注目していただきたいと思います。


まあ、田舎は田舎で、医師の絶対数が足りなくて困っているわけですが。。。



私達は、決して初心を忘れたわけではありません。

しかし、ここ数年の裁判所による判例が、私達の良心に従った医療の提供を著しく制限してしまっているのを、是非知って頂きたいと思います。
犯罪者になりたくてこの道を選んだわけではないのですから。


ちなみに、我々医療従事者側は全然困っていません(笑)

むしろ昔に比べ、自分や病院のキャパシティーを広げてまで医療を提供する必要がなくなったので幾分楽になりました。

「患者=客」という発想につきましては、
前日の私のコメントを参照して頂ければと思います。

今回の件が、minokimiさんが医療について学習される良いきっかけとなれば幸いです^^
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全国の医療従事者は逃げた方が良いのでは? (都筑てんが)
2009-01-22 08:14:00
治療費不払い85億円 290公立病院3年間 : ニュース : 医療と介護 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20061226ik05.htm

J-CASTニュース : 医者や看護師に暴行・暴言繰り返す 「モンスター患者」急増、対策が急務
http://www.j-cast.com/2009/01/12033292.html

もう、医療従事者の方たちは、自分の健康や命を犠牲にするような使命感なんて、持つ必要は無いと思います。

ましてや、暴言を吐いたり、物を壊したり、暴力を振るったり、「医は仁術」「医療はサービス業」「お客様は神様です」という言葉にタダ乗りするような傲慢な馬鹿親・馬鹿客・馬鹿患者などのために、自分の命を犠牲にするなんて馬鹿げています。

そんな民度の低い輩のいる職場からは急いで逃げるべき。

散々医療従事者を蔑ろにしておいて、いざその土地から医療が無くなると聞いた時点で慌てて「医者を守れ、看護師を守れ、病院を守れ」運動しても遅いと知るべきです。

…。
……。
………。

自分たちの街から医療が無くなって初めて、自分たちが壊した物の大切さを知るのか。

それとも、自分たちの街から医療が無くなってもなお、「それでも医者か!」「お客様は神様だろ!」「仁術はどこへ行った!」と医療従事者を罵り続けるのか。

日本の未来はどっちなのでしょうかね?
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志?あなた達がぶち壊しましたが何か? (都筑てんが)
2009-01-22 08:18:16
さすが、自殺者予備軍(多分その多くがうつ病患者)に対して「死ぬ勇気があるんだったら、頑張れ、頑張れ、死ぬ気で頑張れ」って言いまくる、牟田口症候群にかかったスポ魂人間だらけの国ですね…。



>最初の志は何処にいったのでしょう。

貴方達がぶち壊しましたが何か?

治療費不払い85億円 290公立病院3年間 : ニュース : 医療と介護 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20061226ik05.htm

J-CASTニュース : 医者や看護師に暴行・暴言繰り返す 「モンスター患者」急増、対策が急務
http://www.j-cast.com/2009/01/12033292.html

大野病院事件無罪判決関連
ttp://punigo.jugem.jp/?eid=482

救急受け入れ問題関連
ttp://punigo.jugem.jp/?eid=503
ttp://punigo.jugem.jp/?eid=500
ttp://punigo.jugem.jp/?eid=495
ttp://punigo.jugem.jp/?eid=491

「ベッドが無くても受け入れろ!」「専門医がいなくても受け入れろ!」なんて言われても、過去の裁判の判例によって「違法行為」とされているから無理な訳で…。

「寝ずに働け!」「お前ら金儲け主義か!」と言われても、人間ですから、休まずに働けば疲弊して倒れてしまいますし、霞を食って生きていく事も出来ない訳で…。

現在、多くの医師が「過重勤務」に耐え切れずに倒れ、医療体制が成り立たずに潰れてしまう病院が増えている訳ですが…。

これって、医療に無理解な輩による「医者いじめ」「病院いじめ」で、医療が「自殺」している…と言えないでしょうかね?
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精神論や根性論はもううんざり (都筑てんが)
2009-07-01 00:48:06
実際に人の命を救うのは「仁術」でも「使命感」でも「奉仕」でもなく、「マンパワー」「リソース」「キャパシティ」である。

その事から目を逸らして、「竹槍でB29を落とせ」というような精神論ばかり言ってる愚民には、医療は必要ないんじゃないかと思います。

以前は「医療崩壊を防ぐために自分に出来ることはないか」と色々と考えてきましたが、最近は、牟田口症候群のあまりの多さに失望し、「全国のお医者さん逃げてー!」というスタンスに変わりつつあります(って、現時点で既にそうなってますけど)。

もしも自分や自分の家族が必要な医療を受けられずに命を落としたとしても、医療従事者を酷使し疲弊させ続けた愚民を恨みこそすれ、命を削って頑張ってきた医療従事者を恨むことはありません。
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もう既にPONRは越えた (都筑てんが)
2009-07-20 10:18:32
加古川心筋梗塞事件や奈良心タンポナーデ事件でのトンデモ判決、福島の産科医の逮捕が起こった時点で、もう、日本の医療は「Point Of No Return」を越えてしまいました。

いくら「仁術」や「モラル」や「使命感」や「人を救いたい気持ち」があっても、「マンパワー」「キャパシティ」「リソース」が無ければ、どうする事も出来ない。

いくら「命は大切だ」「命を大切に」と叫ぼうが、全ての人命を助けることは出来ないし、死んだ人を生き返らせることは出来ない。

こんな当たり前の事も理解しようとせず、「命は大切だ」「命を大切に」という「命は地球より重いんだ」論を振りかざして、医療従事者の限界や、医療そのものの限界を無視した要求を続ける人間がワンサカいる現状では、どうあがいても医療の完全崩壊は免れないでしょう。
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