大遠足
朝咲いて昼に散るともわが務め
桜の花は 咲いてから散るまでの期間が短いので
「 はかない 」 ことや 「 いさぎよい 」 ことの象徴のようにみられていますが
それでも 朝顔にくらべたら まだまだ 「 長生き 」 のほうです。
朝顔は 朝咲いて昼にはもうしおれてしまいます。
「 花の命は短くて ・・・ 」 といいますが
おそらくもっとも命の短い花でしょうね。
虫の世界でいえば カゲロウといったところでしょうか。
だが 朝顔は
「 すぐしおれてしまうぐらいなら
咲いたってつまらない 咲くのはやめよう 」
などと ・・・ ダダをこねたりしません。
数時間の間とはいえ
美しく咲いて 人の眼をよろこばせるというその務めを
・・・ よろこんで果たすのです。
巨視的視野からみれば
人の一生だって まことに短い はかないもので
朝顔のそれと本質的な差のあるものではありません。
これを 「 はかない 」 と嘆けば はたらくことが
・・・ イヤになってきます。
そこで 朝顔を見習いたまえ というわけです。
人生の長さなんぞ ・・・ どうでもいい。
とにかく 生きているあいだは
それぞれの務めを果たさねばなりません。
世のため 人のため いや だれよりも自分自身のために
美しく咲きたいものです。
これは ・・・ 神からの至上命令であるような気がします。
やるべきことをやりとげたら
安らかな大往生 ・・・ キレイに散ることができるはずです。