黙（もく） ２

沈黙することは

語らないことではありません


「黙」に対して

「語る」という

二元的な考え方ではないのです



「黙　雷のごとし」というくらい

「黙」の中に

・・・　「声なき声」を聞くのです


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（３につづく）

黙（もく） １

黙っていても

伝わることがあります


黙らなければ

伝わらないこともあります



多くの言葉で語っても

伝わらないことを

円をもって表現した

・・・　「　一円相　」＊


そして

さらに進んで

こんどは

「　沈黙　」をもって

・・・　真実を表現します


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（2につづく）

＊ 円相（えんそう）は、禅における書画のひとつで、図形の丸（円形）を一筆で描いたもの。「一円相（いちえんそう）」「円相図（えんそうず）」などとも呼ばれる。悟りや真理、仏性、宇宙全体などを円形で象徴的に表現したものとされるが、その解釈は見る人に任される。また、円窓と書いて「己の心をうつす窓」という意味で用いられることもある。（ウイキペディア　フリー百科辞典）

両方とも忘れる

生死を忘れる

貧富を忘れる

苦楽を忘れる

・・・

二元的な考え方をやめることです



生きている時に

「死んだらどうしよう」と

くよくよ考えていないで

生きていることに徹すると

死を忘れることができます


さらに

死ぬことも

生きていることも

両方とも忘れると

・・・　心に静寂が得られます



「両忘（りょうぼう）」　・・・　と言います

知る必要もない ２

昔　中国で

皇帝が達磨太師に

質問しました


「　私の前にいるお前は誰か　」

太師はひとこと言いました

「　知らない　」



それが「　知る必要もない　」

・・・　「　不識　」です


知らなくてもいい


知ってどうする


知る必要もない



そんなレベルを超えたところに

・・・　「　不識　」があります

知る必要もない １

そんなこと

どうだっていいじゃないですか



知ってるとか　知らないとか

偉いとか　偉くないとか

大卒だとか　中卒だとか

男とか　女とか

背が低いとか　高いとか

若いとか　歳だとか

既婚者だとか　バツイチだとか

子どもがいるとか　いないとか


あげく　・・・　年収がいくらだとか



そんなことが

私という人間を判断するのに

・・・　必要なことですか


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（２につづく）

いろは ２

急がば回れ


最初は

足腰を鍛えて

かまえができるようになるまでは

・・・　「いろは」を学びます


そのあとやっと

醍醐味に近づける長い道が

見えてきます


その道すがら

いつでも忘れてならないのも　・・・　「いろは」



修行の最後に

やっとわかるのも　・・・　「いろは」

いろは １

※ 今朝も
早朝稽古（５時半～６時半）を終えて
戻ったところです



「いろは」とは

物事の　・・・　基礎

家屋の　・・・　土台


あまり面白いところとは

思えません


何ごとにつけ

基礎稽古　基礎練習なんていうは

退屈かもしれませんな


地味で

しかし

奥が深いのが　・・・　やっかいです


でも

ここをすっとばして

楽しく　かっこいい応用編から

入ろうとしても　・・・　無理


横着や　あせりは

・・・　禁物



物事を

きちんと修得するには

やっぱり　「いろは」が

・・・　大切ですね


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（２につづく）

自然の流れに逆らわず ３

自分からやる気にさせるには

その「時」を

・・・　待つことです



今からやっておけば

将来は有利だとか

コツを教えてくれれば

若くたって修得できるはず

と思うのは　・・・　遅速



無理矢理

秋に芽を出してみたら

幼いうちに冬が来て

いっぺんに凍えてしまうのが

・・・　関の山


自然の流れには

・・・　逆らえません

自然の流れに逆らわず ２

親がどうの

上司がどうの

先生がどうの

・・・　と言ったって

言われたから

仕方なくやっているうちは

・・・　芽が出ません



本人

ひとつも気に入っちゃいません


にこにこしながらやっているのは

顔色をうかがうからで　・・・

嫌なら嫌と言う方が

・・・　ましかもしれませんなぁ


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（３につづく）

自然の流れに逆らわず １

「　春来草自生　」

はるきたらばくさおのずからしょうず



その年齢にならなければ

わからない心境


その時が来なければ

わからない心境があります



春が来れば

草は　・・・　自然に生えてきます


草が　自分の意志で生えてくるには

その時を　・・・　待つ以外にない

・・・　という禅語です


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（２につづく）

まあ 落着いて ３

「　まずは　お茶でも召し上がれ　」


緊張した客を迎えたら

この一言をかけてあげたい



人生だって

時にはふと立ち止まり

これでいいのか　・・・　と

ゆっくり考える時間が大切です

まあ 落着いて ２

師に対し

矢継ぎ早に質問攻めにして

疑問をすべて解消し

早く悟ろうと思った坊さん


「　まあ　落ち着いて　」

「　且緩々（しゃかんかん）　」

と言われてしまいました


おいおい

・・・　落ち着け　落ち着け


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（３にいつづく）

まあ 落着いて １

あわてるな

あせるな

肩に力が入りすぎ


落ち着きなさい

呼吸をととのえて



急ぐ人は

はたからみると

・・・　滑稽です



どの道も

急いで極めることはできません


急がば回れ　・・・　です


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（２につづく）

足（た）るを知る ２

「　武士は食わねど高楊枝　」

とは違います


我慢するのではないのです


足りていることに気づく　・・・　「知足」



ラク～な気持ちで

幸せを感じられる方法でもあります



贅沢に切りがない人は

・・・　弱い


ほんのちょっとで満足できる人は

・・・　柔軟で　パワフル



足るを知る人は

・・・　幸福に最も近い人なんですよ

足（た）るを知る １

足るを知る　・・・　知足


私は　幸せです

満ち足りていますから　・・・

これ以上　もっと欲しいとは思いません


これで　充分満足です

・・・　こんな感じでしょうか



こんな風に言うと

随分贅沢な暮らしをしている人のセリフのように聞こえますが

・・・　それが違います


少しの「足りる」で

満足していることを言っています


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（２につづく）