時事解説「ディストピア」

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中国のアジア外交

2014-11-18 22:13:12 | 国際政治
中国が発展し日本が衰退している真の理由として、アジアを見る視点が全く違うことを指摘した。

中国がNATOに対抗できる政治・経済圏の確立を目指しているのに対して、
日本は真逆の態度を取っているため、根本的な部分で信用が得られていない。


中国と他のアジア諸国との間にある部分的な衝突にばかり注目し、
全体として中国がアジアにおいて善隣外交を行い、
名実ともにパートナーとしてその権威を拡大させていることに
目を向けないことで、日本は結果的に中国の台頭を許してきた。


中国が如何に嫌われているかを
中国ウォッチャーたちが一生懸命に宣伝している間に、
当の中国は着々と勢力を拡大してきたわけである。



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初冬の暖かな日差しの中、中国が今年本国で迎える
最後の外交舞台となるアジア太平洋経済協力(APEC)の
第22回非公式首脳会議と関連活動が北京で開催され、世界の注目を再び集めている。(


中国がAPEC首脳会議の開催国となるのは13年ぶりだが、
世界の経済情勢は当時から大きく変化し、中国経済のプレゼンスは著しく高まっている。


世界がアジア太平洋に注目し、アジア太平洋は中国に注目している。

「ポストクライシス」の世界経済の成長にいかに動力を注ぐか。

アジア太平洋地域に乱立する経済貿易体制をいかに統合し、
利益を収め、障害を避けるか。


アジア太平洋地域のパートナーシップをいかに深め、
地域の地政学的な緊張や摩擦をいかに減らし、なくしていくか。


多くの問題に焦点があたり、北京でいかなる回答が出されるかに注目が集まっている。


習近平氏はAPEC・CEOサミットで基調講演を行い、
「アジア太平洋の夢」を描き出し、中国の自信を伝えた。


習近平氏は、
「アジア太平洋の大家族の精神と運命共同体という意識を堅持し、
平和・発展・協力・ウィンウィンという時代の潮流に順応し、
アジア太平洋の繁栄と進歩のために共に力を尽くそう」と呼びかけた。



さらに、中国経済は「新常態」に入り、
困難に直面しながらも新型の工業化・都市化・情報化・農業近代化を進めており、
アジア太平洋と世界の経済にチャンスをもたらすことになるとして、
世界のCEOらに自信を与えた。


中国はAPEC会議中、コネクティビティパートナーの関係強化のため、
周辺のその他の国々や組織との特別対話会を開いた。

バングラデシュ・パキスタン・ミャンマー・カンボジア・
ラオス・タジキスタン・モンゴルはいずれも、国家元首または
政府首脳を派遣して参加し、国連アジア太平洋経済社会委員会と
上海協力機構も代表を派遣して参加した。

習近平氏は会議の議長を務めて重要講話を発表し、
我々はアジアの国々の連携発展を実現しなければならない
アジア各国は一つ一つが灯であり、これらをつなげてこそ、
アジアの夜空を明るく照らし出すことができる
」と語った。



http://japanese.beijingreview.com.cn/jj/txt/2014-11/12/content_652323.htm
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中国にあって日本にないものは、
「アジア諸国に向けて輝かしい未来を提示できるかどうか」である。



実際には前途多難ではあるものの、中国は
アジアが一丸となって輝かしい未来へ歩もうというメッセージを投げかけている。


これに対抗できるメッセージを日本は持っているだろうか?
日本にはアジアをどうしたいかというビジョンがない。


「日本をトリモロス!(by安倍)」をはじめとして、
 テレビ番組でも異常に日本を強調した番組が量産されているが、
 アジアに関するメッセージは一切ない。アジアという地域社会に
 日本がどういう立場から貢献していきたいのかといった青写真が全くない。


まぁ、日本会議のような日本版ネオナチの党員どもが
閣僚となって肩で風を切って歩いているわけだから……
「悪ではびこるアジアを日本が正してやる」という本音を隠さざるを得ないのだろう。


鳩山元首相は、確かに細かい部分を挙げていくと
それなりにおかしな人だったが、「東アジア共同体」というビジョンを持ってはいた。

今の日本は、アジアの一員として隣国と如何にパートナーシップを
築くかといった視点ではなく、如何にアメリカと協力してアジアを
牽制していくのかといった視点から、外交を展開している。

要するに孤立している。

よって、この孤立から脱却し、同地域で台頭していくには、
まずアジア諸国と同じ歴史観を共有し、欧米に現地の富を収奪されないよう
新自由主義的なあり方、要するにあらゆる帝国主義に反抗する態度をとることが必要だろう。