goo blog サービス終了のお知らせ 

時事解説「ディストピア」

ロシア、イラン、中国等の海外ニュースサイトの記事を紹介します。国内政治、メディア批判の記事もあります。

オバマ大統領と天皇陛下の宮中晩餐について

2014-04-24 22:44:53 | 日本政治
NHKのサイトより。

----------------------------------------------------
国賓として来日したアメリカのオバマ大統領を歓迎する
宮中晩さん会が、まもなく皇居宮殿で始まります。

オバマ大統領は、先ほど今夜7時すぎに
皇居宮殿の「南車寄」に到着し、出迎えた天皇皇后両陛下と
あいさつを交わして宮殿に入りました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140424/k10014007611000.html
-----------------------------------------------------


朝日新聞の記事より。


-----------------------------------------------------
天皇、皇后両陛下は24日夜、国賓として来日した
オバマ米大統領を歓迎する宮中晩餐(ばんさん)会を皇居・宮殿の豊明殿で開いた。

安倍晋三首相ら三権の長や
元大リーガーの野茂英雄さんら168人が出席し、平成に入り最大規模となった。


天皇陛下は乾杯に先立ち、東日本大震災時に
2万超の米国軍が参加した「トモダチ作戦」などの支援に謝意を表明し、
「物のない厳しい環境にあった被災者にとり、大きな支えとなりました」と語った。


また、太平洋戦争を踏まえ
「両国民は、先の戦争による痛ましい断絶を乗り越え、
緊密な協力関係を築きました」と述べ、「来し方を振り返り、
互いの理解を一層深め、相携えて進んでいくことを願ってやみません」と話した。

http://www.asahi.com/articles/ASG4S4GHPG4SUTIL014.html?iref=com_alist_6_02
------------------------------------------------------

このように、微笑ましい雰囲気で報道されているのですが、
確か私の記憶が正しければ、
2009年の中国の習近平副主席と天皇陛下が対談した時には
猛反対されていましたよね?




ウィキペディアにまとめがありますので、それを引用しましょう。


『産経新聞』→「“政治主導”という名のもとによる“天皇陛下の政治利用”である」

『毎日新聞』→「天皇の政治利用とも受け取られかねない」

『西日本新聞』→「“天皇の政治利用”という疑念さえ生んでおり、
          宮内庁の訴えを聞くべきであり、
          厳守されてきたルールは過去の“政治利用”による
          苦い教訓をもとにしたものであるので踏み外すべきではない」

『読売新聞』→「天皇陛下が時の政権に利用されたと
        疑念が持たれるようなことは厳に慎むべきであり、
        その基本を現政権はわかっていないのではないか」

『中日新聞』→「政治利用との疑念が持たれるようなことは厳に慎むべきだった」

『朝日新聞』→「天皇と内閣の微妙な関係に深く思いを致した上での判断にはみえない。
        国事に関する天皇の行為は内閣が決めるからといって、
        政権の都合で自由にしていいわけがない」


『沖縄タイムス』→「外国要人との会見は、国事行為ではない。
          内閣の責任の下でなされ政治的な性質を持たない
          公的行為とされる。」
         「友好親善のための公的行為が政治化してしまった」

(以上、http://ja.wikipedia.org/wiki/天皇特例会見を参考に作成)


・・・・・・今、安倍政権がやっていることは、彼らに言わせれば、
アメリカとの友好関係を深めるために陛下に接客させる行為であり、
思いっきり天皇の政治利用に当たるのでは?



私は、てっきり、「陛下にご機嫌取りをさせるなど言語道断!!!」と
政治家やメディアも怒り心頭に発するもんだと思っていました。


「今回は国賓として招いたから特別なのだ」とか
「前回は一カ月ルールを民主党が破ったからだ」とか言い訳はあると思います。

しかし、上で挙げた各メディアは、突き詰めれば
「天皇の政治利用」に反対していたはず
です。



ならば、天皇とオバマを一緒に食事させて、
日本とアメリカは仲が良いんだよと内外にアピールするパフォーマンスにも、
いくら公的行為に当たるとはいっても、もっと怒ってもいいはずです。


この態度の違いは一体なんなのでしょう?


一つには、日本人が持つ人種差別にあると思います。

東洋の猿ごときに天皇陛下を会わせるのは我慢ならんということです。
大日本帝国の時代から、アジアには蔑視、欧米には尊敬の
二種類の態度をとってきた我が国ですが、その態度は
今もたいして変わっていないのでしょう。


もう一つ、当時と今では、
メディアの政権に対する姿勢が真逆にあることが挙げられます。


民主党政権時には、メディアと政権は対決していましたが、
今は、NHKをはじめとして各メディアのトップが
安倍首相と会食を開くなどの工作をもってして、懇意の仲を築いています。


アベノミクス、消費税増税、安全保障問題。
どれも皆、礼賛、礼賛、礼賛です。


日本は、象徴天皇制という形をもって、
個人崇拝システムを維持したまま、民主主義国を名乗ってきました。

また、北朝鮮や中国を名指しして、言論の自由がない独裁国家と罵倒してきました。


しかしながら、どうでしょう?

軍拡や戦争犯罪の否定、増税といった様々な悪政を敷いているはずの極右政治家が
どのメディアも一斉に美化して報道しています。批判のひとかけらもありません。


今回のオバマ大統領と安倍首相の微笑ましい報道によって、
間違いなく、同政権の支持率は回復することでしょう。


こういう人気取りのパフォーマンスの効果を最大限に高めるような
報道を流し、政権に加担する。それも安倍首相との個人的な繋がりを
どのテレビ局も持っている。これが独裁でなくて何なのですか?


本当に不幸なのは、言論の自由があるはずの民主主義国家が
軒並み、権力者に迎合して、彼に都合のよい情報を流し、
民衆から考える力を奪うことです。

それは、独裁国家における言論の不自由より、なお性質が悪い。
彼らは無理やりですが、我らは自発的に協力するのですから。

自由があるのに、その自由をもって支配者に媚を売るのですから。


私は真の独裁国家とは、他ならぬ民主主義国家であり、
そこでは、自由があるがゆえに、不自由であると思います。



※今も現在進行形で罪もないアフガン・パキスタンの民衆を
 大量殺害しているのは、オバマをはじめとするアメリカの権力者たちです。
 そういうアフガンの敵とも言える人を少しも批判しない。
 そういう人を国賓として招くことを誰も不思議に思わない。
 中国なみの猛反論が全く国民的現象として生じない。
 これこそが本当に恐ろしい、現在の独裁国家で起きていることです。

左右の枠を超えてというフレーズについて

2014-03-20 22:11:25 | 日本政治
集団的自衛権の行使容認について、
自民党内部でも反対派が拡大しつつあるようだ。


-------------------------------------------------
「戦後の秩序を作ってきた集団的自衛権という言葉は、
アメリカが自国の都合で、自国の利益を守るためには
世界中どこへでも軍隊を出せるとへ理屈をこねて言ったものだ。

その国の依頼があればいいというが、
かいらい政権に言わせれば、いくらでもできる。
そんなことのために自衛隊を海外に出すべきではない」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2014-03-19/2014031902_02_1.html
-------------------------------------------------

これは自民党の幹部の意見である。
共産党や社民党の意見ですよと紹介されたとしても違和感がない。


自民党というと、右翼の集まりのように感じられるかもしれないが、
実際は、そこそこ左寄りな人間もいる。民主党を立ち上げた
鳩山元首相や小沢一郎氏も元は自民党の出身だ。


そこから思うのが、最近、一部の市民団体や運動家が
やたらと主張している「右翼や左翼の枠を超えた運動を」という言葉である。


私は反共左翼という言葉をもって、本質が反共=国家(国民)主義であるために、
いざという時には簡単に右派と協力して体制に与する連中の問題性を指摘しているが、
その右派と妥協しないというスタンスにケチをつけられたことがある。

いわく、「程度によりけり」、「目的が同じならば協力も悪くない」だそうだ。

しかし、実際には、国内では圧倒的に右派が優勢であり、
協力といいながら、右派が許す範囲内での反対運動に堕しているのが現状だ。
こういう中での左右の協力にいったい何の意味があるのだろうか?


また、チベットやウィグルの問題が顕著だが、同じ反対であっても、
右翼の語る理屈と左翼が語る理屈は本来は違うはずである。


ダライ・ラマのように自分が統治していた頃は農奴制を維持し、
亡命後もCIAから大金を得ているような輩や、ラビア・カーディルの
ような、日本の極右と一緒に靖国神社に参拝するような民族主義者が
語る自由は、本来の左翼が夢見る自由とは違うはずである。


実際、前者は活仏(仏の生まれ変わり)を自称しているし、
後者はウィグル人の中でもとびきりの実業家で、とてもじゃないが
民衆の利益を優先する政治を行うようには見えない。

チベットやウィグルの問題を卑小化するつもりはない。だが、
ダライ・ラマやラビア・カーディルのような連中に権力は渡したくはないと思う。

左右を超えた共闘を呼び掛ける人間の中で上の2名に対してはっきりと
「中国にも問題はあるだろうが、だからといって
 お前たちのような連中に政治を任せたくない」
 とはっきり言える人間がどれだけいるだろうか?

私はそこが非常に気になるのである。

靖国参拝の裏側で

2014-02-20 00:33:32 | 日本政治
原爆を美化する博物館へ行き、展示物を絶賛しながら
核のない世界を目指すから理解しろ(=文句を言うな)


靖国参拝に関する日本政府の態度は
例えればこんなものだと私は話した。



では、その裏側で何が起きているのか?
次の記事を読んでもらいたい。


-----------------------------------------------------
沖縄県八重山地区の竹富町が、地区内の他の市町が
使っている育鵬社版とは別の中学公民教科書を採択し、
使用していることについて、下村博文文部科学相が
同町教育委員会に対し、地方自治法にもとづく「是正要求」を
行うことを公言し、育鵬社版の採択を強要しようとしています
地方の意向を無視した異常な政治介入です


育鵬社の公民教科書は戦前の大日本帝国憲法を美化し、
現憲法の改定に子どもたちを誘導する危険な内容です。

自民党は2011年の中学教科書採択の際、
侵略戦争を美化する育鵬社の歴史教科書とあわせて
同社の公民教科書の採択を全国各地で推進しました。

安倍晋三首相も当時、採択運動の先頭に立っていました。


教育行政をめぐって「是正要求」が出されたことも、
県を通さず直接市町村に出されたことも例はありません。

どんな手段をとっても育鵬社版を使わせようという
安倍政権の強権的な暴走そのものです。



下村文科相は、「是正要求」の理由として
「同一の採択地区内の市町村は同一の教科書を
採択するという法律に竹富町は違反している」といいます。
しかし、竹富町に違法性はありません。


もともと、問題の発端になった11年の教科書採択では、
八重山地区では誰もが育鵬社版とは違う教科書が採択されると思っていました。


同地区の教科書調査員は1人も育鵬社版を推さず、
PTA連合会も校長会も育鵬社版に反対していたからです。

ところが採択地区協議会の玉津博克会長(石垣市教育長)が、
規約まで変えて協議会内で育鵬社支持が多くなるようにし、
育鵬社版を推薦する答申を出してしまったのです。



この事態に住民は強く反発し、竹富町は別の教科書を採択しました。
その後、沖縄県教育委員会が仲裁に入り、
地区内の3市町の教育委員全員が参加した協議が開かれ、別の教科書を採択しました。

地元紙は「採択逆転 市民安堵」と大見出しで報じました。
これは法律の定めた「協議」にあたり、それにもとづく竹富町の採択は違法ではありません。


他の2市町は育鵬社版を採択しました。
一本化にいたらなかった原因は、住民自治も教育の自主性も
踏みにじった玉津氏らの側にあります。にもかかわらず、
竹富町のほうを国の権力で屈服させようというのは、
住民自治と教育の自主性への厚顔な挑戦以外の何ものでもありません。


沖縄県教委は事態を打開するために、採択地区を分割し、
竹富町と他の市町がそれぞれの教科書を採択できるようにすることを提案しました。
文科相はそれさえはねつけました。竹富町は規模が小さく、
単独では教科書研究ができないというのです
。こんなに人を見下した話はありません。

竹富町の教育委員は熱心で、全員がすべての社会科教科書に目を通しました。
研究能力をいうなら、教科書に目も通さなかった
他市町の育鵬社版支持の教育委員こそ問題です。

教育では現場の自主性と住民自治が大切にされなければなりません。
いい授業のためには、教科書は実際にそれを使って教える教師が中心になって選ぶべきです。
安倍政権は直ちに介入をやめるべきです。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2014-02-19/2014021901_05_1.html
------------------------------------------------------------------

歴史研究者の端くれとして言わせてもらうが、
育鵬社の教科書は教科書ではなく、経典である。


この書物の異常性は高文研から
中学校歴史・公民 育鵬社教科書をどう読むか』が出版されているので
そちらを読んでほしい。


簡単に言ってしまえば、大日本帝国を完全正義として描くものであり、
当然、沖縄戦で起きた集団自決も、その背景に
軍部の強制があった事実を伏せて記述されている。



沖縄戦の研究者である林博文氏によると、集団自決が起きた背景には、
投降しようとする沖縄人をスパイと断定して射殺・斬殺したことがある。

こういう現地の民衆を敵もろとも殺す傾向は沖縄以前からあり、
例えばフィリピンではゲリラと米軍の挟み撃ちにあうことを恐れ、
現地の町や村を焼き、民衆を皆殺しにしていた。繋がっているのである


こういう点を骨抜きにした教科書を他ならぬ沖縄で
読ませるべく、ありとあらゆる工作と強制を試みる。


被害者が今も生きている沖縄で
加害者を正義とみなすよう教育する。



これが安倍政権だ。


さて、この安倍政権が今着手しているのが教育委員会の組織改革である。


-------------------------------------------------------
教育委員長は現在、首長が任命する教育委員が互選し、教育長も委員から選任します。
新たな案は、住民による合議体の組織が首長から独立して
教育行政を決める現行制度を形骸化させる内容です。


(中略)


教育委員会制度の新たな見直し案は教委に執行機関を残すといっても名ばかりで、
教育代表委員を通じて首長が教育行政を事実上支配・介入する
ことにつながります。


戦前の軍国主義教育に対する反省から、
首長から独立した住民の合議体が教育行政を
コントロールするという現行制度の根幹を突き崩すものです。


教育委員会が国いいなり・首長追随ではなく、
子どもの権利を最優先に考えて活動ができるように、
委員会としての機能強化や教育委員の公選など教育委員会制度を
拡充・強化する抜本改革こそ必要です。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2014-02-08/2014020802_03_1.html
----------------------------------------------------------

八重島のような政府に逆らう教育者を無力化するための改革。
靖国参拝の裏側でこういうことが行われているのである。

物事は総合的に判断しなければならない。
識者の中には安倍の言動を他国との関係を軸に語りたがる輩がいるが、
安倍は何も中国やアメリカに反発して凶行に至っているわけではなく、
自らが信じる絶対正義日本という神話を布教しているに過ぎない。

実際には国内の人間に対する思想の弾圧と国家規模の史実歪曲が
目下進行中であり、こういう点に注目すれば、いかに不戦の誓い
あるいは積極的平和主義とやらが嘘八百のものか看破されるであろう。

安重根の評価について

2014-02-18 23:37:20 | 日本政治
国内ではもう終わったこととして片づけられているが、
靖国参拝をきっかけとして、日本の国際政治における信用は失墜の一路をたどっている。

中国、韓国などのアジア諸国は言うまでもなく、
ドイツやイギリス、ロシア、アメリカにまで首相の歴史認識が批判された。


かつてのブッシュJr.を彷彿させる光景だ。
自身の幼稚な世界観を信じる余り、現実が見えていない。


イラク戦争はテロとの戦い、民主主義の勝利と喧伝されてはいたが、
ほどなくしてその欺瞞が現地の政情および治安の不安定化によって
露見してしまった。国内では弱者を圧殺する新自由主義経済が採用され、
結果、リーマン・ショックという惨憺たる結果を向かえ、無残に散っていった。


ブッシュが自らの精神的よりどころとして深く信頼したのが
ネオコンと呼ばれる過激なユダヤ人主義者たちだった。


CIAの犬だった岸信介の孫にあたり、国家神道に狂う安倍と
CIAの長官だった父を持ち、ネオコンを崇拝したブッシュ。

両者とも現実を見ず、過激な行動を取り、
国民をリスクの快感に狂わせる詐術をもって支持を集めはするものの、
世界から孤立し自滅するという点において同じ穴の狢であろう。


さて、安部(に代表される現代日本)の国粋主義に対して、
メディアはどのように伝えたのだろうか?

結論からいえば、安倍と親密な間柄の人間のみで
経営陣が構成されるNHKは言うまでもなく、
他の民放でも一連の行為について擁護するばかりだった。


いわく、日本は他国の人間の心を傷つけるつもりなどなく、
不戦の誓いを立てるために参拝したとのこと。


では、次のことはどう説明するつもりだろうか?

--------------------------------------------------------
中国東北部のハルビン駅に韓国の義士、
安重根の記念館を開設した報道に、
日本政府は先月、伊藤博文を殺した「テロリスト」として抗議しました



1910年の「韓国併合」の前年に、
初代の韓国統監を務めた伊藤博文が射殺されました。

外交権を奪ったとき、伊藤が「駄々をこねるようなら殺ってしまえ」と
大臣に聞こえるように脅したのは、有名な話。

韓国で安重根は義兵闘争の英雄として扱われています

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2014-02-18/2014021801_06_0.html
--------------------------------------------------------


--------------------------------------------------------
東京新聞の署名入りコラム(2月17日付)に
「伊藤(博文)が当時の指導者の中では
韓国併合にもっとも消極的だった」という記述がある。

これは日本政府が安重根を伊藤暗殺の「テロリスト」と
言い切ったことへの反論記事として書かれてはいるものの、間違った認識である。

日本では、1909年10月26日、伊藤が安重根にハルビンで
射殺されたのがきっかけで、「韓国併合」の方針がにわかに
決定されたかのような主張がしばしば見られる。

この記事もそうした類の一つであろう。

1905年11月、天皇の親書を携えて朝鮮に乗り込み、
「保護条約」の受け入れを迫ったのは、他でもない伊藤であった。


しかし、高宗は妻である明成皇后を虐殺されたことや
日露戦争中の財政整理問題など、主権侵害をなじり、条約締結を最後まで拒んだ。

すると、伊藤は高宗を脅迫し、朝鮮の大臣1人ひとりに賛否を問い詰め、
あくまで抵抗した首相や大臣らを退け、それ以外はすべて賛成とみなし、
強引に力で調印に持ち込んだ。(中塚明著「近代日本と朝鮮第三版」に詳しい)

こうして日本政府は数千年の歴史と文化を持つ朝鮮の外交権を奪った。
そしてソウルに統監府を置き、朝鮮の内政全般を左右することになったのだ。
初代の統監に就いたのは伊藤自身で、実質的に植民地化を完成させた張本人であった

http://chosonsinbo.com/jp/2014/02/0218ib/
--------------------------------------------------------

要するに歴史的にみて、よりテロ的だったのは伊藤のほうであり、
ひいては、明治維新以降の力づくで朝鮮半島を強奪せんとする
大日本帝国の侵略主義政策の一環として韓国は併合されたのである。


このような基本的知識すら認めようとしない国家が
他国を尊重し、不戦の誓いを立てているわけがなかろう。


そもそも、靖国神社は遊就館というアジア侵略戦争を美化する施設が
併設されており、これはヒトラーが正しかったという説明がされている
ヒトラーを神として崇めている施設へ向かい、そこで礼拝しながら
「ユダヤ人さん、すんまっせーん♪」と言っているようなものである。



もっと簡単に言えば、リトルボーイ(広島に落ちた原爆)を
「アメリカ人を日本から守った科学の結晶」とうたった博物館で
「私たちは二度と核を使わない!」と言っているようなものである。
 (それも原爆をわが国に貢献した素晴らしい兵器と絶賛しながら)



「不戦の誓い」というからには、一応、建前としては
 大日本帝国が侵略戦争を行ったことを認めてはいるのである。


 白い烏帽子を黒だと言い張り、それへの「理解」を求めるよりも先に、
 自分の矛盾した行いをただすほうが先であろう。

都知事選結果について

2014-02-09 23:22:03 | 日本政治
メディアのバックアップもあって、案の定、舛添氏が当選した。

筆者は以前、当ブログで猪瀬統治時代の悪政っぷりを指摘した上で、
以上の都政は都議会与党である自民党の主導のもと行ったもので、
舛添氏に変わったところで、都議会与党が自民党である限り、
看板をすげ替えるだけにすぎず、路線は変わらないと書いた。


今後も都政は猪瀬時代、さらに言えば石原時代から
受け継がれた失敗するとわかっているプロジェクトへの投資、
一部建設会社しか得をしない公共事業の拡大、福祉の縮小、
君が代の強制およびそれに連なる大日本帝国の賛美の強制、
高校生への自衛隊入隊体験に象徴される戦争へむけての都民洗脳工作が
大々的に行われるだろう。まぁ都民が自ら選んだことだから知ったことではない。


朝日新聞の調べによれば、舛添氏の支持者は高齢者に多かったようだ。

投票者自体、異例の大雪で3割にも満たなかった、
あるいはメディアの舛添キャンペーンが強烈だったこともあるのだろうが、

高齢者医療制度(ざっくり言えば高齢者の医療負担増)を行った
舛添氏に投票するお年寄りっていったい・・・




選挙というのは選ぶ側が自発的に情報を調べ
問題解決の道を模索することでどうにか維持される
ものであり、
ただ何となくテレビや新聞の報道を眺めて投票所に向かい、
知名度の高い人間の名を書くだけでは機能しているとは言い難い



厳しいことを書いてしまったが、細川氏と宇都宮市の投票数を足すと
舛添氏とほぼ同数になる。メディアが意図的に同氏の負の面を隠した
ことを踏まえれば、反対層はそれなりにいるものだと思う。

今後は反保守・反右派・反舛添の人間が一致団結して
自民党の暴政に歯止めをかけていかなければならない。

都議会における野党最大党である共産党は
その責任がいよいよ増すことになるだろう。一層の努力を望むばかりである。

沖縄県名護市長選挙の結果について

2014-01-20 23:54:43 | 日本政治
共産党や社民党が推薦した稲嶺現市長が再選されることになった。

名護市は普天間基地の移設先である辺野古があるだけに
基地移設にNOの意思を示す今回の選挙結果は重い。


筆者は正直、自民党が推薦した末松氏が勝つと思っていた。
なぜか?その理由を書く前に次の記事を読んで頂こう。


---------------------------------------------------------------
夢を形にするために、500億円の名護振興基金をつくる


16日、「3日攻防」に突入した沖縄・名護市長選(19日投票)で
辺野古の新基地を推進する末松文信候補の支援に入った
自民党の石破茂幹事長は、宣伝カーの上で高らかに宣言しました。


ただ、石破氏は、この基金は「名護市民のご負担」(石破氏)
=辺野古の新基地受け入れと引き換えであることを明言しています。


「名護市民を世界一幸せにする」といいますが、
200年も続く基地負担を押し付けられて、どうして幸せになれるのでしょうか。


この基金は総額1000億円の「北部振興事業費」など、
県民を屈服させるための“アメとムチ”政策の焼き直しです。

多くの市民・県民が「誇りと尊厳を傷つけられた」と
憤っている「札束でほおをたたくやり方」そのものです。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2014-01-17/2014011704_01_1.html
------------------------------------------------------------------


------------------------------------------------------------------
米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)の
名護市辺野古への「移設」容認に転じて、
公約を投げ捨てた沖縄県選出・出身の自民党4衆院議員が、
辺野古「移設」関連工事の受注業者から2012年に
計610万円の献金を受けていた
ことが30日、分かりました。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-12-01/2013120101_03_1.html
------------------------------------------------------------------


このように普天間移設には、金と欲望が渦巻いており、
これまでも金の力で無理を通し道理をひっこませてきたのだった。

だから今回も理屈の上では稲嶺氏が正しかろうと
裏側で用意周到に工作を仕組んでいる自民党勢力に
正論だけで勝てるのだろうか
と怪しんでいたのだ。
それだけに今回の勝利はとてもうれしい。




辺野古移設というのは簡単に言ってしまえば
胃にあるガンを肺にそっくり移してしまおうというものだ。
まったくの解決になっていないのである。



この前の記事に書いたが、筆者は日本が最も侵害されている
領土は竹島でも尖閣でもなく沖縄本島である
と主張してきた。


住民の畑や墓地を問答無用でブルドーザーでつぶして出来た場所なのだから
これほど沖縄県民(そして日本人)をコケにした行為もないと思う。

ところが、そういうアメリカに追従し日米同盟のためと言いながら
「中国や北朝鮮が攻めてくるぞ」と脅しをかけながら永久に基地を
定着しようとしているのが残念ながら今の与党である。


------------------------------------------------------------------
自民党の石破茂幹事長の「基地の場所は政府が決める」
との発言に沖縄県内で怒りが広がっています。

地元紙の沖縄タイムス(14日付)は
「『民意軽視』『許せぬ』石破発言に猛反発」との見出しを掲げた記事を掲載しました。


報道によると石破氏は12日、鳥取県米子市で記者団に、
辺野古への新基地建設が大争点となっている沖縄・名護市長選挙について問われ、
「基地の場所は政府が決めるものだ」と述べ、県民・市民の声を無視して、
新基地建設を強権的に進めることを当然視しました。

また、仲井真弘多(ひろかず)知事が辺野古埋め立てを
承認したことについて「承認は県知事の専権事項だ」と強調しました。


これに対し、14日付の沖縄タイムスは、「これほど県民、
名護市民を無視し、愚弄する発言はない」「民意を軽視した発言は
許されない。地域主権も民主主義も否定している」という声を紹介しています。

石破氏はこれまでも、普天間基地の「県外移設」を公約に掲げて
当選した同党の沖縄選出国会議員を党本部に呼び付け、
辺野古への新基地建設容認を迫り、公約を投げ捨てさせた前歴があります。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2014-01-15/2014011502_02_1.html
------------------------------------------------------------------

500億の金で懐柔しようとしたり、地元のゼネコンと癒着したり、
基地問題は政府が決定するといきまいたりと
自民党の横暴は枚挙にいとまがない。

しかもこれは最近の話ではなく、
大日本帝国の頃から誇り高き日本人は沖縄を弾よけの盾にしてきた。


冷静に考えれば、彼らこそ反日政党として攻撃を加えるべきなのだ。



では、そのような報道がされているかどうかとチェックしてみると
むしろ残念がっている報道のほうが多かった。

たとえば20日午後11時の日本テレビのニュース番組「Zero」では、
「移転計画は順調に進んでいた」「稲嶺氏の行動次第では、移設問題が
振り出しに戻ってしまうかもしれない」「宜野湾市の市民の中には
稲嶺氏の当選に懸念を示す声が」とまるで末松氏に決まらなくて
大問題だとでも言わんばかりの内容で埋め尽くされていた。


確かに宜野湾市民の中には移転するならどこでもいいと思う人が
いるかもしれないが、先ほども言ったように胃にガンがあるから
肺に移そうというバカバカしい理論が通るはずがない。

なお、同番組は500億円の献金という露骨な工作について
全く言及しなかった。言及したのは「稲嶺のせいで移転が
また長引くぞ」といういつもの脅し文句だけだ。


誇りだの伝統だの美しいだの意味のない形容詞で飾り立てたところで、
結局のところ、日本人>沖縄県民で現地の人間の言葉など知ったことではない。

自民党だけでなく日本テレビやNHKも「日本」という言葉を
日常的にやたらと強調して歌番組や歴史番組を制作しているわけだが、
どうも彼らは名護市民を日本人だと思っていないらしい。

自分たちの都合で基準がコロコロ変わる「日本」という言葉。
どうして信じられようか?

メディアは鳩山元首相を辞めさせた時は
県内移設や政治家の献金に猛反対していたのだから
今回もまた、石破氏をはじめとする自民党党員の
理不尽かつ卑劣で姑息な工作にケチをつけてほしい。

最低限度のプライドがあるのなら・・・

輸送艦「おおすみ」の事故について

2014-01-16 00:40:04 | 日本政治
時間がないので取り急ぎ短文で。

「中国や北朝鮮は危ない!危ないんだ!」と
 メディアや知識人も協力してガーガーわめきたてていた折に
 他ならぬ日本の軍隊が人を殺しかけている不思議。



ニュースをみて清徳丸を思い出した。
この船も日本の軍艦「あたご」に激突されて海に沈んだのだ。

乗組員の漁師親子は共に死亡。
見張りの任務をサボっていた自衛官の責任が問われた・・・


はずだったのだが、死人に口なしとばかりに
あれよあれよと被告に有利に裁判が進んでいき
結果的に無罪となった。


こんなケースは一般の事故では見られない。
それだけ軍人に特権が与えられているということでもある。

冷静に考えれば手塩にかけて育てた人材を切り捨てるなど
経費を考えれば実にもったいないことだ。無理もない。


……この判決を受けて少なからぬ日本人が無罪を喜んだ。
だが、親子の遺体はまだ見つかっていない。

今の異常な中国・北朝鮮バッシングもそうだが、
現在の保守的行動は国民自らが率先して行っている気がする。

これの何がいけないかというと、
問題が眼前に明確に示されているにも関わらず、
「これはまやかしだ!幻想だー!」と無視して
考えることを放棄してしまう点にある。

これは簡単にいえば、
目の前に崖があるのに
目をつむって
全力疾走するようなものだ。



あたごの教訓を生かせば今回のような事故も起きなかっただろうに。
本当に残念だ。あたごの時は乗組員が全員死亡したことで結果的に
自衛官の言い分がすべて通ったわけだが(乗組員親子の不注意にされた)
今回は少なくとも2名生存者がいる。今度ばかりは言い逃れできまい。


あたごの折りに自衛官を擁護していた知識人やメディア、
軍事マニアたちは今回もまた悪いのは市民なのだと
まくしたてるがいいだろう。そうやって問題の本質が
そらされ続けた結果、より大きな事故が起きた時、
彼らがどんな顔をするのか。想像に難くない。

領土問題の真実~最優先すべきは尖閣か、竹島か・・・それとも?

2013-12-27 21:58:47 | 日本政治
ややセンセーショナルな表題をつけたが、
昨今、何かと話題になる領土問題について見解を述べておきたい。



----------------------------------------------------------------
沖縄県の仲井真弘多知事は26日、那覇市内の知事公舎で
県幹部と会議を開き、名護市辺野古の米軍新基地建設のための
埋め立て申請を承認するとの意向を示しました。

知事は27日午後の記者会見でこうした考えを表明します。

承認の意向との報を受け日本共産党など
県議会野党4会派の代表は、知事公舎に出向き知事との面談を求めました。


県議らは「県民に何の説明もなく承認を表明するのは許されない。
知事は議会で説明する責任がある」「基地問題に絡む安倍首相の
説明はゼロ回答だ。それを『感謝する』などと言う知事の発言は
青天の霹靂(へきれき)であり言語道断
」と相次いで訴えました。


応対した又吉進知事公室長は
「知事は療養中で会えない。埋め立て申請に対する
許認可権は知事にある。表明後に議会に説明する」などと面会を拒否
県議らは「議会無視だ」と怒りをあらわにしました。


不承認を求めて連日県庁前に座り込む市民からも怒りの声がわき起こりました。

「知事の承認意向は県民へのだまし討ちだ」と怒るのは
沖縄市の男性(73)。「『県外移設』公約を覆すのは許せない
と語気を強めました。


神奈川県から座り込みに参加している女性(66)は
「オスプレイの飛行ルートは日本全国にまたがっている。
新基地建設は絶対に認められない」と怒りを込めました。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-12-27/2013122701_03_1.html
---------------------------------------------------------

あれだけ県民も県議も反対したにも関わらず、
「驚くべき立派な内容をご提示いただいた」と絶賛し、
新基地建設を容認してしまった仲井真知事。



赤旗では高齢者の意見が寄せられているが、
彼らは72年までの占領統治時代を生きた人たちで、
アメリカの占領を肌で感じた世代だ。そう、1951年の
サンフランシスコ条約以来、沖縄はアメリカの植民地だった。

現在でも129万の人間が暮らす沖縄本島では、
その約18%が基地になっている。


この基地が立っていた場所は
元々は誰の土地だっただろうか?



那覇市長にもなったことのある瀬長亀次郎氏の著作
『民族の悲劇 沖縄県民の抵抗』が復刊されたが、
同書によれば、基地が立っていた場所は元は畑や墓地であり、
住民の反対にもかかわらず、時には強引に、時には約束を破り
次々とアメリカ人の土地にしていったらしい。

県民の眼前で有無を言わさず情け容赦なく
白骨をブルドーザーで踏み砕いたその先に沖縄の基地はある。


つまり、私たちにとって最も身近な領土侵犯は
沖縄県内の基地なのである。そこはまさに沖縄県民の
土地であり、半世紀以上に渡って侵害されつづけている。


尖閣や竹島のような日本人が一人もいない島より
129万の住民が住む沖縄本島こそ奪還すべきではないだろうか?

アメリカのアジア政治学の権威、
チャルマーズ・ジョンソンは沖縄を
「アジア最後の植民地」と表現する。

いい加減、大衆もこの事実に気づくべきだ。



我が国の良心的な人間も誇りある日本人とやらも
他国の人間が住んでいる北方領土や竹島には
やたらと顔を真っ赤にして「返せぇええええ!!!」と叫ぶ割には
今まで沖縄本島を領土問題の枠内で扱った御仁にはお目にかかったことがない。

そればかりか、「気持ちはわかるが・・・」とか
「やはり日米同盟は大事」とかもったいつけた言葉をつけて
現在進行中の領土侵犯を両手を挙げて喜んでいるではないか。


中国は許せんがアメリカなら許せるのだろうか?
それはおかしいことである。


あまり言いたくはない……というか、ブログだから書けるのだが、
日本人の多くは沖縄の基地問題をどこか他人事で見てはいないか?

理屈でいえば、琉球処分で占領されたといえ、沖縄人は日本人だ。
とすれば、沖縄人の問題は日本人の問題である。

だが、基地問題となると新聞にせよテレビにせよ、
私たち日本人の気持ちが問われているのに関わらず
「沖縄県民の気持ちに立て」と騒ぐ。

そのくせ、尖閣や北方領土になると
途端に「日本人の問題」にされてしまう。

そして、釣魚諸島、独島、クリル諸島は
日本人の誇りを確かめる場として、いや正確に言おう、
日本に対しての忠誠心を試すリトマス紙として利用される。

そこでは反対の姿勢を取ることは
とてつもない巨悪としてみなされるのだ。



私が日本の領土問題で小うるさく騒いでいる連中を
どうも好きになれないのは「日本の領土」は返せと
言うくせに「沖縄の土地」は差し出せと叫ぶからだ。


要するに、こいつらにとって大事なのは日本のメンツであり、
決して私たち住民のために叫んでいるのではないのである。


日本のメンツを保つため、危険なヘリが飛び、少女が暴行され、
先祖伝来の土地を奪われるのを「黙ってろ」と言う。


そういう人より国を尊ぶ連中が味方になってくれるのか?
よく考えてほしい問題である。


猪瀬氏の政治とカネ

2013-12-14 00:22:53 | 日本政治
かつて鳩山元首相が母親から多額の献金を受けたにも関わらず、
帳簿に記載しなかったことを受け、メディアは「政治とカネ」と
称して猛烈に攻撃をしかけた。翻って猪瀬氏のそれについては
「政治とカネ」というセンセーショナルな表現は避けている。

すでに共産党や民主党が同氏の弁明が嘘八百であることを
入手した資料をもとに暴露している。本来ならこういうことは
新聞を主としたマスコミがすっぱぬくべきである。

その気になればいくらでも入手できる資料をなぜ手に入れず、
「政治とカネ」というあからさまな悪意がこもった表現を
用いないのか?


こういう一見、権力者を攻撃しているようで
実は遠まわしに擁護しているあたりが実にメディアらしい。


猪瀬氏については実は不正が発覚する前に筆者は批判していた
ので、とやかく言う気はない。


がしかし「老後の生活が不安で借りた」というが、
5000万もの大金を利子も担保もなく、
おまけに返済期限なしで「貸す」だろうか?


どう考えても「もらった」んじゃないだろうか?


私は事件が発覚したさい、「ああ、やっぱりな」と思った。
それぐらいは日常的にやっているだろう人間だからだ。
むしろ、今頃気がついた連中に驚かされた。

バンキシャはせっかく猪瀬氏とコネクションがあるのだから
次の番組に出演させてみたらどうだろう?
さぞかし視聴者が上がるに違いあるまい。

温暖化願望大国日本

2013-11-17 22:25:32 | 日本政治
今となっては昔だが、初期の民主党政権の時に
90年比25%減の温暖化対策を行うとして騒がれたことがある。

温暖化はここ一世紀の気温変化が二酸化炭素の排出を
抜きにして考えると上手く説明できないという決定的すぎる
事実をもって、国際的には当たり前の常識だ。

こういう世界の動きに逆行するという鎖国的政策を
また安倍政権が行った。90年比3.1%増加という
二酸化炭素を減らすどころか増やすことを決定したのだ。

------------------------------------------------------
安倍晋三政権が、日本の温室効果ガスの2020年までの
排出目標を05年比で「3・8%減」とすることを決定しました。

国際的に基準となる1990年比では「3・1%増」となり、
実質的に“増加目標”にほかなりません。


地球温暖化の影響が表面化するなか排出削減は緊急性を増しています。
政府決定は世界の流れに逆行し、持続可能な経済社会、
ひいては人類の生存に挑戦するものとなっています。

開催中の国連会議で、日本は早速厳しい批判にさらされています。
政府の後退姿勢を転換することが不可欠です。


政府は、省エネの進展など「最大限の努力によって
実現をめざす野心的な目標」「相当程度良い数字」だと、
今回の決定を自画自賛しています。これは幾重にも欺まん的な主張です。


歴代自民党政権は、再生可能エネルギーの普及や
低エネルギー社会への取り組みに本腰を入れることなく、
対策をもっぱら原発に依存させ、財界には利潤第一の
立場からの「自主的」な取り組みに任せてきました。
その姿勢が日本の立ち遅れを招いています。


今回の目標は、原発が稼働していない状況を仮定した
暫定的なものとされています。目標を引き上げるには
原発再稼働が必要だと、国民に迫る仕掛けになっています


東京電力福島第1原発の重大事故を前にして、
多くの国民は「原発ゼロ」に進むべきだと考えています。
政府決定はこの切実な願いを“人質”にとったものです。


安倍政権は、「原発ゼロ」に進むどころか、
原発再稼働を進めるとともに、外国にも原発の売り込みをかけています。

日本社会が原発と共存できないことが明らかになった以上、
政府はその無責任な姿勢を転換し、原発ゼロの政治決断を行うべきです。

政府決定は大企業応援の経済政策を前提に
経済成長も“人質”にしています。「経済成長との両立が不可欠」
とする経団連の自主行動計画に任せられないことは、
目標というに値しない今回の決定からもまったく明らかです。
再生可能エネルギーの導入を大幅に進めることで、
新たな雇用を生むなど経済にも効果をあげてきた
欧州の経験に学ぶ必要があります。

(http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-11-17/2013111701_05_1.html)
-------------------------------------------------------------------

石破茂が「安全性を確保してから原発を売り込む」と
話していたが、菅政権時代のあの燃えるような抗議
を雪崩のように繰り返していた報道はどこへ行ったのだろう?

自民党なら何をやっても許されるということか・・・


二酸化炭素を減らすと宣言して批判される一方で、
増やすと言われても「そうですか」で済まされる日本。

どうやらよっぽど気温を上げたいようだ。
とはいえ、いざ温暖化が進み、弊害が生じれば、
どうせいつもの中国批判で責任を他国になすりつけるのだろうが。

日本では、山形裕生など温暖化を否定することで
自分が知識人に仲間入りしたかのようなカルトマニアがいる。

オカルトなら馬鹿ばかしいと瞬時に看破できるが、
環境問題となるとなかなか難しく、日本の知識人や
改革派を気取る連中のなかには結構否定派が多い。

案外、今回の二酸化炭素増加政策には彼らも
「よくやったぞ!イェアー!!」と快哉を叫んでいるのでは?


------------------------------------------------------
日本が15日に発表した温暖化ガスの新しい目標について、
現在ポーランドのワルシャワで開かれている国連気候変動
枠組み条約第19回締約国会議(COP19)の参加国や
NGOから「失望した」「野心的な目標を再提出すべき」
などと批判が起きています。

COP19の会場では、気候変動問題に取り組む
世界90カ国・700以上のNGOのネットワーク
「CAN」が、日本に対し、交渉を後退させた国に
授与する「化石賞」の特別賞を贈りました。


(http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-11-17/2013111701_04_1.html)
-----------------------------------------------------

世界中のNGOから小馬鹿にされる美しい国、日本。
頼むからこれ以上恥の上塗りをしないでくれと願うばかりだ。