時事解説「ディストピア」

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沖縄県名護市長選挙の結果について

2014-01-20 23:54:43 | 日本政治
共産党や社民党が推薦した稲嶺現市長が再選されることになった。

名護市は普天間基地の移設先である辺野古があるだけに
基地移設にNOの意思を示す今回の選挙結果は重い。


筆者は正直、自民党が推薦した末松氏が勝つと思っていた。
なぜか?その理由を書く前に次の記事を読んで頂こう。


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夢を形にするために、500億円の名護振興基金をつくる


16日、「3日攻防」に突入した沖縄・名護市長選(19日投票)で
辺野古の新基地を推進する末松文信候補の支援に入った
自民党の石破茂幹事長は、宣伝カーの上で高らかに宣言しました。


ただ、石破氏は、この基金は「名護市民のご負担」(石破氏)
=辺野古の新基地受け入れと引き換えであることを明言しています。


「名護市民を世界一幸せにする」といいますが、
200年も続く基地負担を押し付けられて、どうして幸せになれるのでしょうか。


この基金は総額1000億円の「北部振興事業費」など、
県民を屈服させるための“アメとムチ”政策の焼き直しです。

多くの市民・県民が「誇りと尊厳を傷つけられた」と
憤っている「札束でほおをたたくやり方」そのものです。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2014-01-17/2014011704_01_1.html
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米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)の
名護市辺野古への「移設」容認に転じて、
公約を投げ捨てた沖縄県選出・出身の自民党4衆院議員が、
辺野古「移設」関連工事の受注業者から2012年に
計610万円の献金を受けていた
ことが30日、分かりました。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-12-01/2013120101_03_1.html
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このように普天間移設には、金と欲望が渦巻いており、
これまでも金の力で無理を通し道理をひっこませてきたのだった。

だから今回も理屈の上では稲嶺氏が正しかろうと
裏側で用意周到に工作を仕組んでいる自民党勢力に
正論だけで勝てるのだろうか
と怪しんでいたのだ。
それだけに今回の勝利はとてもうれしい。




辺野古移設というのは簡単に言ってしまえば
胃にあるガンを肺にそっくり移してしまおうというものだ。
まったくの解決になっていないのである。



この前の記事に書いたが、筆者は日本が最も侵害されている
領土は竹島でも尖閣でもなく沖縄本島である
と主張してきた。


住民の畑や墓地を問答無用でブルドーザーでつぶして出来た場所なのだから
これほど沖縄県民(そして日本人)をコケにした行為もないと思う。

ところが、そういうアメリカに追従し日米同盟のためと言いながら
「中国や北朝鮮が攻めてくるぞ」と脅しをかけながら永久に基地を
定着しようとしているのが残念ながら今の与党である。


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自民党の石破茂幹事長の「基地の場所は政府が決める」
との発言に沖縄県内で怒りが広がっています。

地元紙の沖縄タイムス(14日付)は
「『民意軽視』『許せぬ』石破発言に猛反発」との見出しを掲げた記事を掲載しました。


報道によると石破氏は12日、鳥取県米子市で記者団に、
辺野古への新基地建設が大争点となっている沖縄・名護市長選挙について問われ、
「基地の場所は政府が決めるものだ」と述べ、県民・市民の声を無視して、
新基地建設を強権的に進めることを当然視しました。

また、仲井真弘多(ひろかず)知事が辺野古埋め立てを
承認したことについて「承認は県知事の専権事項だ」と強調しました。


これに対し、14日付の沖縄タイムスは、「これほど県民、
名護市民を無視し、愚弄する発言はない」「民意を軽視した発言は
許されない。地域主権も民主主義も否定している」という声を紹介しています。

石破氏はこれまでも、普天間基地の「県外移設」を公約に掲げて
当選した同党の沖縄選出国会議員を党本部に呼び付け、
辺野古への新基地建設容認を迫り、公約を投げ捨てさせた前歴があります。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2014-01-15/2014011502_02_1.html
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500億の金で懐柔しようとしたり、地元のゼネコンと癒着したり、
基地問題は政府が決定するといきまいたりと
自民党の横暴は枚挙にいとまがない。

しかもこれは最近の話ではなく、
大日本帝国の頃から誇り高き日本人は沖縄を弾よけの盾にしてきた。


冷静に考えれば、彼らこそ反日政党として攻撃を加えるべきなのだ。



では、そのような報道がされているかどうかとチェックしてみると
むしろ残念がっている報道のほうが多かった。

たとえば20日午後11時の日本テレビのニュース番組「Zero」では、
「移転計画は順調に進んでいた」「稲嶺氏の行動次第では、移設問題が
振り出しに戻ってしまうかもしれない」「宜野湾市の市民の中には
稲嶺氏の当選に懸念を示す声が」とまるで末松氏に決まらなくて
大問題だとでも言わんばかりの内容で埋め尽くされていた。


確かに宜野湾市民の中には移転するならどこでもいいと思う人が
いるかもしれないが、先ほども言ったように胃にガンがあるから
肺に移そうというバカバカしい理論が通るはずがない。

なお、同番組は500億円の献金という露骨な工作について
全く言及しなかった。言及したのは「稲嶺のせいで移転が
また長引くぞ」といういつもの脅し文句だけだ。


誇りだの伝統だの美しいだの意味のない形容詞で飾り立てたところで、
結局のところ、日本人>沖縄県民で現地の人間の言葉など知ったことではない。

自民党だけでなく日本テレビやNHKも「日本」という言葉を
日常的にやたらと強調して歌番組や歴史番組を制作しているわけだが、
どうも彼らは名護市民を日本人だと思っていないらしい。

自分たちの都合で基準がコロコロ変わる「日本」という言葉。
どうして信じられようか?

メディアは鳩山元首相を辞めさせた時は
県内移設や政治家の献金に猛反対していたのだから
今回もまた、石破氏をはじめとする自民党党員の
理不尽かつ卑劣で姑息な工作にケチをつけてほしい。

最低限度のプライドがあるのなら・・・

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