ならなしとり

外来生物問題を主に扱います。ときどきその他のことも。このブログでは基本的に名無しさんは相手にしませんのであしからず。

ヨーグルトで学ぶ情報リテラシー

2012-02-18 01:08:45 | 議論
 最近、このようなまとめを読みました。

乳酸菌風呂

もう端からおかしいですよね。ちょっと画像も探してみましたが・・・・・・うわぁ、探さなきゃよかったorz
初めに断わっておきますと、梨は発酵については実家でカスピ海ヨーグルトを作るくらいの知識しかないですし、詳しいメカニズムも大してわかっていません。微生物系の勉強なんて大学で2単位分しか取っていません。それでもあの話がおかしいことは自分の経験からわかります。まず、ヨーグルトの作り方を見てみましょう。

ヨーグルトのタネを用意する。
清潔な密閉容器(←重要)にタネを入れる。
牛乳を500mlほど注ぎ込む。
保温(このとき魔法瓶やお湯を張った浴槽を使うこともあります。実家だと風呂に密閉容器ごと入れていました。無論、しっかりふたはしてます)
1日ほど置くと発酵してヨーグルトの出来上がり。

詳しい作り方は専門のサイトでも見てもらうとして、ここで重要なのは清潔な容器や器具(スプーンなど)を使うことです。ヨーグルトの作りの失敗の一つに雑菌の混入・繁殖があるからですし、そんなヨーグルトを食べたらお腹を壊しかねません。熱湯消毒などで容器や器具を清潔に保つのは基本中のキホンでしょう。
さて、ここで乳酸菌風呂というものを考えてみましょう。お風呂というのはカビが生えて掃除に手間取るくらい雑菌のあるところです。各家庭で差はあるでしょうが、熱湯消毒した密閉容器>>>>越えられない壁>>>>お風呂くらいの差はあるでしょう。日本で乳酸菌の代名詞とすら言えるヨーグルトでも乳酸菌の働きやすい環境を整えるために雑菌の混入に注意するのに、そんな注意も払わない雑菌だらけのお風呂で都合よく乳酸菌が増えるわけないでしょう?そもそもそんなに雑菌だらけの場所で乳酸菌が手間をかけずに増えるのならヨーグルトづくりに雑菌の存在なんて考慮されませんよ。
目新しく魅力的に聞こえる話は誰もが目にする機会があると思います。ただ、それを信用するしないにしろ、その前に考えてみたいのが「その話が本当だとすると現実にどんなことが起こるのか?それほど素晴らしいならなぜ今まで広まっていないのか?」ということです。逆に言えば、「その話が本当ならばこういうことが起きるはずだが実際は起きていない。ということは眉唾物なんじゃないの?」ということです。貴方の時間もお金も限りあるものなのですから、頭の中でちょっとシュミレーションしてから大事な時間やお金を投資した方が有意義だと思いますよ。

参考資料
プレーンヨーグルトの作り方

カスピ海ヨーグルトの作り方


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