ならなしとり

外来生物問題を主に扱います。ときどきその他のことも。このブログでは基本的に名無しさんは相手にしませんのであしからず。

外来生物と生命倫理は藪蛇では?

2008-08-29 13:46:20 | 外来生物
 今回はいつもとは違った文章を書いてみようと思います。登場するのは、ブルーギルくんとワニガメくんです。

ギル 外来生物の駆除となると反論として出てくるのが生命倫理。たとえば熊森のとこでは在来生物と外来生物の命は等価だと言っている。http://homepage2.nifty.com/kumamori/gairai-tirasi.htm>また、在来、外来、生物の命の尊さに差などあろうはずがありません。

カメ だから駆除するなというのははたして正しいのか。まず、外来生物の中でも問題にならないやつ、つまり生態系への影響の少ないものについてはそもそも駆除しようなんてことにはならない。せいぜいこれ以上の拡散を防ぐよう呼びかけるくらい。ということでこういったものを駆除するなというのは無意味。

ギル じゃあ本題の影響力の強いやつについてはどうか。

カメ アライグマを例にしてみよう。アライグマのような捕食者が生きるためにはたくさんのネズミやカエルといったエサが必要。ということはアライグマは多くの命を消費して生きている。つまり、アライグマ一頭を生かせというのはその他何百何千の命を殺してもいいと結果的に言っている。

ギル じゃあ平等になんかならないじゃん。どう考えても命の価値がアライグマ>その他の生物になっちゃう。

カメ まあこれがアライグマ以外の生き物に興味ないという人の話ならまだわかる。しかし、環境保全や生物多様性といったものを肯定しているひとが持ちだすのは論理矛盾を引き起こす。なぜなら、アライグマのような在来種に対して影響力の強い外来生物は在来種の生活基盤を弱めるので生物多様性の危機になるから。どうしてもこういった種の存在を容認したいなら科学的にリスクを比較して影響度が低いことを証明する必要がある。

ギル これは植物にもあてはまるね。植物も他の種と資源を奪い合って一方を衰退させることがあるから。

カメ 結論としては「生物多様性とその保全を肯定している人がリスクの比較もなしに外来生物の駆除反対というのはおかしい」ということになるかな。

追記 熊森は行政に環境保全のスペシャリストを入れろと要求しているようですがこのような二枚舌を展開している団体をはたして行政も含めた外部が信用すると思っているのかな?

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