ならなしとり

外来生物問題を主に扱います。ときどきその他のことも。このブログでは基本的に名無しさんは相手にしませんのであしからず。

ここが変じゃない?武田さん3 そもそも認識が・・・

2009-12-03 23:59:14 | 武田邦彦
 今回は武田氏の外来生物問題に対する認識について突っ込みます。

>最近、マスコミや環境運動家が「生物多様性」と「外来種排斥」の2つの矛盾したことを口にしている。生物が多様化し豊かな自然ができるのは、外来種が入ってくるからであり、それを飲み込んで日本の自然ができる。

とりあえず調べるという癖をつけたほうがよろしいかと。日本の地域個体群の絶滅ではどうやら生物多様性が減ったと見なさないようですが、海外に目を向ければナイルパーチやミナミオオガシラなど外来生物が絶滅に関わった例はたくさんありますよ。

>たとえば、外来種として有名なブラックバスは1920年代に食糧確保を目的として輸入され、当時は日本の淡水魚に勝てなかった。
でも、次第に日本の自然が汚れてきたので、ブラックバスが繁殖するようになったのだ。

はぁ~やれやれ。ブラックバスは1970年から92年までの22年間に45都道府県に分布を拡大しました。普通淡水魚のような移動能力の低い生物が短期間でここまで分布を拡大することはあり得ないんですよ。というか自然が汚れたのとブラックバスが繁殖することの因果関係が述べられていませんよね。


>「外来種排斥」というのはお金になるという。ある外来種に目をつけてマスコミが追放キャンペーンをする。それを受けて運動家が環境省などに「外来種追放運動補助金」を申請し、ある場所で繁殖している外来種の50%位を毎年、殺す。

そういうことが実際にあるのなら具体例をあげて批判する方が説得力が高まりますよね。こっちとしても成果がないのに金だけ投入されるようなら批判されてもしょうがないし、問題点を指摘すべきとも思います。で、なんでそうしないの?
この人の言っていることは全体的に池田清彦の受け売りですねえ。それを精査して自分の知識としていないからこういう穴だらけな文章になるのでしょう。