ペドロランド日記

スペインの国際村「ペドロランド」を中心にフランスとイギリスに発信地を移しながら、日々の出来事を綴っています。

フランスで美容院に行く

2007-07-13 12:07:53 | フランスの生活
今日は朝から快晴。雲ひとつない青空は本当に久しぶりのことだ。ついに夏の到来か?

フランスに到着して2ヶ月と10日になる。しかもロンドンの美容院でカットをしたのはいつだか思い出せないほど前なので、耐え難いほど髪が伸びてきた。で、意を決して、近くの美容院に出かける。フランスで感心するのは、どんな小さな村でも美容院だけはあるということである。現地のフランス人のセンスに感心させられることはほとんどないが、こういうところはやっぱりおしゃれなのだろう。

なにしろフランス語には自信がまったくないので、なるべく簡素に散髪だけ済ませようと思ったのだが、シャンプーは?ブローは?と聞かれるうちに、せっかく美容院に行くのだから、やってもらっちゃおうと言う気についなってしまって、「ウイ」と答えていた。これが後悔のもと。

まずシャンプー台に座ると、助手の女の子がクロスを持ってきた。腕を通そうとすると、反対だと言う。なんとここでは、クロスは前で紐を結び、前開きで身に付けるのである。イギリスでもスペインでも日本でもこの方式は初めてであった。結果としては、イギリスの美容院ほど首筋に毛は入って来なかったものの、クロスの開いた部分に当たるTシャツの前にたくさん毛がついた。でも、払うと簡単に落ちたので、問題なし。

次にシャンプーも驚き。椅子が後ろに倒れないのである。つまり、ほぼまっすぐに背筋を正した座ったままシャンプーをしてもらうことになる。近年、美容院でのシャンプーで鞭打ち症に近い症状を訴える人が多いということがイギリスのニュースで取り上げられている。なんでも、吐き気などのからだの不調を訴える人を調べてみたら、それが美容院に行った直後に起こるということがわかった。美容院で首を後ろに低く垂れるため、頚部脊髄の神経が圧迫されるとかそんな理由だったような気がする。もしこれを反映して、このようなシャンプー台設計になっているのだったら、フランスの美容界も進んでいるものだ。

「どうしますか?」これが美容院で一番困る質問。いつもこれと言ったイメージがないまま、とにかくさっぱりしたい一心で美容院に行くので答えようがない。スペインだとなじみのイギリス人の美容師さんが、お任せでいつも適当に切ってくれる。彼女も自分の創造力を生かせるのでそれが楽しいようだし、わたしも出来上がりがわからないので楽しみだ。そして、出来上がりはいつも満足。イギリスではロンドンまで行って、日系の美容院で切ってもらうのだが、美容師さんによっては日本の雑誌を持ってきて、どんなスタイルがいいのか、納得がいくまで相談に乗ってくれる。ここでは、このどちらの方法も通用しない。そこで、「2センチ切ってください」とシンプルに済ませた。つまり、スタイルはそのままでとにかく短くというのがわたしの気持ち。

結果は、希望したよりずっと長くなってしまった。切ったものは戻らないというので美容師さんが慎重だったのか、フランスではトップが長いのが流行なのか、長めに切っておくと次回早く客がカットに来るという戦略なのか、いずれなのかわからない。1度「もうちょっと短く」と言った後切ってもらって、その後さらにもう1度「もっと短く」とは言いにくいものである。しかも、これをトップと後ろと1度ずつ繰り返したものだから、後はすっかり気が引けてしまった。気の弱い人は、外国の美容院に行くものではない。

で、最後にお勘定。またまた驚かされた。田舎の美容院だから、チップ込みで25ユーロもあればいいだろうと思っていたのが甘かった。なんと、合計で35ユーロ(5900円)。これではロンドンの美容院とあまり変わらない。しかも、ロンドンの日本の美容院では、カット後のお流しとマッサージが付いてくるぞ。

内訳を説明してくれたところによると、カット自体は13ユーロ程度だったようだが、シャンプーとコンディショナーで10ユーロちょっと。助手の女の子が「コンディショナーしますか?」と聞いたときに、「ウイ」と答えたのだが、それはイギリスではコンディショナーはしてもしなくても、シャンプー代に含まれているからだ。追加料金なら今度は断るぞ。ブローも12ユーロちょっと。でも、せっかく美容院に行って、ブローなしで帰ってくるというのも味気ない。歩いて帰る道々、イギリスのテレビ番組「キャサリン・テイト・ショー」のおばあさんのように悪態をつきたい気分だった。

今日の教訓:なんでも「ウィ」と答えていると、後には高いツケが回ってくる。

まあ、思い返してみると、電車賃がかからなかっただけロンドンの美容院よりは安いかな。なにごとも経験である。高くついたがこれも勉強代と思わなくては。