ペドロランド日記

スペインの国際村「ペドロランド」を中心にフランスとイギリスに発信地を移しながら、日々の出来事を綴っています。

美食の国で飢える

2006-06-23 15:56:34 | フランスの生活
フランスに行くと言うと、おいしいものがたくさん食べられていいわねと言われるが、フランスで外食するのはなかなか難しい。パリなどの都会ではまた違うのだろうが、なにしろ夜開いているレストランがなかなか見つからない。

スペインの隣人からの電話を待っているうちに夜10時近くになってしまい、それからレストランを探しに行ったのだが、開いているところがほとんどない。結局、困ったときの神頼み、40キロほど離れたテキサス・メキシコ料理チェーン店の「バッファロー・グリル」に午後10時40分に飛び込んだ。さすがに、年中無休のこの店でも閉店は11時と決まっていて、11時を1分過ぎて店に入ってきた3人の女性客は入り口近辺ですったもんだした挙句、しぶしぶ出て行った。フランスの夜は早い。スペインだったら、午後9時過ぎからがスペイン人食事客でにぎわう時間である。午後10時半を過ぎて、幼児を伴った家族連れがレストランにやってくることも珍しくないほどだ。

だいたい、このあたりで夜開いている店を探すこと自体が難しい。以前フランス人の不動産屋ファブリスが連れて行ってくれたレストランにまた行こうと思ったのだが、夕方いつ見ても開いていることがない。たまたま土曜日の晩開いていたので聞いてみたら、夜開店しているのは土曜日だけなのだと。

もう一軒、やはり昼食に入ったことのあるバー・レストランに夜行ってみたら、開いているのはバー部分だけで、食事は出していないとのこと。この先のレストランが開いているよというので行ってみた。この町で開いている唯一のレストランなので、さぞかし混んでいると思ったら、わたしたちが最初の客で、その後2組のカップルと女性1人の食事客が入ってきただけだった。夜開いている貴重なレストランなので、営業日を聞いておくと、なんと土曜日の夜は休みだそうだ。毎日が日曜日の引退した住民が多いペドロランドですら、土曜日の夜は特別で、外食する人が多い。土曜日休業のレストランなんてスペインでは信じられないことだ。

前回のフランス紀行でも書いたように、フランスで軽く食べるというのは至難の業だ。得策は、昼食時に安い定食(それでも、スープ・前菜・メイン・チーズ・デザートの5コースである)をしっかり食べて、夕食は家で簡単に済ますというのが健康上も一番いいかもしれない。

フランスのレストランでいいと思うのは、必ず食事の前に水が出てくること。これはほかの国では絶対にない。ピッチャーなどに入って出てくるのだが、必ず冷えている。これはすばらしい。それから、スープがどーんと大きな入れ物に入って出てきて(中には洗面器のようなものもあった)、自分でよそる。好きなだけスープ皿によそれるわけだが、うかうかしていると、もって行かれてしまうので、つねにスープ皿を空にしないように、注ぎ足していくのがコツだ。

ワインの値段はイギリス並みで、だいたいスーパー価格の2倍を取られる。原価の2倍以上というわけだ。スペインではこんなにボラれない。ワインの値段に限らず、スペインのほうがずっと外食費は安い。

フランスで外国料理の店を見つけるのはやはりたいへんなことなのだが、到着早々日本料理店を見つけて、久々の寿司を食べた。ここでもバイキングが流行っていると見えて、昼食時11ユーロ50セントで、食べ放題というのが大人気だった。店に入ると、広い店内の半分を占める禁煙席はほぼ満席に近い。握り寿司2種類・巻き寿司2種類、焼き鳥(チーズソーセージの焼き鳥というのは邪道だ)と一緒に、生春巻きとかのベトナム料理も混じっていた。どうやら経営者は、フランスの多くの中華料理店と同様、ベトナム人のようだ。刺身の切り方とかが、ちょっと本当の鮨職人っぽくないなという感じ(わたしだって通ではないけど)だったが、ペドロランド近辺で食べた中華料理店の寿司よりはずっと新鮮でおいしかった。