ペドロランド日記

スペインの国際村「ペドロランド」を中心にフランスとイギリスに発信地を移しながら、日々の出来事を綴っています。

ついにワールドカップが我が家にやってきた!

2006-06-22 12:10:46 | フランスの生活
ときどき月曜日にやっとイギリスのデジタル放送を受信できるようになった。テレビを見られないのはそれほど苦にならなかったが、世の中ではワールドカップが開催されているのに、試合結果すらわからないのは実につらかった。その前にも、泊まっていたB&B経営者ご夫妻の厚意で、イギリスの放送の映るテレビのある部屋を開けてもらい、イングランドの試合だけは見られたものだが、日本はもちろん、アーセナルの選手の出場しているフランス・トーゴ・象牙海岸・スイス・スペイン・ドイツ・オランダ・スウェーデン・ブラジル・チェコの試合結果も気になる。

先週の火曜日、フランスの最初の試合のあった晩、食事のできる場所を探してバーに入ったところ、店内には6人ほどの男性客が静かにテレビ観戦していただけだった。イギリスやスペインのペドロランドで、イングランドの試合が行われていたら、イングランドのユニフォームを着た人たち(女性を含め)でパブは満杯であっただろう。フランスでは意外にも盛り上がっていない。

と思っていたら、先週の日曜日の夜、フランスの予選リーグ第2戦の始まりと思われる頃、お隣の家からフランス国歌を歌う声が聞こえてきた。そして、試合終了間際と思われる頃には、大きなため息とも思われるような失望の声が。フランス人は(この地域では)バーに集まって大勢で観戦することはなく、個人宅に友人同士で集まって見ているのかもしれない。

イギリス(イングランドというべきだろうが)ではたいへんな盛り上がりようで、各地で大きなスクリーンが野外に設けられ、大勢で観戦したりしているようだ。バーミンガムでは、このような高価な大型スクリーンが強風で倒れて破損したという事件もあった(幸いけが人は出なかった)。

ロンドンのある企業では、ワールドカップ前にメールが全従業員に配布され、ワールドカップ観戦についての会社側の対応策が通知された。それによると、社員食堂にある大型テレビスクリーンでは午後の試合が放映され、各人のパソコンでテレビ放送を見ることができる、詳しい設定方法などはヘルプデスクに問い合わせるようにということだった。これではまるで、仕事中にぜひワールドカップを見てくださいというようなものだが、外にでかけてパブで試合観戦されるよりは、少なくとも社内にいるだけ、連絡がつきやすいということなのだろう。パブにでも行かれたら、何時間も戻って来ない可能性があるし、戻ってきてもアルコールが入っていてぜんぜん仕事にならないという可能性もある。地元の中小企業だったら、イングランドの試合日程だけ心配していればよいが、多国籍従業員をかかえる国際企業ともなると、そういうわけにもいかないようだ。

先日、イギリスのテレビ番組で、ワールドカップ開催期間中におけるDV(ドメスティック・バイオレンス)の急増についての報道があった。アルコール(テレビ放送を見ながらたくさんビールを飲む)とフットボールという組み合わせはイギリス人にとっては致命的なようで、ワールドカップ開催中には、10人もの女性がこのような原因で亡くなるという。(ワールドカップが4年に1度でよかった!)

今回のワールドカップでもすでに被害が報告されているとのこと。この番組は、スウェーデン戦の前に放映されたのだが、よくわからないのは、イングランドはそれまで2戦2勝で負けていないのだ。つまり、DV男たちはイングランドが買っても負けても機嫌が悪くなって、女性に暴力を振るうわけである。

スコットランドが出場した、フランスでの8年前のワールドカップのときには、スコットランド人は酔っ払うと陽気になり、フーリガン化しないという話を聞いた。イングランドの男性たちも、陽気に酔っ払う癖をつけてほしいものである。