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ペドロランド日記

スペインの国際村「ペドロランド」を中心にフランスとイギリスに発信地を移しながら、日々の出来事を綴っています。

フランスの寒椿

2007-02-14 13:09:04 | フランスの生活
本日のイギリスの天気は

先週の金曜日にフランスからイギリスに無事到着した。木曜日はイギリスは雪に見舞われ、道路も鉄道も大混乱、金曜日も雪の影響が残ると言われていたが、金曜日の夜は道路もまったく問題なしだった。ポーツマスの港(今回はカエン・ポーツマス間の5時間45分に渡るフェリー便を利用)で、税関に止められて簡単なチェックを受けたため(スペインナンバーの車は珍しいので止めずにはいられなかったということだった)時間を取られたほかは、スムーズに行った。

ここまではよかったのだが、長旅を終えてほっとしたのか、あるいは力尽きてしまったのか、翌日突然車が動かなくなってしまった。土曜日の夜に、中華のテイクアウェイを電話で注文し、取りに行こうと思って出発したら、100メートルほど動いた後、キャラバン場の入り口のところで、突然エンストしたきり、動かなくなってしまったのだ。幸い、公道に出る前だったので、車を押してキャラバン場に戻し、訪問客用駐車場に止めておくことができた。再びフランスで故障したりしなくてよかった。ここまでご苦労さん。でも、再び車無しの生活はつらいなあ。ちなみに中華料理は夫がオートバイで取りに行ってくれたので、無駄になりませんでした。

写真はフランスの家の椿。かえるさんのブログの寒椿の写真に触発されて、我が家の椿の写真を撮ってみました。今年は西ヨーロッパも暖冬のようで、この椿もずいぶん前から咲いていたにちがいない。地面にたくさん茶色くなった花が落ちていた。が、ずっと天気が悪く、花やつぼみも雨で傷んでいて、フォトジェニックな花を見つけるのがたいへんだった。

10月末に剪定したバラには芽が吹き出していたくらいで、大きさにはほぼ変化無し。芝生もほとんど伸びていなかった。スペインのバラは11月初めに戻ったときにかなり残酷に剪定したのだが、それでも今回出発したときには葉は茂り、すでに花を付け始めていた。ジャスミンは1年中花を咲かせているので(一斉にゴージャスに咲き誇るということがなくて、少しずつ花を付けるので始末に悪い)、なかなか剪定する機会がないのだが、昨年末に思い切ってすべて葉を落としてみた。出発したときには、こちらもたくさん若い芽を吹き始めていた。10月に帰る頃には、きっとたくさんの茎がもつれあって、目も当てられない状態になっているだろう。

フランスは牡蠣のシーズンだった。日曜日にスーパーマーケットに行ったときには、店の前に牡蠣売りの屋台が出ていた。週日に車で出かけたときも、牡蠣売りの屋台への方向を示す道標が沿道に見られた。

今回のイギリス滞在は4ヶ月ほどに渡る予定。フランスに戻るのは6月初めになるだろう。

やっとイギリスに行けることになった

2006-09-08 17:04:52 | フランスの生活
フランスの夏は終わってしまったと思ったら、今週初めに夏が戻ってきた。しかもより強力になって。この5日間、連日30度を越える日が続いている。日向の柱に下がっている温度計は上限の50度を突き破ってしまった。

ずっと動きのなかった、故障した車をめぐる状況に、やっと新たな展開があった。火曜日にロードサービスの会社から電話があって、修理工場では修理に2~3ヶ月かかると言っているが、スペインに車を運んでほしいか?ということだった。仮に部品調達に時間がかかるとしても、2~3ヶ月ということはありえないだろう。理由は忙しいからということのようだったが、要するにやる気がないのである。何ヶ月かかっても待ちますとでも言ったら、きっと今度は法外な修理代を見積もってきて、こちらがあきらめるのを期待するに違いない。というわけで、フランスの修理工場に期待するのはやめた。

わたしが思うに、金というのはフランス人にとってはあまりインセンティブにならないのではないだろうか。面倒くさいことをしてちょっと金を儲けるくらいなら、その分収入が減ってもストレス無しに過ごしたほうがましという考えなのだと思う。フランスに長い間住んでいて、自身もビジネスを営んでいるイギリス人が言っていたが、フランス人にはあまり商業センスというのがないらしい。金銭的な成功とか繁栄というのは、フランス人の働く原動力にはならないのかもしれない。

ナポレオンはイギリスをショップキーパー(商店経営者)の国と呼んだそうだ。これは、イギリスには兵士はいないという意味で、戦争能力についてイギリスを侮辱したらしいだが(イギリス人は、ワーテルローの戦いに勝ったのは誰かと反論するだろう)、フランスには商業センスのある人がいない故のやっかみだろうかと思ったりする。あるいは、商店経営者を軽蔑する意識がフランス人の間に綿々と受け継がれてきて、それゆえに商業センスを持った人が現れないのか?ビジネスで成功しようというフランス人が続々イギリスに移住しているという話も最近よく聞く。もっとも、その最大の理由はフランスのお役所仕事に嫌気がさしたためだそうだ。フランスでは何をするにも、書類を提出して、お役所の承認をとらないといけないが、イギリスは自由で事業を起こすのに面倒くさい手続きが要らないため、イギリスに移住して起業を試みるフランス人が増えているらしい。

それはともかく、スペインへ運ぶ費用との差額を自己負担するので、イギリスへ車を運んでくれないかとロードサービス会社に交渉してみたら、関係者各位に問い合わせてみた上で、合意してくれた。スペインの会社なのだが、実にまめに連絡を取り、よく働く。フランスの修理会社にはフランス語で交渉し、イギリス人の客には英語で相談に乗る。面倒見がいい。スペイン人を見直してしまった。

というわけで、車は1~2週間以内にイギリスに運ばれ、わたしたちは来週の火曜日にボルドーから飛行機でイギリスに行くことになった。やっと未来が見え始めたのにはほっとしている。特に、これまでは他人頼みだったのが、ついに自分たちで主導権を握って行動を起こせるようになったのはうれしい。

遠いイギリス

2006-09-03 13:50:32 | フランスの生活
イギリスに向けて出発した日から10日間が経ったが、いまだにイギリスに行ける見込みが立たない。

火曜日にやっとトゥールの修理工場の担当者らしき人と話ができたのだが、まず車の登録書類をファックスせよとのこと。さすがに書類の好きなフランスである。それから見積もりを送るので、こちらがそれに承認のサインをして送り返して、それを先方が受領したら、それから修理が始まるということである。

その後、待てど暮らせど見積もりが送られてくる気配がない。まさかファックスではなくて、郵送なんて悠長な手段を取っているのではないだろうなと嫌な予感がしてきた。国内でも遅いほうの便だと3日間かかることがある。金曜日に電話をしてみると、まだ見積もりを送っていないようだ。どのくらい修理にかかるのか聞いてみると、10日間というかなり大雑把な返答であった。10日間というのがその場しのぎの返答ではないとすると、先方の見積もり承認受領からさらに10日間かかるわけである。まだ見積もりも作成していないようだし、まったく気が遠くなるような話だ。

フランスで8月になにかをしてもらおうというのは、たいへん困難なことのようである。お向かいのイギリス人ブライアンの話によると、彼の家でも、やりかけの家周りの工事はすべて9月になって、職人たちが夏休みから戻ってくるまで停止しているそうだ。8月にフランスで車の故障なんて羽目に陥るものではない。

さて、明日からはいくらのんきなフランス人たちもいよいよ通常営業モードに戻ることだろう。少しは車の修理のほうにも進展が見られるだろうか。

帰路に着く

2006-08-25 15:49:12 | フランスの生活
家までは約4時間の道のりであるが、レンタカー会社を出たのは午後5時半過ぎ。今朝は早起きをした上に、劇的な展開で精神的に疲れていたし、途中で一泊することにする。選んだのは因縁のポワチエのホテル。2月に車上荒らしに遭ったところだ。が、その事件以外は、食事もおいしかったし、いいホテルだった。これからホテル探しとなると、さらに面倒も増えるので、場所のわかっているホテルに直行することにする。

2月と異なるのは、家族連れが多かったことだ。さすがに夏休みだけある。おまけに、ここはフューチュロスコープというテーマパークに近いので、部屋が取れてラッキーだったかもしれない。夜遅くなるとこういうわけには行かないので、やっぱり早めにホテルにチェックインすることにして正解である。

今度は車上荒らしにも遭わず、無事翌朝9時半にホテルを出発し、家に向かう。家には12時に到着したが、これからレンタカーをリブルンヌのレンタカー会社まで返しに行かないといけない。ロードサービス会社との契約では、レンタカーは1日しか借りられないので、返却期限はこの日の午後5時半ということになる。どうせレンタカー会社は12時から2時までの長い昼休みに入っているだろうから、先にスーパーマーケットで食料品の買出しをしてから(2週間イギリスに行くはずだったので、冷蔵庫はもちろん空っぽである)、リブルンヌに向かう。

レンタカーを返却した後、電車で家に帰ることにする。驚くべきは、午後2時半の後、午後4時半までまったく電車がないことである。フランス人はいったいどんな生活をしているのか?わたしたちの電車は午後5時28分発ということで、駅のバーで2時間半ほど時間をつぶすことになった。この日は晴天で、屋外のテーブルで3種類のドラフトビールを試す。最初の白ビール・エーデルヴァイスは、不思議な味だった。わたしは白ビールはわりと好きなのだが、これは香料というか風味が強すぎてあまり好きになれなかった。2杯目はアフリジェムという銘柄で、砂糖が焦げたような不思議な風味があった。創立1059年ということで、中世の味(?)を売り物にしているのかもしれない。最後はどこにでもあるアムステル。これも普段はちょっと独特の風味があるのだが、これだけ強烈な味のビールを飲んだ後では、ごく普通に感じられた。

わたしたちのほかにも電車を待つ人たちがバーに入ってきたのだが、不思議な男性がいた。店で出してくれたサービスの水を飲みながら、持参のフランスパンにやはり持参の缶詰のイワシをはさんで食べている。バナナとジャガイモをリュックサックから取り出し、ジャガイモの皮をナイフでむいて食べ始めた。初めはわたしたち同様、電車を待っているのかと思ったのだが、後から2人ほど友人らしき人が来て、同じテーブルに座りビールを飲んで去っていった。ということは、たぶん近くに住んでいるのだろう。テーブルが日陰になると、そのテーブルと椅子3つを日向に移動して、位置を変えた。この男性、かなり日焼けしているところを見ると、このバーに毎日通ってきているのかもしれない。ホームレスかと思ったが、ずっとMP3で音楽を聞いているので、そうでもないようだ。そのうちに電車の時間になったので観察をやめて、ホームに移動する。

便は少ないが、フランスの電車はかなり時間に正確なようだ。定刻どおりモンポン駅に到着する。頼んでおいたタクシーもすでに来ていた。

というわけで、思いがけなくも、またしばらくフランス生活が続きそうだ。来週の半ばくらいにはイギリスに行きたいと思うのだが、こればかりは修理の進み具合次第ということになる。車関係のトラブルで前回のイギリス滞在は思いがけなく長くなったが、今度もまた車が原因でフランス出発が予定より遅れることになってしまった。

フランスの家に逆戻りすることになってしまった

2006-08-25 15:38:38 | フランスの生活
予定ではイギリス生活2日目を迎えているはずだったのだが、イギリスにはたどり着かなかった。今、フランスの家に戻っている。

朝6時半に出発し、渋滞にもあわずに順調にトゥールを通過したところで、車が故障した。フェリーの出発するディエップまであと3時間というところで、このまま行けば夕方6時のフェリーの出発時間には4時間余裕を持って到着する予定だった。皮肉なことに、故障の原因はタイミングベルトのようで、今回のイギリス行きの一番の目的はこれの交換だったのだ。

路肩の緊急電話から連絡をすると、20分ほどで救援のトラックがやってきた。全く車が動かないので、車をトラックに積んで、近くの小さな村の修理工場に持っていく。車はスペインの自動車保険に入っているのだが、スペインでは自動車保険にロードサービスが自動的に付いてくる。修理工場までの牽引代は保険で賄えるということで、修理工場の経営者がスペインのロードサービス会社に電話をしてくれた。

修理には6日間かかると言う。ロードサービスの会社で、イギリスに行くかスペインに帰るかする手配をしてくれるらしいのだが、イギリスに行っても1週間後に車を取りにまたここまで戻ってこないといけない。しかも、行きはよくても、帰りの交通費は自己負担だそうだ。ましてや、移動の手間を考えると、この近くのホテルに泊まって、6日間ロワール渓谷のお城めぐりでもしたほうがいいかなと思う。それにしても車が必要だ。ホテルも15キロ離れたところにしかないと言う。

ロードサービスの会社と電話のやりとりをしている間に12時になってしまった。修理工場の経営者の奥さんが、これからわれわれを10キロ離れたレストランに連れて行ってくれて、食事を取って、2時になったら、レンタカー会社に電話をしてくれるということだった。他人の昼食の心配までしてくれるなんて、さすがフランス人だ。もっとも、最大の理由は、自分たちが12時きっちりに工場を閉めて、食事を取りに家に帰りたいからなのだろうが。

この奥さんが連れて行ってくれたスーパーマーケットのカフェテリアで食事を済ませると、予告どおり、2時15分前に奥さんが迎えに来てくれて、修理工場に戻る。結局、車はトゥールの三菱自動車のディーラーの工場に持って行き、そこで修理をすることになった(修理工場のおじさんが三菱を「みちゅびっち」と発音するのがかわいかった)。ロードサービスのほうについては、新しい選択肢が持ち上がった。結局、往復を面倒見てもらえるということで、フランスの家に戻ることにする。修理工場からトゥールのレンタカー会社までタクシーで行き、トゥールのレンタカー会社で車を借りてくれる手配をしてくれた。車の修理が終わった時点で、またレンタカーを借りてくれて、三菱自動車のディーラーの工場まで車を取りに行く手配をしてくれると言う。

ロードサービスの会社と契約しているタクシーが来るまで待つこと2時間。時間はかかったが、すべて無料で、一時的にせよ自腹を切る必要がなかったのは、ありがたかった。タクシーでレンタカー会社に行って車を借り、今朝来た道を引き返すのであった。

明日はイギリス

2006-08-22 22:46:11 | フランスの生活
のち今朝は珍しく曇り空であった。朝は晴れているのだが、だんだん雲が増えて、小雨が降ったりやんだりという天気がこのところ続いた。その前には、やはり朝は晴れていて午後雷を伴った暴風雨というのもあった。日本の夕立のようなものだが、さすがに広大なフランスだと、規模が違うなあという感じ。野原の上を「風雲急を告げる」って感じの真っ黒な雲が走るようにやってくる。いかにも何かとんでもなく恐ろしいことが起こりそうな、この世の終わりといった不穏な雰囲気が広がってくる。そして、だんだんに木々を叩く雨の音が近づいてきたかと思うと、土砂降りが始まる。

今日は午後からだんだんに雲が晴れて、太陽が顔を出した。最高気温は22度ほどで、過ごしやすい。

明日は再びイギリスに向けて出発。今回の主な目的はスペインから乗ってきた車の定期点検・修理。2週間ほどの滞在予定だが、前回のように予期せずに長くなったりすることもあるので、わからない。

イギリスはかなり涼しくなっているようで、長袖のセーターを持参することと忠告された。もっとも、長袖セーターはトレーラーハウスに常備されているので心配ない。忠告のほうも半分冗談だろうけど。昨晩は特に寒かったようで、最低気温は9度だったそうだ。天気のほうもあまりよくないようである。今度はたっぷり雨が見られるかもしれない。

明日は朝6時起きで(これは夜型人間には特記すべき事項)、夕方6時出発のフェリーを目指して、フランス北部・ノルマンディー地方のディエップに向かう。イギリスのトレーラーハウス到着は夜10時頃の予定だ。さて、これから荷造りをしなくては。今度は大きめの車で行くため、要りそうなものはなんでも放り投げればいいので、わりと簡単。

フランスのパン

2006-08-18 18:17:40 | フランスの生活
今日はやっと太陽が長く顔を出して、気温も25度まで上がった。昨日、おとといは小雨が降ったりやんだりというぱっとしない天気で、このところ、気温は20度以下で涼しいくらいの日が続いていた。

フランスに行ったら、おいしいフランスパンをチーズとワインでいただいて…という計画だったのだが、おいしいフランスパンというのはなかなか希少なものと気がついた。

村に一軒だけある店はパン屋なのだが、残念、ここで売っているのは自家製のかちかちに固いパンなのである。最初はパン・ド・カンパーニュだからか?と思ったのだが、バゲットを買ってみても、やはり歯が折れそうに固い。いい点はあごが疲れるので、あまりたくさん食べられないこと。減量にはよいかもしれない。

4キロ離れた町にはパン屋が5軒ある。1軒はいつも店の外まで列ができているくらい人気なのだが、のぞいたところ、ここも薪の火で焼いた自家製の固いパンのようである。このへんは丈夫なあごの持ち主が多いのだろう。もう1軒の店でバゲットを買った。73セント(108円)でまあまあ。先日はこの店が休みだったので、別の店でバゲットを買ったら、90セント(133円)だったが、特においしいというわけでもない。

現在のところ一番おいしいと思うのは、スーパーUというスーパーマーケットチェーンの35セント(52円)のバゲットなのだが、9キロも離れているので、なかなか気軽に行けないのが残念だ。週に1度の食料品の買出しを昼食前にするようにして(空腹時には買い物をするなという原則に反するのだが)、中はやわらかくて外はパリパリのおいしいフランスパンを昼食に食べるのを、1週間に1度の楽しみにしている。バゲットは日持ちがしないのが残念だ。昼に買っても、夕方にはすで固くなっている。買いだめができない。

パンをめぐるフランスでの苦労はフランスパンにとどまらない。食パンは小分けにして冷凍ができるのが便利なのだが、フランスの食パンもスペインの食パンも甘いので閉口する。フランス人やスペイン人は甘い朝食を食べるからそれでもいいのだろうが、甘いトーストはイングリッシュ・ブレックファーストには合わない。知人のイギリス人が近くのパン屋で甘くない食パンを売っているというので、試してみた。確かに甘くはないのだが、トーストにすると、カリカリになってしまって、ほとんど実体がなくなってしまうのが欠点。

現在のところ、最善と思われる解決策はサンドイッチ用の全粒粉パンである。これも甘さはあるのだが、白パンほど甘さが気にならない。冷凍することもできるので、週に1度買いだめができる。が、ただでさえぼそぼそしているのに、トーストにするとさらにぱさぱさになるので、あまりおいしくないのが欠点。

kmyさんだったら、近くにパン屋がなければ自分でパンを作ろうと一念発起するところだろうが、わたしはナマケモノだし、器用でもない。だいたい、我が家にはオーブンがない。どうやら家の売り手がオーブンを持って行ってしまったようだ。というわけで、ナマケモノのわたしが思いついたのは、パン焼き機を買うことであった。すでに、インターネットで注文したので、来週イギリスに到着したら、届くことになっている。ふわふわの焼きたてパンを食べることのできる日が楽しみだ。

早くも怪奇現象が…

2006-08-09 11:01:01 | フランスの生活
フランスに到着して1週間半が過ぎた。到着当日の蒸し暑さには閉口したが、幸いその後は最高気温25度前後と過ごしやすい日が続いて、ほっとした。が、今週からはまた気温が上がっている。それでも、湿度はそれほど高くなく、室内は比較的涼しい。

やっと落ち着いてきた。フランスに到着してみると、まずテレビが映らない。友人からもらったイギリスのセットトップボックスを使って、イギリスのデジタル放送を受信しているのだが、信号が受信されなくなっていた。お向かいのイギリス人の話によると、わたしたちがいない間に3回ほどたいへんな嵐があったそうだ。暴風の影響でパラボラアンテナかLNBに影響あったのか、雷でセットトップボックスがいかれてしまったのか?結局、前に設置をお願いしたB&Bのご主人に再びご足労を願って、修理してもらった。が、なんと言っても素人に毛が生えたくらいの半プロなので、試行錯誤の結果、受信ができるようになるまで、4日かかった。この間テレビなしの生活で、引越し当初のキャンプ生活を思い出した。

電話も通じなくなっていた。お向かいのイギリス人が「お宅の電話は大丈夫?」などと言うものだから、すっかり嵐のせいで電話が不通になっているのかと思ったら、実は料金滞納のため、サービスを停止されていたのだった。恥ずかしい。が、実は電話会社のほうの手違いのようで、口座自動引き落としの手続きがなされていなかったのだ。これは料金を払って解決。

水道のほうも滞納していたようなのだが、滞納でも止めないのか、まだそれほど長い期間滞納していないのか、幸い止められることはなかった。ファブリスが水道接続時に口座引き落としの手続きもしてくれたものと思い込んでいたのだが、それができてなかったようだ。

スペインのご近所のパットとアイリーンがイギリスからやってくるというので、客用寝室の改装を始める。壁紙をはがし、ペンキを塗って、ベッドを組み立てたところ。次は洋服ダンスの組み立てである。電灯も買いに行かなくちゃ。居間には新しいソファとアームチェアのセットが入って、ついに折りたたみ式椅子の生活から解放された。

こうして少しずつ生活が快適になって、周りに自分の好きなものが増えてくると、フランス生活もそれほど悪くない。

が、到着したその晩、とても不思議なことがあった。わたしは半分眠りの中ではっきりとは聞かなかったのだが、大きな物音が夜中にした。夫はちょうどトイレに起きたところで、はっきりとその音を聞いたと言う。立ち上がって、真っ暗な室内を壁に手を這わせながら歩いていくと、2つ目の大きな物音がした。夫の手のひらにもその振動が感じられたそうだ。ちょうど誰かがこぶしで思い切り壁を叩いたような感じだと言う。よっぽどこの怪奇現象が気にかかっていたのだろう、次の日とその次の日に我が家にやってきた人たちにも、夫はこの話をしていた。やっぱり前の持ち主はこの家の中で亡くなったのかもしれない。わたしは夜は鏡を見ないことにしている。


幻滅のフランス

2006-08-04 18:11:49 | フランスの生活
7月30日(日)のフランスの天気は

到着初日のフランスは失望の連続であった。まず天気。やっと猛暑のイギリスを脱出したと思ったら、フランスはイギリスに増して蒸し暑い。気温は31度ほどだが、湿度が高い。息ができないという蒸し暑さは日本を離れてから久しく経験したことがなかったが、ここの暑さは日本の夏に匹敵する。特に、ここでは午後5時くらいからが一番暑くなる。日没と同時に急に涼しくなるイギリスとも異なり、夜になっても気温が下がらなかった。

家には何も食べるものがないので、夕食はレストランに出かける。お気に入りのラ・モンセラットは閉まっていた。盛り付けは全然芸術的ではないのだが、味は庶民的、中身が良心的で気に入っている(わたしは味覚には自信がないので、こういう精神的な表現でしか料理をほめられない)。土曜の夜閉店というのは知っていたのだが(土曜日の夜に営業しないレストランなんて信じられない!)、日曜日まで休みとは思いもよらなかった。せっかく気分はシーフードサラダになっていたのに残念。幸い、ラ・カレーシュは開いていたので、ここで食事をすることにする。それほど客は入っていなかったが、8人グループを含め、ほとんどがイギリス人であった。この店は、不動産屋のファブリスが昼食時に連れて来てくれた店である。平日は昼食時しか営業しないが、お昼時にはフランス人の勤め人で満杯になる。

郵便受けに入っていたスーパーの広告で得た知識を早速発揮して、地元ベルジュラックの2000年のワインを注文する。ボルドーとベルジュラックは2000年と2003年が当たり年なのだそうだ。が、出てきたのは2002年でがっかりした。2001年と2002年は、どちらがどちらか忘れたが、2つ星と3つ星で、2000年と2003年の4つ星に劣るのだ。よく知らないレストランだったら即座に文句を言うところだが、黙って飲むことにする。

スープ・前菜の鴨のレバーパテ・魚料理が終わると、若いウェイターがチーズは食べるか?と聞く。まだメインコースが出てきていないというのに、メインを飛ばしていきなりチーズか?メインコースは鴨の胸肉のグリルだったのだが(このへんはドルドーニュとはいえ、ペリゴールに近いので鴨料理が多い)、どうも今まで食べた鴨の胸肉とは違う。夫いわく、牛肉に違いないと。外国人だからわからないと思ったのだろうか。

最後に、もう2度とこの店には来ないぞと決心したわたしたちだった。実は、この店を紹介してくれたファブリスにもすでに失望している。グリさんもがっかりされるだろうけど、先月フランスにやってきたときにファブリスに電話をし、電気代の請求書など不明な点があるので、一度時間のあるときにうちに立ち寄ってはくれまいかと尋ねると、忙しいとかいろいろと理由をつけて断れた。電話での問い合わせにもあまり親身になってくれなかったそうだ。この話を、やはりファブリスから家を買った知人のイギリス人にすると、きっと家が売れてしまって、客でなくなったからじゃない?と言っていたが、契約書サインの日に車上荒しに遭ったときには、あれほど親切にしてくれて、心を配ってくれたのに、金の切れ目が縁の切れ目だとしたら、本当に残念だ。

家に帰ると、近所から音楽が聞こえてくる。ティーネージャーがベースの利いた音楽をボリュームを上げてかけているようで、ボンボンという単調な低い音だけが響いてくる。おまけに、隣りの庭からは夜10時近いというのに、子供たちの声が。こんなに大勢の子供が住んでいたとは思えないので、たぶん夏休みになって親戚かよその子供たちが泊まりに来ているのだろう。お向かいのイギリス人カップルの家にも、イギリスからティーネージャーの男の子たちを含めた家族が遊びに来ているようである。7~8月のスペインの混雑を避けてフランスに来たのに、ここも観光シーズンのようだ。おまけに、近隣の騒音は、スペインの我が家の裏に住むスペイン人一家並みである。わたしは人間の騒音はそれほど気にならないのだが、静けさを求めてフランスに家を買った夫はかなり失望したに違いない。

フランス片手鍋の不思議

2006-07-14 11:43:24 | フランスの生活
今日のイギリスの天気はときどき

フランスにいる間に気づいたことで、まだ書いていなかったこと。何もないフランスの家では、一から生活必需品をそろえないといけなかった。調理器具もその1つ(なにしろ、夜開いているレストランが少ないので、外食には頼れない)。

イギリスでトレーラーハウスを購入したときには、デパートに行ってテフロン加工のしてある鍋一式というのを買った。4つの大きさの異なる片手鍋が1つの箱に入っているもので、一個ずつ買うよりも安い。同様のものをフランスで探していたのだが、困るのが蓋が付いていないということである。個別に売られている片手鍋も見てみたが、蓋付きのものはない。煮込み料理用の両手鍋にはもちろん蓋が付いているのだが、片手鍋となると、蓋付きのものは皆無なのだ。6つのスーパーマーケットを回ってみたが(そのうち2つは同じチェーンの異なった店舗)、蓋の付いた片手鍋は見つからなかった。イギリスで購入したセットは、ミルク沸かし用の一番小さな鍋以外、すべてそれぞれに蓋が付いていた。しかも、フランス・ティファール社製である。

もっとも、蓋が手に入らないわけではない。万能蓋というのがあって、大きめのまっ平なアルミの蓋に、直径16センチ・18センチ・20センチなど異なった組み合わせの3つのサイズの輪が溝になって刻まれている。これを鍋にかぶせると、適したサイズの溝の中に鍋のふちが納まり、蓋がされるというわけ。サイズの異なる鍋で1つの蓋を共用するというのが、もともとの発想のようであるが、1食の調理に1つの鍋しか使わないということはありえないのではないだろうか。

で、結局新しく鍋を買い足したときには、やっぱり蓋ももう1つ必要になるのだった。が、その店にはこの鍋のサイズに合う万能蓋がなかった。1つの蓋が3つのサイズをカバーしていることが多いのだが、この店にはちょうどこの鍋の大きさをカバーする万能蓋がなかったのである。なんと腹立たしいことか。とりあえず鍋は買っておいたが、現在のところ、2つ鍋があっても蓋は1つだけでなので、2つ同時に使うことができないわけである。蓋探しの旅は続く。

とても不思議なのは、家でかなり調理をしていると思われるフランス人が、こんな粗末な万能蓋に甘んじていることである。鍋のサイズに合ったお揃いのデザインの蓋を作ることくらい、メーカーのコストとしてはたかが知れているだろう。消費者だって、蓋の分節約できてうれしいと思う人は少ないような気がする。なぜフランスの片手鍋には蓋が付いてこないのか?謎は深い。