令和3年11月2日(火)
海士の顔
先見らるゝや
けしの花
◎ 陰暦四月中旬の空もおぼろに
◎ 陰暦四月中旬の空もおぼろに
春の気配を残して、すぐ隠れてしまう。
月もなかなか美しいのに、
木々の葉は黒く染められて、
やがてほととぎすが鳴き出すはずの
夜明けとなった。
海の方から白み始めて須磨寺付近
の台地、上野には海人の家々が並び建ち
その軒端には、麦の穂の波が見渡される。
けしの花もその付近の所々に咲いている。
夜が明け初めて来ると、けしの花咲く
夜が明け初めて来ると、けしの花咲く
辺りに海士の顔がちらほら見えてくる
のが、よい風情だ。
須磨寺に、『平家物語』の遺品を
須磨寺に、『平家物語』の遺品を
多くとどめ、平敦盛の笛など有名である。
また、『源氏物語』の舞台でもある。
それら古典を背景に朝がゆっくり
それら古典を背景に朝がゆっくり
明けてくる様子は、まるで古典劇の幕が
上がっていき、明るい照明が照らして
くるかのよう・・・。