貢蕉の瞑想

青梅庵に住む貢蕉の日々のつぶやきです。

花より実に着目

2021-05-08 15:51:25 | 日記

花より実に着目

令和3年5月8日(土)

藤の実は 

  俳諧にせん 

     花の跡
  小萩の句とともに、

元禄二年(1689)、

おくの細道の頃のものだとされている。

  前書きに、

「関の住素牛何がし、大垣の旅店を

 訪はれ侍りしに、彼(かの)

ふぢしろみさかといいけん花は

宗祇のむかしに匂ひて」

とある。

 「  ふぢしろみさかといいけん花」は、

藤の花。

 宗祇の「関こえてこゝも藤代みさか哉」

の句による。

 宗祇の句は、逢坂の関山に咲く白藤を、

紀州の歌枕藤代の御坂に言い掛けた句。

 かの藤代のみ坂云々と詠んだ藤の花は、

宗祇の名句に詠まれて名を残しているが、

今はその花も過ぎていることとて

藤の花ではなくて、

その侘しい風情のある藤の実は、

自分がひとつ俳諧によんでみようの意。

 幼子は、この藤の花の実を欲しがっていた

思い出もある。