貢蕉の瞑想

青梅庵に住む貢蕉の日々のつぶやきです。

花見も華見!

2021-05-13 15:02:42 | 日記

花見も華見!

令和3年5月13日(木)

くさまくら 

  まことの華見 

    しても来よ

   旅寝を重ね、風雅を求める

本当の花見をしてきなさい、の意。

 元禄二年作。

 義仲寺の庵で共に年を越し、

正月三日に芭蕉と別れた路通は、

茶入れの紛失事件に関わって、

江戸に下り、西上中に芭蕉の怒りを

知って踵を返し、4月から8月まで

奥州行脚を行う。

 この句がどの時点で言われたかは

分明でなく、期待を込めた餞別吟か、

反省を求める辛辣な作か、

見解が分かれている。

 我が師は、

「元乞食のような生活をしていた

 弟子の路通に向けて言った句。

 これから奥州に行って、旅寝を

しながら花見をしてくると言うが、

道中気をつけて年小の芭蕉が言った

のである。

 金がないから野宿しかできないが、

それでもこの桜の頃は、何やら美しい。

しかし、夜は寒いから体に障らない

ようにしろよと、

弟子に一句を与えたのが、芭蕉の優しさ

である。

 立派な宿に泊まるより、

おまえの華見の方が誠の華見だと

励ましている。」

と餞別吟としてとらえておられる。

 花見が華見としているのも、

激励しているとしかとれない。