どっちつかずの‥‥自己反省句
令和3年5月19日(水)
夕にも
朝にもつかず
瓜の花
夕べにの花にも、朝の花にもならず、
瓜の花は日盛りに己が姿を示している、
の意。
元禄三年作。
「~も~もつかず」は、どっちつかず
の状態を言う表現。
『数柑子』に「幻住庵にこもれるころ」
と前書き。
◎ 夕顔の花は夕べに咲くし、
朝顔の花は朝に咲く。
ところが、瓜の花は、平凡に
昼間咲くのみで、
面白くもおかしくもない。
まるで、
どっちつかずの人間のようだ。
人は、自分の人生は自分で
対処すべきで、どっちつかずの
人生行路は面白くない。
芭蕉はこう言いたいのだろう。
芭蕉の自己反省句でもあるかな?
幻住庵は、大津市にある芭蕉の庵。