花より実に着目
令和3年5月8日(土)
藤の実は
俳諧にせん
花の跡
小萩の句とともに、
元禄二年(1689)、
おくの細道の頃のものだとされている。
前書きに、
「関の住素牛何がし、大垣の旅店を
訪はれ侍りしに、彼(かの)
ふぢしろみさかといいけん花は
宗祇のむかしに匂ひて」
とある。
「 ふぢしろみさかといいけん花」は、
藤の花。
宗祇の「関こえてこゝも藤代みさか哉」
の句による。
宗祇の句は、逢坂の関山に咲く白藤を、
紀州の歌枕藤代の御坂に言い掛けた句。
かの藤代のみ坂云々と詠んだ藤の花は、
宗祇の名句に詠まれて名を残しているが、
今はその花も過ぎていることとて
藤の花ではなくて、
その侘しい風情のある藤の実は、
自分がひとつ俳諧によんでみようの意。
幼子は、この藤の花の実を欲しがっていた
思い出もある。
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