彼岸花の名の通りお彼岸になると田んぼの畔を赤く染める曼殊沙華。
今年も燃え立つように咲いています。
和歌山城の石垣の上にも咲いていました。
和歌山城は豊臣秀吉が弟秀長に命じて築城させたのが最初で、その後
何代か城主が代わり、江戸時代になって徳川御三家の一つ紀伊徳川家
の居城になりました。そんな名城なのに、明治時代に廃城になり、空
襲で焼けたりして受難続きだったけれど、1957年、天守閣が鉄筋コン
クリートで再建されたとのこと。なかなかの歴史を持つお城ですが、
その時代時代に築かれた石垣は健在で、紅葉で有名な庭園も美しく整
備され、人々の努力のたまものでしょうか、コンクリート製になった
とは言え、今も美しいお城の姿を保っています。
西城八十、中山晋平コンビの「まりと殿様」という童謡があります。
それにちなんで二時間ごとに、「まりと殿様」のかわいいメロディ
ーのチャイムが鳴らされます。電灯も紀州手毬の形なのが可愛い。
和歌山市の中心から少し南に行くと、万葉集にも読まれた和歌の浦
という名勝があります。その地の昔紀州藩の海の監視場所であった
という番所公園に行きました。噂にたがわず良い景色です。もっと
も入園料が高く、あまりお勧めではないかも。公園に入らなくても
良い景色は見られますから。
でもわが敬愛する犬養孝先生の筆になる万葉集の歌碑に出会って満足。
紀の国の狭日鹿の浦に出で見れば海人の燈火波の間ゆ見ゆ 藤原卿
近くに西国三十三か所第二番札所紀三井寺があります。紀州の三つの井戸
のあるお寺で、紀三井寺というそうです。770年開基の古刹で、霊験あら
たかな雰囲気が漂います。桜の名所でもありますが、芭蕉は見損ねたよう。
見あぐれば桜しまふて紀三井寺 芭蕉