グリーン・ティーは裏切らない お茶と探偵(2) (ランダムハウス講談社文庫) | |
東野 さやか | |
ランダムハウス講談社 |
"Tea for two"(二人でお茶を)というジャズのスタンダードナンバーがあります。
Just tea for two and two for tea...。これはもともとイギリスで紅茶が流行り始
めた頃、紅茶1杯2ペンス(tea for two pence)で街頭売りされていたことに由来
するんですって。ローラ・チャイルズのユーモア・ミステリー「お茶と探偵」シリ
ーズにはそんなお茶にまつわる薀蓄がぎっしり。
ローズ・ティーは昔の恋人に (コージーブックス) | |
Laura Childs,東野 さやか | |
原書房 |
アメリカ南部の古い町チャールストンでインディゴ・ティーショップというカフェを
営むセオドシア・ブラウニングという南部美人が主人公のシリーズです。その店
の名ティー・ブレンダーである60過ぎの紳士ドレイトンと素晴らしく美味しいお菓
子と軽食を作る若い娘ヘイリーの3人が主人公といった方が良いかもしれません。
こういうシリーズは他にもあります。レシピ付きミステリー。謎解きの方はまずまず
のレベル。読み始めて、あやしいなと思った人物が大抵やっぱり犯人といった感じ。
アール・グレイと消えた首飾り お茶と探偵 3 (ランダムハウス講談社文庫) | |
東野 さやか | |
ランダムハウス講談社 |
魅力はお茶、紅茶から緑茶からハーブティーから、お茶と呼べるもの全てに関
する膨大な薀蓄と、巻末に付いているお菓子や軽食の涎が出そうな、でもカ
ロリーの高そうなレシピの数々!中でもスコーンのレシピがとてもたくさん。
お菓子好きなら是非作ってみたいと思うものばかりです。作者のチャイルズさん、
本当にお茶に造詣が深い人です。中国、インドは言うに及ばず、世界中のお茶を
研究しているようです。もちろん日本のお茶も。「お茶のマグを取って一口飲む。
ドレイトンが淹れてくれた煎茶。日本の緑茶の中でもとくに好きな一品だ。さわ
やかな香り、品のある味わい、香ばしいアンダートーン、、、」こんな一節があり
うれしくなります。
イングリッシュ・ブレックファスト倶楽部 (お茶と探偵 4) (ランダムハウス講談社文庫) | |
東野さやか | |
武田ランダムハウスジャパン |
もう一つ、このシリーズの魅力は舞台となっているアメリカ南部の町チャールストン
の描写です。「風と共に去りぬ」にも出てくるこの歴史ある南部の町はとてもすてき
なところのようです。今後一度行って見たい場所の一つに加わりました。