人の子に熊の子に降る木の実かな
岡本紗矢句集『向日葵の午後』より
もう秋ですね。孫娘と公園に行くと、ドングリがたくさん落ちていました。
ポケットいっぱい拾ってきて、しばらく遊びました。玄関の金魚の水槽
にいるドジョウも飛び跳ねて。童謡「どんぐりころころ」の世界です。
幼い子どもがいると、なかなか大変だけれど、日々の暮らしが活き活
きとし、季節がとても豊かに感じられます。
上の句は「人の子」に「熊の子」を合わせたところが、とても好きです。
私も孫娘も大好きな童謡「あめふりくまのこ」や、大好きな童話「いや
いやえん」の中のやまのこぐちゃん」が思い浮かびます。
この句集には、他にもどんぐりや木の実が出てくるものがあります。
どの句にも何かしらほのぼのとした味わいがあるのは、どんぐりが
まあるい形だからでしょうか。
どんぐりを肩につむりに石仏
団栗や土偶の目の穴臍の穴
理科教師栃の実ひとつてのひらに
以上 岡本紗矢句集『向日葵の午後』より