今年はちょっと遅いけれど、早春の花ミモザが咲き始めました。
南仏の花のイメージですが、この頃はこの辺りでもよく見かけます。
ミモザって本当はオジギソウのことで、この黄色いのはフサアカシ
ヤなのだそうですね。でも今では、ミモザと言ったらだれもがこの
黄色い花を思い浮かべるでしょう。こういうのって物の名前によ
くありますね。いったん取り違えて広まると、そのままになって
しまっているのが。月見草と待宵草がそうです。本当の月見草は
白いかわいい花ですが、今では黄色い待宵草のことをみんな月
見草と呼んでいます。「富士には月見草がよく似合う、、、」という
太宰治の月見草も文中に「黄金色」とあるので待宵草。昔から混同
されていたようです。
夕食にミモザサラダを作りました。黄身をそぼろにして乗せると、
ほんとにミモザの花が咲いたよう。
逢ふたびのミモザの花の遠げむり 後藤比奈夫
ミモザの場合とは違うけれど、私が勘違いしていたのがこの山茱
萸(サンシュユ)です。中国名を音読みしたもので、訓読みでは
ヤマグミと読めます。
庭のさんしゅうの木 なる鈴かけて ヨーホイ
鈴のなるときゃ でておじゃれヨー...
ご存じ稗搗き節の出だしの部分ですが、「庭のさんしゅう」は
ずっとこの山茱萸だと思っていました。でも本当は山椒の木の
ことなんですね。椎葉村の辺りの方言では山椒をサンシュウと
言うのでしょう。まあ、別にどうでも良いと言えば、どうでも良
いことですが。でもとにかく、この山茱萸、春の先触れの鮮やか
な黄色です。
枯色に山茱萸の黄の新しや 高木晴子
この黄金色の花は、その名もめでたい福寿草。お正月の花と思わ
れがちですが、野の福寿草は今頃が盛りのようです。まぶしいよう
な濃い黄色の花が群れてさいているのがとてもかわいい。
福寿草家族のごとくかたまれり 福田蓼汀