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“日本の美”バレエで表現

2019-10-17 07:00:00 | 報道/ニュース

9月24日 NHK[おはよう日本」


熊川哲也さんは
東洋人として初めてイギリス ロイヤルバレエ団でプリンシパルを務めたあと
20年前 日本のバレエ界を盛り上げようとバレエ団を設立。
現在 芸術監督を務めている。

熊川さんが率いる Kバレエカンパニーの稽古場。
熊川さんは新作の最後の仕上げに取り掛かっていた。
タイトルは「マダム・バタフライ」。
有名なオペラをもとにバレエ作品として一から作り上げた。
明治時代の長崎を舞台にした
アメリカ人将校と遊女 蝶々夫人の悲しい恋の物語である。
クラシックバレエで初めて
日本を舞台に“日本の美”を描くという挑戦である。
(Kバレエカンパニー 芸術監督 熊川哲也さん)
「令和になったこの時代
 かつ オリンピックが来年。
 日本人として今のタイミングで
 日本の美しさ・所作
 日本女性の美しさ・忍耐強さを紹介したいと思った。」
リハーサルを見て驚いたのは独特の振り付け。
歌舞伎のような動きや
遊郭の花魁が練り歩くくシーンの足使い。
注目は足の甲である。
内側を向いている。
バレエでは足の甲を外に向けるのが基本なのでとても珍しい動きである。
花魁役を務めるダンサーも初めは戸惑ったという。
(マダム・バタフライ 花魁役 中村祥子さん)
「バレエというのは全部外向き。
 凛とした感じがある。
 輪の世界の表現はすべてがIN(内向き)な感じ。
 うちに秘めたものを表現しないといけない。
 そこは初めての経験。」
バレエの常識を打ち破る今回の挑戦。
他にも大きな壁があった。
衣装である。
バレエを着物で踊るのも初めての試みである。
(熊川哲也さん)
「けっこう難産でした。
 着物でどうやって踊るの?って。
 足を上げたりできないし
 日本女性はそんなことをしたら怒られる。
 “これはだめだ”ってバックギア入れて“帰りまーす”みたいな。」
ここで奮闘したのが長年政策を共にしてきたスタッフたち。
軽くて伸縮性のある素材を組み合わせ踊りやすくした。
(衣装デザイナー 前田文子さん)
「聞いたときは腰抜けそうだった。
 可憐な国 日本の
 一夜の夢みたいなファンタジーになればいいな。」
チーム一丸となって作り上げてきた「マダム・バタフライ」。
本番も近づき
舞台装置も仕上がった。
明治時代をイメージしたさまざまな小道具も登場。
蝶々夫人が生きた当時の長崎の花街を
細かい部分も大事にして再現した。
(熊川哲也さん)
「すごいね。
 この色つきガラス。
 すばらしい。
 わざと曇らせてあるんだね。」
(舞台美術デザイナー)
「ああ もっと良くなるよ。」
誰も踏み入れたことがない世界への冒険とも思える今回の挑戦。
熊川さんは
自分たちにしかできない作品を作り出すことで
世界の人たちを魅了したいと考えている。
(熊川哲也さん)
「今の時代
 日本を引っ提げて海外に出ていくのは古い。
 向こうから来てもらわなきゃだめ。
 日本で根付かせて
 日本ですばらしいものを見てもらう。
 それが本当の国際化だと思う。
 バレエ全幕新作を日本でこの時代に発表できるのは誇りに思う。」

 



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