私は、先日の投稿で、日韓の対外的なあり方について次のように申し上げました。
「日本は、韓国の出方を冷静に見ながら、日韓関係の根本的再構築のあり方を心しずかに考え適宜それを実行に移すことによって、戦後レジームからの脱却の道筋を具体的につけるべきです。それが、日韓問題に対する最善の対処法であると私は考えています。そうすることで、韓国を、日本と歩調を合わせて、中国の覇権主義に臨むほかない地政学的な宿命を分かち合おうとする深い自覚を持つところにまでもっていくことができればと考えます。そうしないと、韓国は、北朝鮮を通じて、結局は中国に呑み込まれてしまうことになるのではないでしょうか。韓国は、日本に反発しながら甘えている場合ではないのです、実際のところ。「反日」というお酒を飲みすぎた酔っ払いのように正体を失くしてふらふらしていてはダメなのです。」
私なりのこういう視点に関わるような、中国の対韓国の動きがありました。お読みください。
韓国に空母を送り「海洋科学基地の撤去」を要求か―中国
韓国が実効支配している暗礁を取り戻す姿勢を中国が明確にした。9月23日、中国政府は無人航空機を利用した遠隔海洋観視システムのデモンストレーションを実施。韓国各紙によると、中国はこの場で「蘇岩礁(韓国名・離於島)を監視対象に含める」と明らかにした。
蘇岩礁は黄海の入り口の、中韓両国のEEZが重なる海域にある。韓国は、自国の方が近いという理由をあげて2003年に一方的にこの暗礁の上に「海洋科学基地」を建設、実効支配に乗り出している。
これに反発する中国は「今後、中国が管轄する海域を海洋観視船と航空機で定期的に監視する」と宣言。9月23日のデモンストレーションにより韓国人は「中国がいよいよ奪り返しに来る」との恐怖を抱いた。
2日後の9月25日には中国初の空母「遼寧」が就役、黄海ににらみを利かせ始めた。
韓国人の空母恐怖症は根深く、昨年この空母が試験公開した際には「韓国は軍事的にも米国・中国と等距離であるべきだ」などという弱気の主張が新聞紙面を飾った。
朝鮮日報のユ・ヨンウォン軍事専門記者は9月25日付の記事「尖閣の次は離於島、中国が地域紛争化の動き」で「中国は海洋科学基地の撤去を韓国に要求してくる」との専門家の意見を紹介している。
中国人がこれを読んだら「韓国人は竹島では『日本に苛められそうだから助けてくれ』と中国に泣きついたくせに、釣魚島(尖閣諸島)では日本に味方して中国を非難し、反中連帯の音頭をとるのか」と怒りだすに違いない。
しかし、日本の“良心派”も、もう韓国を助けられない。韓国の誤算は、9月26日の安倍晋三氏の自民党総裁就任である。安倍氏は産経新聞のインタビューで「過去に自民党政権がやってきたことも含め、周辺国への過度の配慮は結局、真の友好につながらなかった」と語っている。
詳細 2012/10/2
蘇岩礁(韓国名・離於島)をめぐる中国の上記の動きは、南沙諸島をめぐる対フィリピン・ベトナムのそれや、尖閣諸島をめぐる対日本のそれと連動したものであることはいうまでもありません。
この、海をめぐっての中国の覇権主義の本格的な始動は、今後強まることはあっても弱まることはありえません。
それゆえ、中国からすれば、竹島や天皇をめぐって韓国と日本が仲違いをすることは、願ったり叶ったりの事態なのです。逆に言えば、日本と韓国が共同戦線を張ることは、中国としてはなんとしても避けたい事態なのですね。
日韓の関係悪化は、韓国側の原因としては、不健全な反日意識が挙げられます。日本側の原因としては、行き過ぎた配慮外交・自虐外交が挙げられます。その底流には、近年における両国の経済の不振状態があります。そのことを双方とも冷静に反省し、違いは違いとして踏まえつつ、極東情勢は、日韓が仲違いしていられるほど、悠長なものではないことを、一日でも早く悟らなければなりません。
その点、気になるのは、上記の記事の中の「『韓国は軍事的にも米国・中国と等距離であるべきだ』などという弱気の主張が新聞紙面を飾った。」という指摘に見られる、韓国の対中国姿勢のブレです。
韓国にそういうブレがあると、日本と韓国の足並みはいつまでたっても揃いません。そうすると、韓国は、結局のところ中国の「再興された中華帝国」の軍門に下ることになるでしょう。
そのブレの根にあるのは、李朝・儒教原理主義王朝体制五〇〇年間に育まれた対中国の事大主義(長いものに巻かれろ精神)です。
また、その事大主義の温存に一役買っているのが、韓国の歪んだ反日的な歴史観です。韓国は戦前日本の収奪・搾取によって自立的な近代国家になりえなかったとする歴史観を固く信じているのです。つまり、日本が邪魔さえしなければ、韓国は自力で立派な近代国家になりえた、というわけです。
ところが、実際には、1910年の日韓併合までに、お家芸の、両班たちの権力闘争によって、当時の李朝は、自力での近代化の芽を根絶やしにしてしまっていました。独立党のリーダー金玉均の惨殺などは、その象徴です。そうして、その後のいわゆる「日帝36年」によって、近代化のためのインフラ(社会経済的基礎)が整備されるに至ったのは自明の歴史的事実です。
そういう歴史的な事実を覆い隠す戦後日本の自虐史観が、韓国の宿痾としての事大主義の温存やそれを補完する反日的な歪んだ歴史観の持続に一役も二役も買ってきたのは明らかですね。
韓国が、対中国の姿勢におけるブレを失くすためには、歴史的無意識と化した事大主義を自覚し、それから脱却することが必要なのです。
そのためにも、日本は自虐史観と過度の配慮外交から脱却しなければならないと、私は考えています。日韓の今回の行き違いが、そのきっかけになればいいのですが。誤った歴史観は、最後は国を滅ぼすに至るのです。
「日本は、韓国の出方を冷静に見ながら、日韓関係の根本的再構築のあり方を心しずかに考え適宜それを実行に移すことによって、戦後レジームからの脱却の道筋を具体的につけるべきです。それが、日韓問題に対する最善の対処法であると私は考えています。そうすることで、韓国を、日本と歩調を合わせて、中国の覇権主義に臨むほかない地政学的な宿命を分かち合おうとする深い自覚を持つところにまでもっていくことができればと考えます。そうしないと、韓国は、北朝鮮を通じて、結局は中国に呑み込まれてしまうことになるのではないでしょうか。韓国は、日本に反発しながら甘えている場合ではないのです、実際のところ。「反日」というお酒を飲みすぎた酔っ払いのように正体を失くしてふらふらしていてはダメなのです。」
私なりのこういう視点に関わるような、中国の対韓国の動きがありました。お読みください。
韓国に空母を送り「海洋科学基地の撤去」を要求か―中国
韓国が実効支配している暗礁を取り戻す姿勢を中国が明確にした。9月23日、中国政府は無人航空機を利用した遠隔海洋観視システムのデモンストレーションを実施。韓国各紙によると、中国はこの場で「蘇岩礁(韓国名・離於島)を監視対象に含める」と明らかにした。
蘇岩礁は黄海の入り口の、中韓両国のEEZが重なる海域にある。韓国は、自国の方が近いという理由をあげて2003年に一方的にこの暗礁の上に「海洋科学基地」を建設、実効支配に乗り出している。
これに反発する中国は「今後、中国が管轄する海域を海洋観視船と航空機で定期的に監視する」と宣言。9月23日のデモンストレーションにより韓国人は「中国がいよいよ奪り返しに来る」との恐怖を抱いた。
2日後の9月25日には中国初の空母「遼寧」が就役、黄海ににらみを利かせ始めた。
韓国人の空母恐怖症は根深く、昨年この空母が試験公開した際には「韓国は軍事的にも米国・中国と等距離であるべきだ」などという弱気の主張が新聞紙面を飾った。
朝鮮日報のユ・ヨンウォン軍事専門記者は9月25日付の記事「尖閣の次は離於島、中国が地域紛争化の動き」で「中国は海洋科学基地の撤去を韓国に要求してくる」との専門家の意見を紹介している。
中国人がこれを読んだら「韓国人は竹島では『日本に苛められそうだから助けてくれ』と中国に泣きついたくせに、釣魚島(尖閣諸島)では日本に味方して中国を非難し、反中連帯の音頭をとるのか」と怒りだすに違いない。
しかし、日本の“良心派”も、もう韓国を助けられない。韓国の誤算は、9月26日の安倍晋三氏の自民党総裁就任である。安倍氏は産経新聞のインタビューで「過去に自民党政権がやってきたことも含め、周辺国への過度の配慮は結局、真の友好につながらなかった」と語っている。
詳細 2012/10/2
蘇岩礁(韓国名・離於島)をめぐる中国の上記の動きは、南沙諸島をめぐる対フィリピン・ベトナムのそれや、尖閣諸島をめぐる対日本のそれと連動したものであることはいうまでもありません。
この、海をめぐっての中国の覇権主義の本格的な始動は、今後強まることはあっても弱まることはありえません。
それゆえ、中国からすれば、竹島や天皇をめぐって韓国と日本が仲違いをすることは、願ったり叶ったりの事態なのです。逆に言えば、日本と韓国が共同戦線を張ることは、中国としてはなんとしても避けたい事態なのですね。
日韓の関係悪化は、韓国側の原因としては、不健全な反日意識が挙げられます。日本側の原因としては、行き過ぎた配慮外交・自虐外交が挙げられます。その底流には、近年における両国の経済の不振状態があります。そのことを双方とも冷静に反省し、違いは違いとして踏まえつつ、極東情勢は、日韓が仲違いしていられるほど、悠長なものではないことを、一日でも早く悟らなければなりません。
その点、気になるのは、上記の記事の中の「『韓国は軍事的にも米国・中国と等距離であるべきだ』などという弱気の主張が新聞紙面を飾った。」という指摘に見られる、韓国の対中国姿勢のブレです。
韓国にそういうブレがあると、日本と韓国の足並みはいつまでたっても揃いません。そうすると、韓国は、結局のところ中国の「再興された中華帝国」の軍門に下ることになるでしょう。
そのブレの根にあるのは、李朝・儒教原理主義王朝体制五〇〇年間に育まれた対中国の事大主義(長いものに巻かれろ精神)です。
また、その事大主義の温存に一役買っているのが、韓国の歪んだ反日的な歴史観です。韓国は戦前日本の収奪・搾取によって自立的な近代国家になりえなかったとする歴史観を固く信じているのです。つまり、日本が邪魔さえしなければ、韓国は自力で立派な近代国家になりえた、というわけです。
ところが、実際には、1910年の日韓併合までに、お家芸の、両班たちの権力闘争によって、当時の李朝は、自力での近代化の芽を根絶やしにしてしまっていました。独立党のリーダー金玉均の惨殺などは、その象徴です。そうして、その後のいわゆる「日帝36年」によって、近代化のためのインフラ(社会経済的基礎)が整備されるに至ったのは自明の歴史的事実です。
そういう歴史的な事実を覆い隠す戦後日本の自虐史観が、韓国の宿痾としての事大主義の温存やそれを補完する反日的な歪んだ歴史観の持続に一役も二役も買ってきたのは明らかですね。
韓国が、対中国の姿勢におけるブレを失くすためには、歴史的無意識と化した事大主義を自覚し、それから脱却することが必要なのです。
そのためにも、日本は自虐史観と過度の配慮外交から脱却しなければならないと、私は考えています。日韓の今回の行き違いが、そのきっかけになればいいのですが。誤った歴史観は、最後は国を滅ぼすに至るのです。
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