メイおばさんの料理帖

「メイおばさんの宝箱」からはみ出してしまった料理や食べ物や食文化のお話を世界のいろいろな場所から楽しくお届けします。

その味、そのセンス、そのバランス、そのプレゼンス!

2017-04-07 23:42:58 | レストラン

「ディナーの御案内

御家族や友人とぽわぶるでゆっくり御食事しませんか….?!

 

要予約おまかせコース

4,320yen(税込み)

お料理 5品

パスタ

デザート

コーヒー

 

*デザートなし  3,780yen (税込み)

 

前日キャンセル 半額

当日キャンセル 全額

ご負担となります。

 

なお、御料理は全員揃ってからのスタートとなりますので御了承下さい。

 

御予約はお早めに、、、、。(お店が小っちゃいものですから)

 

夜の営業(火~土)は、御予約のみとなっております。」

 

これが思わず見過ごししまいそうな小さな食堂の

中に入ればもっと小さな食堂の案内です。

つまりおまかせ、メニューはありません。

何が出てくるかはわかりません。

 

そして驚いたことには

その味、そのセンス、そのバランス、そのプレゼンス!

 

カウンターの向こうのたぶん小さな厨房には

たしかに誰かのいる気配はするのですが

その誰か、つまり料理人は一切顔をみせてくれません。

ご夫人らしき方だけが

テーブルとカウンターの間を行き来します。

私たち3人の他に客は誰もいやしません。

 

メニューがありませんから

次はいったい何が出てくるのか

いったいあとどれだけ出てくるのかもわかりませんが

あまりの美味しさに魔法をかけられて

もう何が出ようとウェルカム。

 

友の退職を祝っての労いの会でした。

 

幹事役の友に

「どうやってこんな隠れ家みたいな不思議で素敵な小さなお店を見つけたの?」

と聞いたらば

「自分でもよくわからないうちに予約をしてたんだ。」

 

う~ん、ますます謎めいて

もしかしたらこれって幻だったのかしら。

みんなで同じ夢を見ていたのかしら。

明日行ってみたら、どこにもそんなお店なんてなかったりして。

そんなことまで思わせる場所でした。

 

まずはこれで乾杯です。

ほらねえ、背景だって決してお洒落でもなければ

洗練されてもいないでしょ?

 

頃よいタイミングを見計らってマダムがお皿を運んできます。

一皿目から驚きでした。

期待を大きく上回るプロの味でした。

 

大きな帆立とグリーンアスパラとロマネスコ。

筍と空豆とタラの芽と

お皿の上は小さな春です。

あまりの美味しさにただただ無言です。

 

百聞は一見にしかずで、あとは解説抜きでまいります。

 

などと言いながらちょっと一言。

きちんとした茹で方の、きちんとした硬さを残したパスタです。

ハムとベーコンとほうれん草

たっぷりの香り豊かな黒胡椒

ぱらぱらと青海苔がかかっています。

 

まるで春の小鳥の巣のような、、、、

 

スフレのなんという美しさ。

甘みを抑えたなんという軽さ。

 

まるで友と3人で春の夢を見ていたよう。

あのカウンターの向こうのキッチンには

いったいどんなシェフがいたのでしょう。

 

夫も子供たちも

グルメ友たちも

いつか連れて行きたい店です

 

でも、もしかして

行ってみたらあの路地には何にもなかったりして、、、

ふとそんな気持ちになるような不思議な場所でした。

 

読んでくださってありがとうございました。
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