メイおばさんの料理帖

「メイおばさんの宝箱」からはみ出してしまった料理や食べ物や食文化のお話を世界のいろいろな場所から楽しくお届けします。

地中海ダイエットは何処へ~マルタの問題

2016-01-15 23:55:10 | 地中海ダイエット

地中海と聞いてどんなイメージを思い浮かべます?
紺碧の海、新鮮な魚介類、色鮮やかな野菜と果物
美味しいワインと陽気な暮らし?

まあ、地中海諸国と言ったってその周りを取り囲むのは
スペインから時計周りでイタリア、ギリシャを通過して
トルコから北アフリカの国々へとひとまわり
真ん中の海の部分に浮かぶ二つの国、キプロスとマルタを合わせて
軽く20を越しますが。

そのうちのひとつ、ミニミニ国のマルタにメイおばさんが行ったのは
もう40年以上も前のこと。
ローマから飛びました。

どのくらいミニかと言えば
日本の面積が37.8万平方キロメートル
マルタは316平方キロメートル!
人口はおよそ日本の320分の1!

確かに小さな国でした。
それでもれっきとしたEUのメンバー国です。

この地中海の国で今、とんでもない問題が持ち上がっています。
健康と長寿で知られるのが「地中海ダイエット」なのに、、、、、

何だと思います?
まさかの「肥満」です。

それについて大きく報じた昨年12月23日の
「International New York Times」の記事は面白くも深刻です。


写真には甘いお菓子を買う3人の「なるほど」の後ろ姿。


記事によれば現在のマルタの人々のお気に入りは
朝ごはんは「パスティッツイ」と呼ばれる
ダイア型のペストリー。
バターとラードとリコッタチーズがたっぷりです。

昼ともなれば高カロリーのミート&パスタのパイ。
お菓子屋さんのウインドウディスプレイはチョコレートとビスケット。
ジャンボハンバーガーの店は大人気。

「菜園の野菜を使ったスープや、地中海の恵みの魚を使った料理はどこへ行ってしまったのか?このまま行けば、糖尿病患者の数はますます増え続ける!」
と、記事は問題提起をしています。

実際、すでにしてこの小さな国マルタの糖尿病患者数の人口に占める割合は、ヨーロッパ諸国のうち最も高い14%だそうです。
心臓疾患による死亡率もEU平均の2倍以上だとか。それらはこの国の平均寿命にまで影響を及ぼし始めました。

さすがに青ざめたマルタ政府は、母親教育に乗り出したり、学校給食の改善を始めたり、車に乗らずに歩くように指導し始めたり、、、、

まあ、こんな感じで記事が続くのですけれど、マルタ政府の結論はやっぱりこうでした。

「We are telling our people to eat a Mediterranean diet.」
(地中海ダイエットを国民に呼びかけています。)

さてさて、この肥満問題、今後どう改善されて行きますか、、、、、
野菜や豆や乳製品を中心にして、運動をして、、、、、、
そんな「地中海ダイエット」についてはまたいつかあらためて書きますね。
この食事スタイル、いえより正確に言えばライフスタイルは
2010年秋にユネスコの無形文化遺産に登録されました。

でもね、メイおばさん、さっきから一生懸命思い出そうとしているのですけれど
40年前に行った時には、肥満の人たちはあまりいなかったように思うのでです。
日本でもアメリカでも、およそどこの国でもそうでしょうが
食生活のスタイルが変わってきているのでしょうね。
良くも悪くも。

長い文章を読んでくださってありがとうございました。
ランキングの方もどうぞよろしくお願い致します。
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