物言えば唇寒し秋の風
まだ、梅雨の走りではありますが。口に上らせると取り返しがつかないということは昔からあり、固く戒められております。うっかり口を滑らす、うけを狙って軽くジョークを言う、奇をてらったり他者との差別化のために態と過激な表現をする、ひとそれぞれではありますが、共通するのはそういう何気なく口にする(書く)言葉が、その人の本質を具現化するものであります。普段思っているから本音がポロリとこぼれるのです。
今の時代は、ネットやSNSであっという間に拡散いたします。一旦口にしたものが公になったとたん勝手に一人で拡散いたします。あとから、取り消そうが、言い訳しようが「真意」を解説しようがもう手遅れであります。
このブログで1,2回取り上げた「高橋(元)内閣官房参与」、最近の感染拡大のグラフをさざ波と言い、「笑笑」、緊急事態なんて「屁のようなもの」と表現いたしました。結局は参与を辞任する羽目になりました。この方は元財務官僚で数学・経済学者だそうです。理系の研究者や解説者にありがちな独りよがり、他人の意見や人間関係を軽視し、自分の頭(理論)が一番と考えるタイプの人です。口癖は「これは非常に単純な理論で説明がつく」というもの、世の中の事象・経済動向などを一つの理論で説明がつくというのがお得意です。ワタシ達は経験上、株価や景気、政策などは極めて複雑な条件や無数の人たちの営み、ミクロの事柄が積もった行動で構成されていることを知っています。マクロしかみていない学者の1+1=2というような算数で説明がつくようなことはほとんどないのです。
「まず(菅さんの口癖)」、高橋さんは非常勤ですから、と菅さんは弁明しました。非常勤で個人的な発言だから何を言っても構わないという屁理屈です。自分の本人も反省しているようです、と菅さんは自身の任免責任に及ばないようなことを仰っていました。「こんな人間に内閣の政策立案にかかわらせたのは自分の不明の致すところ、恥ずかしくお詫びします」というべきでしょうな。高橋さんは、ある意味、時の人になったので、むしろ自分の売名行為として喜んでいるのかもしれません。少なくともこんなことで反省するようなタマではありませんよ。
JOCのコーツさんが「絶対に開催される」 (総理がIOCとバイデンさんにそう言っている)と言っています。バッハ会長は「緊急事態宣言について東京五輪とは関係ない」 「オリンピック開催のために犠牲を払う必要がある・We have to make some sacrifices to make this possible 」と公言しました。これが何を指すのか議論され、JOCも火消しに躍起になっているようです。問題の「We」はJOCを指すのか、東京や日本という開催国をさすのかというものです。自分たちJOCがもしオリンピックの為に犠牲を払うつもりなら、JOCによる金銭的な支援などの具体策を明言し、開催のためにこれだけの努力と資金を用意すると言うでしょう。何を犠牲にするか明言しないのは、自分たちが負担するつもりも具体策もないことを語っていると理解すべきです。言葉通りなら、Weは、訳す必要はなく主語は「オリンピック」で、崇高な精神を持つ世界が待ち望む大イベントなので、実施するためには多少の犠牲(者)や損をする人・団体が出てもやむを得ないのだという論旨であります。
早い話、俺様が儲かる商売だから、日本人が死のうが経済がどうなろうか屁の河童知ったことか、が本音なのです。なのにいまだに「国際社会への公約」だ「中止すれば日本の信用が落ちる」などともっともらしいことをいう政治家や解説者がいます。それこそ屁にもならない屁理屈です。公約なんてすぐに破るのが自民党のくせに。理屈と膏薬はどこへでも付くこれこそが日本社会を覆う悪癖、コロナ感染拡大の元凶でもあります。口ではコロナ対策、感染防止を「国民の健康と暮らしを守ることが最優先」といいながら、実際は、検査やワクチン接種が進まない理屈ばかりを並び立てています。Gotoを推し進め五輪を強行しようとしています。
二階さんが、1億5千万円の関与を否定したのに、一転して安倍前総理と幹事長の責任だと言いなおしました。河合夫妻の買収事件に主導的な役割だったのに、火の粉を払おうとして「関係ない」と言い張ったのですが、さすがに世間はそれでは通らず、甘利さんもきっぱりそれを否定しました。
誰か特定の人間が決めたのではなく組織が決定して、その責任者が自分と安倍さんだったというのです。どうやら、自民党さんは、個人が考えて立案したり方向性を決めるのではなく、目に見えない組織さんというゴーストが操って決定するんだそうですよ。声はすれども姿は目に見えず、ほんにあなたは屁のような、というところでしょうか。
それにしても後ろに突っ立って、いちいち二階さんの言葉の補足をしたり、記者の発言を制したり、二階さんを遮って発言する「林幹事長代理」というマスクの爺さんはなんとも目障りですね。自他ともに認める党の最高責任者をの幹事長を差し置いて、会見の質問に答えるというのは、二階さんが耄碌したので発言をさせない、言った内容を修正するということなんでしょうが、その言いぐさはおざなり、こうお粗末で屁のツッパリにもなりません。それどころか、二人の挙動は「老々介護」をしているようにも見えます。