植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

作ったものを売る 一石五鳥

2021年05月23日 | 篆刻
自分で作ったものを売って「おあし」を稼ごうという話をいたそうというわけです。

 隠居生活に入って暇にあかして土いじりを始めました。草花程度だったらどうともなかったのですが、菜園で野菜を作りさらに果物に手を出しました。種で増えるもの、挿し木で増えるもの、球根や株分けを覚えますと、つい面白くて増やししまいます。メダカを飼い始めたら、こいつがドンドン増えてまいります。となると、そのうち余り物が出てまいります。もったいないのでご近所さんに配ったりしていたんです。

 最近では、クサイチゴの畑が充実して沢山獲れるようになったものだから、知り合いのケーキ屋さんに持ち込んで喜ばれました。さらにマルべりー(桑の実)が豊作だったので初めてジャムを作りました。思いのほか美味しいもので、やはりそのケーキ屋さんに分けてあげました。このケーキ屋さんは開店して1年足らず、せがれの同級生なので、クラウドファンディングで支援して以来、なにかと応援しているのです。
 
 メダカは、いつの間にか増えすぎたので、昨年からカナちゃんの花屋さんで売るようになりました。1パックがミックスメダカ8匹(ミユキメダカ1匹入り)で500円、破格の安値なので10個持ち込んでもその日に売り切れるそうです。昨年は飼っているメダカが3千匹に増えて、100パック800匹を売りました。ワタシの取り分は1万円、目的はメダカの口減らしのためなので、もうけは度外視、容器代程度でいいと鷹揚に構えておったのです。

 この花屋さんにはワタシのガーデンで栽培していて余った苗や鉢植えを少しばかり持って行って安く売って貰ったりしています。いずれもワタシにはコーヒー代程度にしかなりませんが、増えすぎた植物を持て余し気味なので、タダで引き取ってもらってもいいくらいなのです。

 最近では、篆刻にはまり夢中で彫っております。ある程度「さま」になって来たので、知人に彫ってあげるということをここ半年続けております。ほぼ毎日印材をいじり、熱心に彫っているのでそこそこ上達してきました。自分の彫った印は「印譜」として集印帳 に押印します。人に差し上げると何も手元に残りませんから。たまに前のを見直すと、最初の頃は稚拙でがっかりします。彫った当座はよく彫れた、と思っても時間がたち、自分の経験や印影の良し悪しを見る目が備わると初心者の細工はやはりお粗末に見えてくるのです。「目が肥えてきた」と言えるでしょうか。

 そして、思い立ったのが、篆刻印を「受注販売」してみようか、ということです。今まで50人ほど印を彫りましたが、当然一度もお金を頂戴しておりません。ちゃんと修業した専門の篆刻家さんの足元にも及びませんから。送料も面倒なのでワタシの負担にしています。どちらも知り合い・友人・そのまた関係者なので、拙作の印を気持ちよく受け取ってくれますし、たまにお礼の品(お菓子やハチミツ、お茶など)を頂戴したりしています。

 しかし、手早く要領のいい(粗製乱造)ワタシでも、一個彫るのに刻字の構想から印面磨き、彫り、側款などの仕上げを入れると半日はかかります。また、印材でもヤフオクで入手する中古品が主体ですが、元手はかかっているのです。未熟で下手とはいえ、気持ちを込めて集中して彫るので、それなりの出来で喜ばれています。お世辞でも「家宝にする」「こんなものを作って貰ったのは生涯で初めて」などと言われると励みになります。

 これまでは、どうせただなので、言い方は悪いけれど適当にササッと彫っても多少ミスしてもいいかと思う気持ちもあったのです。もし、お金をもらうとしたら、それにふさわしいクオリティーの商品(篆刻印)を提供しなければなりません。喜んでもらうだけでなく、料金の割にはいいものが買えた、と思ってもらわないと。そうなると丁寧に一段上の篆刻印を彫る技術も磨かれるのではないでしょうか。

 1000本以上に増えた手元の印材を減らす、技術が向上する、安い落款印を欲しい人に喜ばれる、ワタシの懐がちょっと暖かくなる。そして、何より自分の創り出すものに付加価値が加わり、普段の篆刻印作りが意味を成す=自分の技術や作品が客観的に認められる、ということになりましょう。まさに一石五鳥なのです。

 今のプランは知り合いのお店(飲食店・美容院・鍼灸院)など女性や中高年の方が出入りするところに、印のサンプルや「印譜」を置き、プライスリスト兼案内文のチラシを作成して取次販売を願ってみようということです。店側に払う取次ぎ手数料は30%かな。専門の篆刻家さんの25%~40%の値段で、最低価格5千円から、高級印材を使用した落款用三顆印 5万円にしようかな、と思います。もし売れればワタシはともかく、お店にとっては簡単な物販・まるごと利益になりますしね。

 注文が無くてもちっとも構いません。元々ワタシには商才はありませんし、別におまんまが食えない程、金に困ってるでなし。イニシャルコスト(初期費用)や設備投資も無いのでノーリスクなんです。毎年確定申告は致しておりますが、どう考えても納税額が増える懸念はありません。費用の方が明らかに大きいのですから。

 なんでも物は試しであります。もし本当に注文が来たらどうしよう(笑)。高級レストランのディナー、初めてのデート、ゴルフコンペ、どれもする前が一番ワクワクするものです。


 


 
コメント
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