植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

新米自治会長のボヤキ

2021年05月30日 | 雑感
この4月からくじ引きみたいなもので引き受ける羽目になった自治会長のワタシ。それまで自治会とは全く無縁、地元のイベントはすべて無視してきたことへの報い(祟り)でしょうか。全く興味も実際のかかわりもない、さらに言えば地元の人間にほとんど知り合いのいない言わばよそ者なんです。

引き受けざるを得なかったのは、高齢化で自治会の理事の3割が80歳前後の高齢者、仕事を持ち現役で働く人が4割、残りも重い病気持ちや介護家族があるパート社員などで、人の世話を焼いたり自治会町内会活動をするどころではない人がほとんどだったからであります。
 
つぶさに見れば、連れ合いの方が無職で自由が利くとか、仕事は嘱託なのでその気になれば時間は取れる、という人もいたのでしょうが、そういう断る理由を用意している以上は更に詮索も出来ません。

 その点ワタシは、客観的にみれば妻も含め「健康」「家に病人も要介護もいない」「生活に窮していない」「自由業」と辞退する理由が見つからないのです。一応会社経営者、早朝からゴミ拾いや草むしり、ブログに書道、篆刻、メダカ、ガーデニングなど山ほどやることがあるので休日もなく夕方まで大忙しではありますが、自由がきいて体の制約は全くないのです。つまり自治会の仕事があってもどうにでもなる、というありがたい(笑)身分でもあるのです。

 しぶしぶ引き受けました。長い人生の中で地域への貢献が、いつか必要だと考えていたのも事実です。隠居した70歳過ぎの爺さんでも務まるのですから、ワタシのような60歳代でPCや書類作成、交渉事などにも抵抗のない人間ならどうということもなかろう、というのが観念した理由でもあります。

 前任者は、やはりあまり自治会には熱心でなく元はよそから引っ越してきて数年で、引き受けさせられて気の毒であったようです。様子がわからない中で2年自治会長、後半の一年はコロナでほとんど活動休止となっていたようです。理事会も1年全部中止、これならある意味楽が出来たのです。

 引き継いで困ったのが、過去二年間の資料が無い、ということでした。どういうものか会長引継ぎで貰ったのがノートパソコン1台、スマートメモリー、ハンコ、町内の独居老人など災害時介助対象者リスト、そして配布すべき印刷物の山でした。全く過去二年間の活動を示す文書や資料が無いのです。PCに保存してある文書は理事会通知文ですが、実際に理事会が行われていないので項目しかわかりません。おそらく機能不全に陥っていたのでしょう。

 それで、新旧交代のあいさつも無し、予算決算を伴う総会は公民館の屋外実施、新任理事はほったらかしで、旧役員間で口論が始まりました。「要望や懸案事項が何も解決できていない。」と辛口のおばさま役員たちが会長などの執行部に文句をつけ始めたのです。新任役員(理事)たちは何のことかわからず傍観するだけ。やむなく「問題がわかったけれどここで議論しても埒が明かないので、先に進めましょう。」と助け舟を出したのがワタシの新会長の初仕事(笑)でありました。

 去年の台風で壊れた児童館(自治会の集会場)屋根の修理が行われていない、もとから調子が悪かったコピー機が年初に完全に壊れたのに修理買い替えをしていない、というような問題を先送りしていたようです。会長引継ぎでも何も言及していませんでしたな。

 結局新旧理事同士の簡単な引継ぎ以外には、お互いの顔合わせもあいさつの機会もなく、いまだに新メンバーの名前と顔がわからないのであります。年寄りばかりでスマホ使用者は少数、ガラケーを持っていても普段使ってないとか、競輪の警備の仕事で不在が多く携帯も出られない、などまともな連絡網も作れません。

 すでにして、就任後2か月経過し、市や各団体では自治会に関わる活動は進行しているので、配布物(回覧板)、各団体の総会招集、会合、小イベントなどあちこちから電話と郵便が毎日舞い込んでおります。どれも初体験、様子がわかりませんし、相談相手は家内だけであります。

 引き受けた以上、意地でも責任をもって2年間自治会の仕事を完遂せねば、その一念で、あちこち調べ聞きまわり状況の確認し、最低限やるべき事柄をなんとかこなしております。

 コピー機も家内と一緒にヤマダ電機で適当な機種を見つけ購入いたしました。初期セッティングも理事への操作説明もこちらが行いこれは落着しました。屋根の修理は、前任会長が放置していた理由がうっすらわかりました。昨年の台風で児童館の屋根の30%くらいが剥がれたのだそうです。近所の工務店のおやじ(町内会の古参)が緊急補修(屋根に上ってめくれた屋根材を仮止め)していました。スレート瓦ではなく屋根用の分厚い樹脂でできたシートで出来ていて、その下の板材がすでに腐って留め具がきかない状態で、板を全面張替えしないとならないのです。幸い火災保険に入っていたので、保険金申請をしてあり入金も確認しました。

 ではなぜ着工できなかったか。おそらく保険金(約40万円)と工事見積額66万円の差額の支出を決めることが出来なかったのでしょう。これは、工務店側が、ついでに傷んだ側壁の塗装工事(40万円ほど)をやるべきだと主張したことに起因する様です。100万円以上におよぶ補修費用を自治会の理事会で決定できなかったのは、会長が理事会を開かず、会の中止書面にも載せず、副会長などとも相談していなかったからなのですね。

 そろそろ台風の季節が近づくというのに、台木の板が腐ったのに釘で仮止めした屋根を放置するわけにはまいりません。工務店との折衝や過去の資料をいろいろ探し、物知りの人にも聞いて、ともかく児童館が設置してある公園の管理者(市の公園課)に行ってきました。建設時からの申請書類や補修に関わる制度をヒアリングいたしました。更に、こうしたケースは補助金がでるらしい、とい情報も持っていたので、その取扱い部署にもうかがいました。

 昨年の災害なので、新年度の予算対象にはならない、コロナで事業予算が削られている、前年度の申請が無いので予算措置されていない、さりとて来年度予算に組み込むことは制度上不可能、とにべもない回答でありました。実は、そこはワタシのもっとも得意分野なんです。金融機関勤務時代、10年ほど自治体や官公庁の担当として交渉事に携わり役所の会計には精通しております。更に、どこに役人の弱点があるかもよく知っておるのです。

 市の補助金は、補修設備工事費の半額が上限であります。屋根の補修は66万円ですが、この「半額を補助せい」というのは保険金があるのでさすがに無理筋です。それを差し引くと26万円、せめてその半分を出してくれと粘ったわけです。(これ以外の交渉術はあえて明かしませんが)

 翌日申請書類が届きました。ぐずぐずと渋る市の係が内諾したのです。書類はワタシが作成します。来月の理事会にかけて承認されれば、すぐに工務店に着工してもらいます。新米会長として13万円ほどの出費を減らすことが出来たわけんですね。

 はぁ、こんなことばかりが当分続きそうなんです。毎日のように自治会の雑務などに時間をとられるので、メダカ、日記、ツムツム、書道など、どれかにしわ寄せが出てきました。あと22か月、長いなぁ。


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