すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【ロシアW杯最終予選】前へ出てくる相手にコレクティブ・カウンターが炸裂 〜日本2-1イラク

2016-10-07 11:10:57 | サッカー日本代表
清武の超絶テクニックに花束を

 日本が地獄の底からはい上がった。清武のテクニックと原口のダイナミズムが呼んだ劇的なサヨナラ勝ち。戦術うんぬんじゃなく、個人個人の魂と激闘でもぎ取った勝利だった。これで4位の日本から1位オーストラリアまではわずか勝ち点「1」差のダンゴ状態。あとは11日のオーストラリア戦に勝てば日本は完全浮上できる。

 日本は試合開始3分、いきなりイラクのコーナーキックから絶対的なピンチを迎える。だがイラクのきわどいヘディングシュートがわずかに外れるのを見て、今日の日本は「持っているな」と確信した。

 現に立ち上がりから日本はいつも通りフリーランニングが少なく、エース本田のコンディションも悪かった。前が詰まって遅攻になれば、チームとして局面を打開できないのも相変わらずだ。試合内容は決してよくなかった。

 だがイラクはマイボールになるとかなり前がかりになるため後ろにスペースができ、日本の1点目のように速攻カウンターの形にさえなれば日本は十分なスペースを持って攻め切ることができた。原口のあの1点目は、ハリルが常々標榜するコレクティブ・カウンターの見本のような得点だった。

 これまで日本は引いて守るアジア勢に苦しめられてきたが、ここにきて速いカウンターを重視する日本のスタイルが前に出てくる相手(イラク)と初めて噛み合ったわけだ。

原口、魂のプレスバックでチームを鼓舞

 選手個々のがんばりも光った。香川を押しのけトップ下に入った清武は、超絶的なテクニックで見せ場を作った。原口の1点目は、清武の縦へのドリブルからパス出しのあとのオーバーラップ、そして原口へラブレターを贈るような最後のセンタリングと、清武が1人3役をこなした。半分は清武の得点だった。

 また絶好調の原口はダイナミックなドリブルから魂のプレスバックまで、攻守に冴え渡った。彼のように強いメンタルで激しく敵と競り合うプレーがチームを奮い立たせ、最後にはサッカーの神様を納得させて「ツキ」を呼び込むのだ。

やっと頑固なハリルが「香川外し」を決断した

 これまで本ブログでは、不調の香川をスタメンから外せと何度もくりかえし提言してきた。やっとそれが実った形だ。メンタルの弱い香川の自信なさげなプレーがチームから覇気を奪い、やがて運にも見放されていく。だが逆にこの日の清武や原口のような強いメンタルで敵をねじ伏せる劇闘はチームを鼓舞し、ツキを呼び込む。勝負とはそういうものだ。

 控えに甘んじていた選手を使ってやれば、「よし、やるぞ!」と奮闘する。その必死の働きがチームを活性化させ、幸運を引っ張り込む。選手起用でどう「運気」を味方にするか? は死命を制する。

 ゆえに香川と本田をアンタッチャブルな存在にしているハリルの選手起用は、まったくナンセンスだ。一方の本田にしろ、この日もどう見てもコンディションがいいようには見えなかった。今後は本田に関しても結果が出なければ適宜スタメンから外し、武藤や小林のような新しい風を送り込むべきだ。

 ここからだ、ニッポン。
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