すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【リオ五輪はこう勝て】OA枠でビルドアップ自在な攻めの形を

2016-02-06 09:12:27 | サッカー日本代表
まず組み立ての見直しが第一歩だ

 いまのサッカー五輪代表がやっている最終ラインからのビルドアップは、大きく2パターンに分けられる。DFの植田、岩波がアバウトなロングボールを前線に放り込み、FWやMFが競ってそのこぼれ球をなんとか拾う形がひとつ。そしてもうひとつは、SBかボランチを経由してSHにボールを預け、ここで必ず敵と競り合いになってしまい、そのこぼれを拾ってマイボールにするパターンだ。

 いずれにしろ相手といったん競り合いになり、ルーズボールを「うまく回収できれば形になる」というやり方である。つまり出たとこ勝負のギャンブルにすぎない。そこでオーバーエイジ枠により、この不確実なビルドアップをもっと計算できるものにしたい。

CB森重とMF青山がビルドアップの軸になる

 具体的には、中長距離の正確なパスが出せる森重をCBに使い、高さと強さはあるがフィード力のない植田と組み合わせる。また左右両サイドに正確なパスを振り分けられる広島の青山を、遠藤とセットでボランチに使う。これにより植田と両SBは、困ったら森重か青山にボールを預け、フィードを委託できる形にする。

 森重はフリーになる動きをするFWやMFに正確なロングパスが出せるし、青山は大きく開いたSH(中島や南野、矢島)に放射状のボールを出す展開力がある。彼らが組み立ての第一歩になれば、最終ラインからのビルドアップは飛躍的に計算できるものになる。

 特に中島はせっかくキープ力とシュート力があるのにパスが足元にしかこないため、後ろ向きにボールを受けることが多い。そのため敵に囲まれ潰されるケースが多かった。

 そうではなく中島が前のスペースへ走り込み、そのスペースへ青山から放射状のパスが出れば中島は前を向いてボールが持てるようになる。そうすればセカンドストライカーにもなれる彼のシュート力が生きるだろう。

FW大迫のポストプレイが前でポイントを作る

 一方、FWにはポストプレイのうまい大迫を、久保と組み合わせる。大迫は前に張る形にしてクサビのボールを受けさせ、その周りを久保が衛星的に動くからみ方をする。

 大迫は日本人選手のなかでは1、2を争う正確なポストプレイヤーだ。これで前に攻めのポイントができる。そして久保が彼をサポートすれば、大迫が落としたボールを拾って2次攻撃が可能になる。これにより久保は前を向いてボールが持てるようになり、彼の鋭いシュート力と前への推進力が生きる。また大迫の起用により2トップの役割分担が明確になり、「めざす形」がハッキリする。

 こんなふうにセンターラインに森重と青山、大迫を入れることでチームの芯ができ、攻撃パターンがスムーズで計算できるようになる。いままでは出たとこ勝負のギャンブルにすぎなかった攻めが、確実性の高く破壊力あるものになる。

 もちろんミドルサードやアタッキングサードで相手と競り合いこぼれを拾ったり、パスカットしてショートカウンターを狙うこのチーム従来の形もそのまま生きる。別に極端なポゼッション・スタイルに変えるわけではないから、その点は心配ない。

持ち前の勝負強さと決定力を生かす「確実性」

 なお、めざましく進歩しているSB室屋に加え、山中もそのままで充分だろう。SBはA代表でも人材不足のポジションであり、長友が招集できれば別だが実現性はどうだろうか。

 また一部で本田案も取り沙汰されているが、彼が入るとまったく別のチームになるのでおすすめできない。FWに大久保を呼ぶ案も、タイプ的に久保や浅野と明確な線引きがしにくいためバランスを考えるとどうか。

 いずれにしろOA枠の活用で、このチームに足りない「確実性」を補えることは保証できる。持ち前の勝負強さと決定力、メンタルの強さに確率の高い攻めが加われば、かなりのチーム力アップになる。いまから本大会が楽しみだ。
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